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オリバー・ストーン、人質救出に乗り出す

皆様、新年明けましておめでとうございます。ケニアの暴動、パキスタンのブットと、世界を取り巻く不穏な空気は相変わらずですが、今年こそは平和な世界になることを祈りましょう。

元々リベラルな発想が強く、様々な平和運動に貢献してきたハリウッドですが、新年早々人々を驚かせるニュースが飛び込んできました。社会派で知られるオリバー・ストーン監督が、南米コロンビアで人質になっている、ジャーナリストを含む3人の人質の救出作戦にのりだしたというお話。


少々髪は薄くなったが
相変わらずパワフルなストーン監督
事の起こりは先月18日。コロンビア国際革命軍によって拘束されている3人の人質を解放する交渉が行われていましたが、政府とゲリラ側との交渉が噛み合わず暗礁に乗り上げていました。交渉役の一人であるベネズエラのウゴ・チャべス大統領は、ゲリラとの交渉をスムースに行うために米国人の有名人を立ち合わせることを考え、かねてからの友人であったストーン監督に打診したところ、喜んでOKしてもらったとのこと。

この救出作戦、武装したゲリラの前に出て行く事になるわけで、当然ながら非常に大きな危険を伴います。何もそんな危ないことをしなくても、と心配するハリウッド関係者の声をものともせず、12月31日の大晦日、アメリカを出発したストーン監督。現在ベネズエラでゲリラとの交渉を待っているそうです。

ストーン監督といえば、「プラトゥーン(86)」、「7月4日に生まれて(89)」等、社会派作品を撮り続けて来た人。最近では911テロを生生しく描いたドキュメンタリー「ワールド・トレード・センター(06)」を製作しています。イラク戦争についても積極的に発言し、ブッシュ大統領攻撃の尖兵となっています。

単なる口先だけの平和主義者とは一味違うストーン監督、実は若い頃からかなりの行動派。大学を中退していきなり陸軍に入隊、ベトナム戦争に従軍経験し、その時の体験を下に傑作「プラトゥーン」を作ったと言われています。自ら火の中に飛び込んでいく行動力では、この人の右に出る人物は見当たりません。また、商業主義に陥らない映画作りを貫いているという点でもさすが。今回の体験を元にして、南米のゲリラ問題を描いた映画を製作すると発表しています。

多くのハリウッドスターの忠告を無視して飛行機に乗り込んだストーン監督。CNNのインタビュアーの「ゲリラに人質に取られたらどうしますか?」という質問に対し、「俺は一人で10人分くらいの価値があるからね。3人解放するだけで俺を人質にしたら奴ら大儲けさ」と、軽いジョークで答えていましたが、無事の帰還を祈って止みません


TEXT BY 岩下慶一

2008年01月11日 13:15

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