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音楽の一大祭典:栄えあるグラミー賞は誰の手に?
去る2月10日、ロサンゼルスのステイプルズ・センターにて第50回グラミー賞が開催されました。数ある音楽の祭典の中でも、最も歴史と栄誉ある本アワード。多くの出席者・観客によって、LAきっての巨大スタジアムが埋め尽くされました。ミュージシャンならば誰もが志すと言っても過言ではないグラミー賞。蓄音機モチーフのトロフィーを持ち帰ったのは、一体どのアーティストだったのでしょうか?
オープニングを飾ったのは、アリシア・キーズ。大画面で歌うモノクロ映像の故フランク・シナトラの傍ら、ピアノの弾き語りによって夢のデュエットを実現させました。ヒット曲”No One”で女性R&Bパフォーマンス賞・最優秀R&Bソング賞を獲得。舞台では、ギターテクニックの評価も高いジョン・メイヤーとのコラボレーションを披露しています。
本年度、最多獲得数をマークしたのは英国歌手のエイミー・ワインハウス。6部門にノミネートされ、年間レコード・楽曲・新人賞の主要3部門を含む5冠に輝いています。彼女のパフォーマンスは明け方のロンドンから。というのも、最近ドラッグ問題が取り沙汰されていた彼女、米入国のビザが下りなかったとか。しかし、そんな逆境も何のその。トレードマークになりつつある鳥の巣のような巨大ヘア、余裕で1センチ以上はありそうなアイラインで、ヒット曲”You Know I’m No Good”と各賞受賞曲の”Rehab”を披露しています。いかにもソウル!といった雰囲気のステージ上でメチャメチャ元気に踊るコーラス3名の横、気だるいムードのワインハウスという絵面にはかなりシビれました。直後、年間レコード賞獲得の瞬間にあっけに取られる姿はかなりキュート。皮肉にも、先日とうとう”Rehab”入りを果たしてしまったワインハウスですが、今後ドラッグはNo, No, No~♪でお願いしたいものです。
一方、最多8部門にノミネート、ワインハウスを追ったのはカニエ・ウェスト。これまでは賞レースに縁が無いと囁かれていましたが、最優秀ラップアルバム (“Graduation”)を含む4部門制覇となりました。ヒット曲”Stronger”のパフォーマンスはこれまでと一風変わった雰囲気。それもそのはず、バックにダフト・パンクを従えてのサイバーチックなアレンジはかなり見応えアリでした。その後、しっとりと歌い上げたのは”Hey Mama”。後頭部に「MAMA」の文字を剃り込んで、昨年秋に急逝した実母ドンダさんへのトリビュートとして捧げました。
本年度のグラミー賞は、往年のスターアーティストが続々と登場。目玉のひとつは、ビヨンセとティナ・ターナーによる競演でした。一瞬ブルマにも見えた蛍光黄緑のオールインワン姿のビヨンセは、20世紀の「女王」を紹介。ともにターナーのヒットカバー曲”Proud Mary”を熱唱しました。かつては超細身で知られたターナーはすっかり貫禄が付いて、思わず「おかん!」と叫びたい葛藤にかられましたが、21世紀の歌姫ビヨンセも負けず劣らずの迫力ボディ。母娘のビフォア・アフターを見ているような、それでもゴージャスなステージとなりました。しかしグラミー賞後日、このパフォーマンスに苦言を呈したのがアレサ・フランクリン。ご存知クイーン・オブ・ソウルも当日、圧巻のゴスペル曲”Never Gonna Break My Faith”を披露していましたが、ビヨンセがターナーを「美貌・ソウル・情熱・強さと才能を兼ね備えた伝説のクイーン」と紹介したのがお気に召さなかった様子。女王の称号は私のものよっ!ということなのでしょうか?
また、豪華だったのはパフォーマーのみならず、プレゼンターの面々も超が付く華やかさ。プリンスに始まり、トム・ハンクス、シンディ・ローパー、シェール、トニー・ベネットにスティーヴィー・ワンダーなどなどが来場しています。また、今年のグラミー賞はビートルズファンにはたまらないものになった模様。ラスベガスのミラージュにて上演中、ビートルズの楽曲をアレンジしたシルク・ドュ・ソレイユのショー「Love」が、サウンドトラック・アルバム賞を受賞。その為、リンゴ・スターはもちろん「5人目のビートルズ」とも呼ばれるプロデューサー、ジョージ・マーティン卿やオノ・ヨーコも大画面に映し出されました。ティーンはもちろん、ずっと上の世代まで喜ばれそうなラインナップだったことは間違いありません。
NARAS (National Academy of Recording Arts and Science) 主催、約1万2千人の会員による投票で選出されるグラミー賞。本年度はCBSにて1820万人もの視聴者が見守ったとのことでしたが、これでも歴代ワースト3。アメリカのTV離れは深刻化しているのかもしれません。それに拍車をかけたのがWGAストライキとも言われていますが、先日の投票でいよいよスト解除が決定。晴れてアカデミー賞開催にGoサインが出たところです。24日が待たれるオスカーは、より多くの人々がチャンネルを合わせることになるのでしょうか。音楽vs. 映画の戦い?にも注目です。
TEXT BY アベマリコ
2008年02月14日 18:30
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