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April Fool’s Day? あの監督がウソみたいな訴訟劇
ちょっぴり遅ればせながら、Happy April Fool’s Day! 先日4月1日はエイプリルフール。本年度、皆さんはどなたかをドッキリさせちゃいましたか?アメリカでも日本と同様、この日は堂々とPrank=悪ふざけでイタズラしてもOK!…との認識はありますが、当日の紙面を賑わせたのは何ともビミョーな訴訟。アメリカを代表するあの映画監督が、大手アパレル企業におかんむりの模様です。
今回の主人公となったのは「アニー・ホール (1977)」、「ハンナとその姉妹 (1986)」や「地球は女で回ってる (1997)」などで知られるウディ・アレン監督。出席したのは2002年と2007年の2回のみと言えども、アカデミー賞では常連です。映画監督としてだけではなく、俳優・脚本家・ミュージシャンとしても著名。そんな世界が認める氏が、この度LA発の服飾メーカー「アメリカンアパレル」を相手取って訴訟を起こしてしまったのでした。
事の始まりは昨年5月。アメリカンアパレル社が、アレン監督を使った巨大な看板広告をロサンゼルスとニューヨークに、また同社のウェブサイトにも同じプリントを掲載しました。そこには、ユダヤ教のラビの格好をしている監督の姿が。前出の出世作「アニー・ホール」のワンシーンから抜き出された写真が、そっくりそのまま使用されていたのでした。ユダヤ人の国際語とされるイディッシュ語で「神聖なるラビ」とのキャッチコピーが付けられ、しっかり社名も入っているこの広告。こちらが何と、一切アレン監督の許可なしに作成されたものだったのです。
訴訟の内容を見てみると、ビックリというか思わず苦笑い。大企業には通常あり得ない失態、「ジョーク」では済まされないものでした。アメリカンアパレル社は、あたかもアレン監督をスポンサーのように、かつ提携しているかのごとく広告を掲げていましたが、それは完全なる無断使用。監督自身の承諾や事前の連絡すらも取られていない始末で、これは訴えられても仕方がない状況かと思われます。これまでにも、ほぼヌードのモデル達を使ったきわどいポスターで話題を呼んでいた同社ですが、どうやら今回はやり過ぎたかも。結果、マンハッタンにて3月31日付で提訴、損害賠償としてこれまた驚きの約10億円!以上が要求されています。
皮肉にもアレン監督の広告が功を奏したかのように、アメリカンアパレルの創始者・代表であるダヴ・チャーニー氏は、本件の2週間前に「2007年度は最も成功した年だった」と発表。しかし、今回の一件に関しては未だコメントが出されていません。近年では日本を含む13ヶ国に進出を果たした同社ですが、この度の裁判沙汰が大きな痛手となるのか。それとも、大きな「宣伝効果」を生むことになるのでしょうか。
エイプリルフールの紙面に踊った今回の訴訟劇。双方ユダヤ系の両氏ですが、一方では「問題児」としての共通点も。アレン監督が元彼女のミア・ファローの養子スン・イーと結婚しちゃったことは世界を仰天させましたが、チャーニー氏も負けてはいません。広告にも度々使われるほどに美人揃いと評判の同社ショップ店員から、セクハラ裁判を起こされることもしばしば。ちょっと笑えないというか、ジョークにもしづらい人生を歩んでいるご両人。最後に「笑う」のはどちらになるのか、今後の行方に注目が集まりそうです。
TEXT BY アベマリコ
2008年04月03日 15:51
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