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日本映画がLA上陸!「Japan Film Festival」
古き良き日本から、最先端のポップカルチャーまで「Made in Japan」印の映画が一挙に楽しめる一大イベントが、ますますパワーアップして帰って参りました。ハリウッドを席巻する外国映画ブームに、我らが日本も堂々の参戦。強力なラインナップを誇る日本映画祭の模様をじっくりとご紹介していきます。
4月11日から17日まで、LAダウンタウンに位置するリトルトーキョーにて開催された「Japan Film Festival 2008」。本映画祭は2003年と2004年、eigafanでもご紹介した2006年度と過去3回に渡って行なわれた「Chanoma Film Festival」が前身となっています。その規模もクオリティも拡大され、本年度が栄えある復活第一回目。日本で大ヒットした劇場映画はもちろん、アメリカ人までが涙ものの黒澤映画、アニメやインディペンデントの短編にドキュメンタリーをも含む39本が、はるばる海を渡ってLAに上陸しました。また、その後の18日より20日まではCA州オレンジ郡アーバインの「Starplex Cinemas」に場所を移して、これらの作品を一挙上映中です。
ロサンゼルスでの会場となったのは「ImaginAsian Center」。昨年12月にオープンしたての本館は、アジア作品を中心に扱う総合芸術施設です。もともとは、20・30年代にArrow Theater・The Aztecとして、1945年から80年代半ばの閉館まではLinda Lea Theaterに名称を変えて愛されてきた由緒ある劇場。こちらが昨年、アジア系のTV番組や映画を扱うImaginAsian社によって改築されました。白を基調としたモダンな装いも新たに、本館のこけら落としでは”Dancing with the Stars (ABC)”の審査員としてお馴染みとなったキャリー・アン・イナバをホストに迎え、ハリウッドを代表するアジアン・アメリカンのタレント達が続々と来場。今後もLAにおけるアジア系作品の発信地として、いろいろとお世話になりそうなシアターです。
それでは、気になるラインナップをご紹介しましょう。J-Popフィルムとしてジワジワと人気を集めるラブコメや、もはやガッチリ定着しているアニメ、時代劇やホラーと盛りだくさんの内容は見応え十分。筆者個人的には、新進アーティスト達による短編・インディー集が強く印象に残っています。また、普段はお目にかかることの少ない「洋題」にも注目です。
■劇場公開作品■
●「椿三十郎 (1962)」”SANJURO (洋題)” 監督:黒澤明
●「隠し砦の三悪人 (1958)」”THE HIDDEN FORTRESS”:黒澤明
●「ALWAYS 三丁目の夕日 (2005)」”ALWAYS SUNSET ON THIRD STREET”:山崎貴
●「舞妓Haaaan!!! (2007)」”MAIKO HAAAAN!!!”:水田伸生
●「電車男 (2005)」”TRAIN MAN”:村上正典
●「SHINOBI (2005)」”SHINOBI”:下山天
●「夕凪の街、桜の国 (2007)」”YUNAGI CITY, SAKURA COUNTRY”:佐々部清
●「無花果の顔 (2006)」”FACES OF A FIG TREE”:桃井かおり
●「ちゃんこ (2005)」”SUMO HOT POT”:サトウトシキ
●「怪談 (2007)」”KAIDAN”:中田秀夫
●「BLACK NIGHT (2006)」”BLACK NIGHT”:秋山貴彦/パトリック・レオン/タニット・チッタヌクン
●「エクスマキナ (2007)」”APPLESEED SAGA: EX MACHINA”:荒牧伸志
●「フラガール (2006)」”HUKA GIRL”:李相日
●「ONE PIECE エピソード オブ アラバスタ 砂漠の王女と海賊達 (2007)」”ONE PIECE”:今村隆寛
●「1/4の奇跡~本当のことだから (2007)」”THE MIRACLE OF THE GIFTED QUARTER”:入江富美子
●「あかね空 (2006)」”AKANEZORA”:浜本正機
●「俺達の世界 (2006)」”THIS WORLD OF OURS”:中島良
●「アタゴオルは猫の森 (2006)」”ATAGOAL CAT’S MAGICAL FOREST”:西久保瑞穂
●「花よりもなほ (2006)」”HANA”:是枝裕和
●「NARA: 奈良美智との旅の記録 (2006)」”TRAVELING WITH YOSHITOMO NARA”:坂部康二
■インディペンデント作品■
-「今日という日が最後なら、 (2007)」”IF TODAY WAS THE LAST DAY,”:柳明菜
- アニメ特集/「コルボッコロ (COLUBOKKORO/2007): Kenji Itoso」「タロピカーナ (TAROPICANA/2007): ドラゴ ウノ」「Love Rollercoaster (2007) : 堀江弘昌」
- 短編集/「Tokyo Cowboys (2008) : Daneeta Loretta Saft & Patrick Jackson」「ムーの男 (Mu No Otoko/2008): 小林でび」「年賀状 (Nengajo/2006): 関野昌也」
- 短編集/「二重被爆 (Twice Bombed, Twice Survived/2006): 青木亮」「良い地 (Good Soil/2007): クレイグ・シマハラ」「青春 (Yourh/2007): 河野亜季」
- 短編集/「影 (Kage): 真矢武」「クレヨン (Crayon): 安部圭造」「JSCO (2008):SHINCHIKA」「師走の訪問者 (Visitor at the December Night): 細山広和」「ふくをきたカラス (Crow that wears clothes): 海老澤和夫」「眠りの館 (Sleepy house): 太田裕美」「Bridge (2007): 山田園子」「平成ロボヘルパー (Recent future robot HELPER Z): 鈴木勝之」「とぶ (Flying): 長池弘史」
計10日間に渡り、これまでと現在の日本を一度に味わわせてくれたJapan Film Festival。悲しいかな上映作品が限られてしまうことが多い在米日本人にとっては、大スクリーンで日本映画が鑑賞できる絶好の機会。もちろん、様々な国籍の方々もひっきりなしに訪れ、満足気に映画談義に花を咲かせる姿が多く見かけられました。今後も回を重ね、本フェスティバルを飾る素晴らしい日本映画が続々と登場するのが今から楽しみです。
【Japan Film Festival(日本語ページあり)】
【The ImaginAsian Centerホームページ】
TEXT BY アベマリコ
2008年04月17日 17:19
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