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またもや訴訟!今度はあの「Star Wars」絡み
ビジネスとお金の集まるところには、必ずと言って良いほど付いて回るのが「訴訟」の影。先週のウディ・アレン監督に引き続き、またも映画にまつわる裁判が勃発しました。この度の主役はアメリカにとどまらず、日本にもマニアの多い「スター・ウォーズ」シリーズのいちキャラクター。洋の東西を問わずに人気の高い、伝説的SF映画の訴訟劇をレポートしていきます。
今回、白羽の矢が立ったのは「ストーム・トルーパー」。この名前だけですぐ分かる人はかなりのSWファンかと思われますが、「白いヘルメットの機動兵」と言えばピンと来る方々も多いはずです。あのコワ可愛い?キャラクターを巡る裁判は、ジョージ・ルーカス監督が創設した製作会社「ルーカスフィルム」vs. 初代「スター・ウォーズ (1977)」の小道具担当アンドリュー・アインズワース氏によって争われています。
ロンドン在住のアインズワース氏は、自称「ストーム・トルーパーの生みの親」。実際、1977年の映画制作中にあの白いヘルメットの鋳型を作成した人物です。その後、SWシリーズの爆発的な人気にともない、自身のウェブサイトにてヘルメットや甲冑をレプリカとして販売。気になるお値段ですが、上は2千ドルに届くというからなかなかの商売です。そこに待ったをかけたのが、ルーカスフィルム社。2006年にはカリフォルニア州の裁判所にて、版権侵害として2千万ドルを勝ち取りました。つまり、今回の訴訟は2度目。アメリカ国内のみならず、アインズワース氏が居を構えるイギリスでも、同じ扱いとするべく裁判へと持ち込まれたのでした。
これに、アインズワース氏は逆提訴。彼の言い分としては「ストーム・トルーパー」の版権は自身にあり、過去6作にのぼるSW全シリーズの商標収入=ざっと見積って約240億ドルを要求しています。対するルーカスフィルム社も、その強固な姿勢は変わらず。キャラクターは、ルーカス監督率いるデザインチームによっておよそ1年以上もかけて考案され、ヘルメット作成の為にアインズワース氏が雇われた時にはすでに完成されていた、と主張しています。
この度の訴訟劇が繰り広げられているのは、ロンドンの由緒ある高等法院。映画の中などでも見られるように、裁判官は白髪のカツラとローブを掛けた黒い法服を着用して裁判に臨みます。本件では今後10回にわたる審問が予定されているようですが、初回の4月8日だけでも見どころ満載だった模様。ルーカスフィルム社の弁護士からは「あのストーム・トルーパーは実在するものではありません」「あのキャラクターは空想の産物ですから」などといった、マニアックなファンなら絶叫ものの発言も次々と飛び出すことになったとか。おしまいには、法廷に持ち込まれた180センチ強もある原寸大ストーム・トルーパー達に目をやり、裁判官アンソニー・マン氏が「彼らは公判中、ずっとそこにいるのかね?」と訊ねたというから何とも言えません。クラシックなヅラを被った裁判官が、あのキャラを睨みつける図…。この上なくシュールです。
ルーカスフィルム社が「近代文化における最も象徴的なイメージのひとつ」と表現したストーム・トルーパー。SWシリーズの中でも特に人気のキャラクターであることは、ネット上を賑わせる多種多様な「パロディもの」が物語っています。フツーに街中を闊歩させたり、芝刈りをさせてみたり、はたまた女性版も登場したり…などなど、愛すべきキャラクターの彼ら。版権の所在は本家本元の「親」か、はたまたルーカスフィルムか?ハリウッドも注目の版権争い、行方が気になります。
【SWウェブ辞典 ”Wookieepedia”/スター・トルーパー】
TEXT BY アベマリコ
2008年04月10日 17:37
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