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大火災の直後: MTV Movie Awards強行開催!
日曜日の早朝、スタジオシティのUniversal Studiosが大規模な火災に見舞われました。しかし、その日に園内の劇場にて予定されていた第17回MTV Movie Awards (MMA)は、中止されることなく開催。大火事にもかかわらずアワードを強行するあたり、ハリウッドならではといったところでしょうか。気になる被害状況に合わせ、華やかな顔ぶれが集まった式典の模様をレポートしていきます。
6月1日、日曜日の午前5時前。ユニバーサル・スタジオのご近所さんである筆者は、遠くから響く数回の爆発音&けたたましい消防車のサイレンに叩き起こされました。写真の通り、空は一面黒煙に包まれ、オレンジの火柱が。総勢400名以上による消火活動は昼まで続き、完全な鎮火は翌朝を待つほどの大火災となってしまいました。2日に発表された検証結果によれば、発火元はスタジオ裏手にあるNYCを模したセット。補修を行なっていた作業員の火炎装置が火元と断定されました。周辺のセットに加え、キングコングの園内アトラクションや、映画・TVなどのお宝フィルムが眠る書庫にも火の手が及ぶ大惨事に。全てのコピーは別の場所にも保管されており焼失は免れたようですが、それでも総被害金額は数億円にも上るとみられています。水道設備の水圧強化や、可燃性資材の使用の見直しなど、今後ユニバーサル・スタジオに課された宿題は山積み。けが人が出なかったことが不幸中の幸いでしたが、スタジオ内での更なる防災対策が練られることになりそうです。
消火活動が続く傍ら、園内のギブソン・アンフィシアターにて決行されたMMAは、昨年よりもヒートアップ。毒舌がバッシングを受けた2007年度の司会者サラ・シルバーマンに代わり、同年に生涯功労賞を受賞したマイク・マイヤーズがホストを務めました。彼とクリス・ブラウンの「ダンスバトル」で幕を開けたアワードは、MTVが主催とあってかなりくだけた雰囲気。多くのセレブ達は例年通りカジュアルな服装で参加し、女性陣にはミニドレスが目立ちました。
本年度のMMAは、お騒がせも満載。司会のマイヤーズは、往年のヒット作「ウェインズ・ワールド (1992)」より迷コンビだったガースことダナ・カーヴィと共に、本年度の映画タイトルをポルノ風に文字ってTop10形式で発表。また、コメディ俳優ジャック・ブラック、ベン・スティラー両氏とロバート・ダウニー・Jr. のコント?では、過去5度に渡るドラッグ逮捕歴を持つJr. に薬物ネタを振ったり、ブラックの頭部(模型)を爆破したりと悪ノリの連続でした。極めつけは「これまでのベスト夏映画」のプレゼンターとして登場、新作 ”Pineapple Express (原題)”で共演したセス・ローガンとジェームス・フランコ。演壇に着くやビミョーな本カテゴリーに悪態をつき、ジップロックに詰まった「偽物」マリファナの葉&巻いてきた巨大ジョイントをふたりで一服。MTV上での放映時には、しっかりカメラが引きになっておりました。受賞作「アイアンマン」に出演のJr. は、ここでもドラッグネタの洗礼を受けるはめに。苦々しい顔つきで開口一番「ハイでの紹介をありがとう」の一言に会場は爆笑、異様な盛り上がりを見せました。
また、昨今のゴシップ誌を賑わせたカップル達の登場も注目の的に。クリス・ブラウンは噂のリアーナと、イベント大好きなパリス・ヒルトンは最新のBFベンジー・マッデンと仲睦まじく座り、何度もカメラに抜かれていました。プライベート写真の流出が話題となったヴァネッサ・ハジェンズとザック・エフロンは、彼が新人賞を獲得した瞬間にハジェンズから頬にキスをするなど終始ラブラブなご様子。ちなみに、今年のMMAでオイシイ場面の多かったロバート・ダウニー・Jr. は、映画版「セックス・アンド・ザ・シティ」が絶好調、(ますます大きくなった)ジェニファー・ハドソンとともに今回プレゼンターを努めたサラ・ジェシカ・パーカーの元彼だったりもします。
本年度のMMA主要部門の受賞者/作品は以下の通り。それぞれ、ゴールデン・ポップコーン型トロフィーを持ち帰っています。ジョニー・デップは2冠を獲得。一般投票で結果が決まるとあって、彼の人気がいかに絶大なのかが見受けられます。また、ライブパフォーマンスでは英国バンドのコールドプレイが登場。ニューアルバムのタイトル曲 ”Viva La Vida”は世界初のTV放映となりました。また、ガールズグループのプッシー・キャット・ドールズはヒット曲、 ”When I Grow Up”を披露しています。
●ベスト映画:「トランスフォーマー」
●ベスト女優:エレン・ペイジ「Juno/ジュノ」
●ベスト男優:ウィル・スミス「アイ・アム・レジェンド」
●ベスト悪役:ジョニー・デップ「スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師」
●ベストコメディ:ジョニー・デップ「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」
●ベストファイト:ショーン・ファリス&カム・ギガンデット “Never Back Down”
●ベストキス:ブリアナ・エビガン&ロバート・ホフマン “Step Up 2 / The Street”
●これまでのベスト夏映画:「アイアンマン」
●新人賞:ザック・エフロン「ヘアスプレー」
●生涯功労賞:アダム・サンドラー
厳戒態勢が敷かれる中、開催の運びとなった2008年度のMAA。翌日2日には、テーマパークや隣接するシティ・ウォークも再オープンとなりました。セレモニーを振り返ってみると、今年もMTVらしく「やりたい放題」。ホストのマイヤーズは公開間近の主演作 ”The Love Guru”を2度も告知、プレゼンターで登場したウィル・フェレルは「無料広告!」と叫びながら、こちらも公開寸前の ”The Stepbrothers”を宣伝するなど、恰好のマーケティングの場となったことは間違いなさそうです。オスカーなどとは一線を画す、例年通りのお祭り騒ぎで幕を閉じたMAA。来年も(火災のない)ド派手な授賞式を期待したいと思います。
TEXT BY アベマリコ
2008年06月06日 11:45
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