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今年もLos Angeles Film Festivalがやって来た!
LAの映画ファンにとって、初夏の「季語」はこのイベント!年々規模を増すLos Angeles Film Festivalが2008年度も帰って参りました。一昨年より本映画祭のホームグラウンドとなったウエストウッドは、本日も満員御礼。開催真っ只中のLAFFの模様を一挙にレポートしていきます。
今月19日から29日まで、11日間の開催となっているLos Angeles Film Festival (LAFF) は、本年度で14回目を数えました。回を重ねるごとにその規模はパワーアップし、観客動員数は右肩上がり。2005年度は3万人強だったのが、昨年までの2年間で8万3千人へと膨れ上がったというから驚きです。今年は10万人越えになるのでは?との期待が高まる中、世界各国から集められた230本以上もの長編映画からPVまでが続々と上映中。ウエストウッドの映画館を占拠して、ド派手なお祭りが催されております。最終日に出揃う主要3部門(長編・短編・ドキュメンタリー)のコンペティションは、それぞれ賞金5万ドル。人気+クオリティ+豪華さと三拍子揃ったLAFFは「ロサンゼルス最大級」の呼び声にふさわしい映画祭です。
2008年度のオープニング作品は、この夏注目の「ウォンテッド (邦題)」。
6月27日の全米公開を待たずしての完全プレミア上映です。ご存知アンジェリーナ・ジョリーと名優モーガン・フリーマン、「つぐない」で人気沸騰のジェームズ・マカヴォイらがフラタニティ=秘密暗殺組織の一員に扮するド派手なアクション映画は、アメコミ作家のマーク・ミラーによる同名作品を完全映像化。
ロシア出身のティムール・ベクマンベトフ監督にとって、栄えあるハリウッド進出第一弾となっています。彼の名前を世界にとどろかせた「ナイトウォッチ (2004)」は、実は2005年度LAFFの招待作品。たった3年間でオープニング・ガラまで上り詰めるとは、アメリカンドリームならぬ「ハリウッド・ドリーム」を地で行くサクセスストーリーです。
なお他のガラ上映は、ヘビメタバンド「Anvil/アンヴィル」が題材となったドキュメンタリー映画 ”Anvil! The Story of Anvil (原題)”、「パンズ・ラビリンス (2006)」のギレルモ・デル・トロ監督による最新作”Hellboy II: The Golden Army”がクロージングに選ばれています。
短編や長編はもちろん、ファミリー向けやインターナショナル作品など、様々なカテゴリーを誇るのがLAFFの特徴のひとつ。その中のトリビュート部門には、今年2月に逝去された市川崑監督の名作「細雪 (1983/洋題: The Makioka Sisters)」が招かれました。映画界における70年以上ものキャリアと多岐に渡るジャンルは、フランスの今は亡き名監督フランソワ・トリュフォーらを始めとして世界中から崇拝されています。特に欧米では、市川監督による小説の映画化に定評があり、谷崎潤一郎氏の原作本が基となっている本作が出品されているのは納得がいくところ。古き良き日本の風景と美しい桜、色とりどりの着物を着こなした大女優達の競演に、LAの観客達が酔いしれること必至です。
例年LAFFにて選出されるのが、映画界における功労賞「スピリット・オブ・インディペンデンス賞」。2007年度のクリント・イーストウッドに続いて、今年はドン・チードルに贈られます。昨年のLAFFで初日を飾った”Talk to Me (日本未公開)”のようなコミカルなものから、オスカーにもノミネートされた「ホテル・ルワンダ (2004)」でのシリアスな演技まで。幅広いパフォーマンスで観客を魅了する彼ですが、2006年度のアカデミー賞最優秀作品賞となった「クラッシュ」ではプロデューサーとしても名を連ねています。授賞式は映画祭の最終日に行なわれる予定です。また、LAFF名物ともいえる有名どころのパネルディスカッションには、俳優アントニオ・バンデラス、監督/俳優/製作のロブ・ライナー、二世代で監督のアイヴァン(父「ゴーストバスターズ」シリーズ)&ジェイソン(息子「JUNO/ジュノ」)らが招かれています。
一般客の為のイベントが盛りだくさんのLAFFですが、映画関係者もご満悦の様子。プレセールの段階で前年比45%もアップ、スローと言われたカンヌ映画祭に比べると好調な出だしだった模様です。今回のラインナップから、将来の大監督&大ヒット作が生まれるかも?出品作やイベント情報などは、下記のホームページからご覧下さい。
【Los Angeles Film Festival 公式ホームページ 】
TEXT BY アベマリコ
2008年06月26日 19:42
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