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LAFF閉幕: 各賞の結果は?

6月19日から29日、夏真っ盛りのロサンゼルスにて行なわれた第14回Los Angels Film Festival。炎天下にもかかわらず、多くの観衆に見守られ無事に幕を下ろすこととなりました。今回は先週に引き続き、LAきっての大映画祭をレポート。上映最終日の土曜、各賞が発表された日曜日の模様を中心にお届けしていきます。

LAFFの本拠地がウエストウッド・ヴィレッジに移って早3年目。広大な敷地を誇る一大イベントへと急成長し、もはやすっかり定着したようです。それまでLAFFはウエスト・ハリウッドのSunset 5内にて、数ブロック離れたDGA(Directors Guild of America: 全米監督協会)を追加会場に「こぢんまり」と行なわれておりました。その頃に比べると、観客動員数はおよそ3倍に。日頃歩きなれていない? 一部の業界関係者の中では移動にせわしい…といった声もあるようですが、シアター数の増加によって上映セレクションが大幅にアップしています。また、もともとUCLAタウンである本エリアはレストランなども充実しており、開催期間中はフリードリンクのクラブ風イベント会場までお目見え。規模拡大が功を奏し、LAFFは年々より多くの注目&来場者を集めています。

土曜の最終上映日は、クロージング作品に”Hellboy 2: The Golden Army (原題)”が登場。本監督であり、前作「パンズ・ラビリンス (邦題)」では3つのオスカーを持ち帰ったギレルモ・デル・トロも来場し、本作の魅力&製作秘話を存分に語っています。人なつっこい笑顔の監督は、ファンサービスも熱心。一般客が集まるパーティにまで顔を見せ、多くの人々で賑わいました。「ロード・オブ・ザ・リング」のスピンオフ、”The Hobbit”シリーズ2作品の監督にも決定した彼からますます目が離せません。

賞金5万ドルが授与される注目の主要2部門は、最優秀長編賞に”Prince of Broadway (監督: シーン・ベイカー)”。NYのストリートで生きる男ふたりを描いたドラマが、最高の栄誉に輝きました。笑いあり涙ありの本作は、必見! の呼び声が高いインディーズ作品です。一方の最優秀長編ドキュメンタリー賞は、”Loot (ダリウス・マーダー)”が獲得。第二次世界大戦から60年の時を経て、とある元米兵の「秘密」が明らかになる実録映画です。振り返ってみると、本年度の優秀作品はそれぞれ男達のストーリーに贈られるかたちに。両氏はデル・トロ監督より本賞を受け取っています。

その他の授賞式が行なわれたのは、LAFF最終日となる29日。ハマー美術館に併設するビリー・ワイルダー劇場にて、華々しい式典が催されました。陰の大本命=観客賞には、長編部門に”The Wackness ”。ベン・キングスレー、メアリー=ケイト・オルセンら豪華キャストが出演するコメディドラマが人気を集めたようです。また、本年度「ウォンテッド」と並んでのガラ上映となった”Anvil! The Story of Anvil”は、長編ドキュメンタリー部門を獲得。更に各賞の授賞式に並び、俳優ドン・チードルに今年の「顔」となるスピリット・オブ・インディペンス賞が贈られています。

230本以上の短編・長編を引っさげて、駆け足で過ぎ去った11日間。スタジオ映画もインディーズ作品も、ジャンルを問わず一挙に堪能できるのが本映画祭の魅力のひとつです。また、LAFFにてプレミア上映される映画も多数。1年を通してお天気&過ごしやすいロサンゼルスですが、映画ファンにとってはこの時期を狙ってのLA観光が面白いかもしれません。

TEXT BY アベマリコ

2008年07月04日 11:35

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