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NBCも「GOLD」獲得?オリンピック史上で最高視聴率を樹立

08.08.08に開幕した北京オリンピック。熱い17日間は瞬く間に過ぎ去り、閉会式が催された日曜日が明けると、アメリカでは驚くべき視聴率が記録されていました。本国で開催の1996年アトランタ大会や、前回アテネの数字をはるかに凌ぐ結果に、北京五輪の独占放送権を獲得していたNBCユニバーサルはホクホクの様子。今回は、詳しいナンバーを交えてBeijing 2008を振り返ってみたいと思います。

2週間前にお伝えした通り、初日の開会式で早くも他国の開催地として史上最高の視聴率を樹立していた北京五輪。オープニングから絶好調、2008年は何かが違う…と期待されてはいましたが、蓋を開けてみれば17日間でアメリカ国内の2億1400万人がチャンネルを合わせたという結果が出ています。この数字は、これまでのベスト記録だった自国アトランタ大会より200万人以上のアップ、2004年のアテネ大会と比べると11%も上昇しています。第2週目はやや下降気味だったようですが、それでも1日平均で2700万人強が視聴という圧倒的な人気。また、24日の閉会式は2780万人に見守られ、先々週に引き続きウィークリー・トップを獲得しており、オリンピック開催中はどのチャンネルもNBC超えを果たせませんでした。

ここまで全米を熱狂させたのは、やはりアメリカ勢の大活躍に他ならず、特に大会4日目となる11日、水泳男子4×100mリレーにおける僅差での金メダル&世界新記録が、異常なまでの北京五輪人気に火を点けたと言えるかもしれません。試合前、同種目ライバルのフランスから「アメリカを潰しに来た」と名指しされ、これが自国大好き!な米国人にとっては聞き捨てならない「宣戦布告」に。試合は中盤までフランスのリードとなりましたが、誰もがあきらめかけていた4人目でアメリカチームが逆転勝利。史上まれに見る名勝負に、アメリカのオリンピック・フィーバーは過熱していきました。その後の、本リレーで第一泳者だったマイケル・フェルプスによる前人未踏の記録=1大会8個の金メダル獲得(出場種目完全制覇+7つの世界記録)は周知の通り。

一躍世界的スターとなった彼に加え、女子体操のショーン・ジョンソン&ナスティア・リューキンらのメダルラッシュ、女子ビーチバレーのケリー・ウォルシュ&ミスティ・メイトレーナーのペアによる金連覇、スペインとの好ゲームの末にゴールドメダルを持ち帰った男子バスケットボールなどなど、アメリカ人の自尊心をくすぐる結果の数々が視聴率にも表れたようです。

Beijing Olympics 2008において、8億9400万ドルで独占TV放映権を勝ち取ったNBCユニバーサルは、2012年の冬季バンクーバー大会と2014年開催の夏季ロンドン五輪の権利もすでにゲットしています。その額は、合わせて20億ドルとも…。想像を絶する金額ですが、今回の北京と同様に、各スポンサーからの広告収入などでラクラク元が取れるようです。この度NBCが立証した「オリンピックは$になる!」のセオリーによって、すでにアメリカ国内では2014年冬季と2016年の夏季に向けての権利獲得バトルが始まっているとか。最後にはどのチャンネルが笑うのか、こちらにも注目が集まりそうです。

TVやインターネットなど様々な媒体を通し、3600時間分にも及ぶ競技をカバーしたNBC。大会が終了した現在でも、まだまだオリンピック熱は冷めやらぬ…といったところです。筆者としては、日本選手の奮闘がほとんどTV放送されなかったのが心残りですが、アメリカでもスター・スイマーである北島康介選手の活躍ぶりは目に焼き付いています。数々のドラマと感動をくれた北京オリンピック。早くも、2012年&2014年が待ち遠しくて仕方ありません。

TEXT BY アベマリコ

2008年08月28日 12:53

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