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視聴率より質を重視?第60回プライムタイム・エミー賞
本年度でキリ良く第60回目を迎えた、TVの祭典エミー賞。去る21日、LAダウンタウンのノキア・シアターにて授賞式が行なわれました。会場には、今日のアメリカンTVを代表するハリウッド・スター達が続々と来場。その模様は、ABC局にて全国放送されました。お茶の間が見守ったトロフィーの行方は?2008年の傾向と交え、当日の模様をレポートします。
会場となったコダックシアター客席。
シュラインとはまた違ったゴージャスさです
2008 Emmysは、全体的にしっとりとした面持ち。派手なパフォーマンスは無く、歴代アメリカン・シットコムのパロディーやスキットと呼ばれる寸劇/ミニコントを中心に進められました。盛り上がりを見せたのは、歌手ジョシュ・グローバンによる主題歌メドレー。クラシックで著名な彼がラップ調の曲まで歌い上げるとは、なかなか見られないと好評だったようです。「フレンズ (NBC)」に”Happy Days (原題/ABC)”、はたまた「サウスパーク (Comedy Central)」や”COPS (FOX”)など、次々と声色を変えて器用に歌い上げる姿は圧巻でした。
例年、特に注目が集まるエミー賞の司会ですが、今年は新カテゴリーに加わった「リアリティーショー・ホスト部門」にノミネートされた5名が代わる代わる登壇。昨年のホストだったライアン・シークレスト (「アメリカン・アイドル (FOX)」)を含め、”Dancing with the Stars (ABC)”よりトム・バージェロン、ハウィー・マンデル (“Dear or No Deal (NBC)”)、「プロジェクト・ランウェイ/NYデザイナーズバトル (Bravo)」からハイディ・クルム、ジェフ・プロブスト (「サバイバー (CBS)」らが総合司会を務めています。当人達のやりづらそうな雰囲気が画面からも伝わってくる司会っぷりは、残念ながら酷評の対象に。オープニングに登場したオプラ・ウィンフリーに任せておけば良かったのに…といった声もチラホラ聞こえてきます。結局、ホスト賞を持ち帰ったのは「サバイバー」のジェフ・プロブストでした。
最優秀シリーズ・ドラマに輝いたMADMENの屋外アド。
また、AMCの”Mad Men”が人気シリーズ「ロスト (ABC)」「Dr. House (FOX)」「ボストン・リーガル (ABC)」を抑えて最優秀シリーズ・ドラマ部門を受賞。ケーブル局による本賞の獲得は初となる快挙であり、他5部門のトロフィーも持ち帰っています。同賞コメディ部門には、NBCの”30 Rock”。昨年に引き続き本賞に輝き、更には主演女優/脚本のティナ・フェイ、主演男優にアレック・ボールドウィンらが主要部門を総ナメにしています。今回の結果を受けて、業界各誌で取り上げられているのは各受賞作品の視聴率の低さ。視聴率Top10にランクインする「CSI: 科学捜査班 (CBS)」シリーズや「アメリカン・アイドル」、「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学(ABC)」などは主要部門の受賞を逃しています。
アメリカ大統領選も目前とあって、壇上からは多くのポリティカル・ジョークが聞かれた今年のエミー賞。全体の視聴率は、昨年FOXで放映された授賞式よりも5%ダウンの約1200万人と振るわなかったようです。昨年のWGAスト以来、米国人のTV離れは予想以上に進んでしまったのかも?今月から続々と始まっている新番組に、期待したいと思います。詳しい受賞者リストは、下記のホームページからご確認ください。
TEXT BY アベマリコ
2008年09月25日 22:34
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