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Anime & Mangaの次は”Batsu Game”?日本のバラエティが大人気
この秋、FOXチャンネルにて堂々のプライムタイムに登場した新番組”Hole in the Wall ”。実はこちら、とある日本のバラエティを元に誕生したゲームショーなのです。昨今のアメリカでは、日本生まれのテレビ番組がかなりのブーム。ネタ切れ気味のアメリカンTVの救世主となるのか否か、今回はジャパニーズ・フォーマットを用いたテレビシリーズの数々に迫ります。
↑FOX テレビジョンセンター
ヨーロッパなどではすでに番組化され、「ヒューマン・テトリス」なんて呼ばれ方も。当番組によってアメリカ初上陸となりますが、迫り来る壁を抜けられなければプールに落下…といった単純明快なルールに、アメリカの老若男女が沸いている模様です。日本との違いは、一般視聴者の3人グループ×2組が対戦する点と、優勝チームに賞金10万ドルが贈られるところ。オタクチームや女性ボディビルダー3人組、巨漢チームなどが登場して番組を盛り上げています。
実のところ「日本発祥のゲームショー」は、今夏からジワジワと人気を集めていました。ひとつは、ABC局にて6月末より木曜20時に放送されていた”Wipeout”。一般公募によって集められたチャレンジャー達が、様々な障害物をクリアしていくバラエティです。毎週24名が各アトラクションに挑み、優勝者には賞金5万ドル。製作サイドはモチーフにした日本の番組名を挙げていませんが、日本人なら「風雲!たけし城」や「SASUKE」が浮かぶこと必至です。約3ヶ月に渡って放送された当番組の視聴率は、週間トップテンに必ずランクインするほど好調。また、日本特有の罰ゲーム方式は、業界各誌でもそのまま”Batsu Game”と表記して紹介されました。”Otaku”などと同様に、日米共通語となるのでしょうか?
司会に大抜擢された神田さん
今年に入って日本のゲームショーが一気にブレイクの兆しを見せていますが、アメリカのケーブル局ではすでにお馴染みとなったバラエティも多数あり。前出の「風雲!たけし城 ( 洋題 / MXC: Takeshi’s Castle)」は、MTV所有のSpikeチャンネルにて吹き替え版で放送され、ビデオにもなるほどの人気です。また、料理番組中心のFoodチャンネルでは、現在でもアメリカ版「料理の鉄人 / Iron Chef」を放映中。更に、若年男性層がターゲットのG4局においては「筋肉番付」が”Unbeatable Banzuke”に、「SASUKE」は”Ninja Warrior”へと名を変え、日本のシリーズがそのまま字幕放送されています。
こうしたコアな人気を誇る日本発バラエティは、これからますます増えていく予感。つい先日も、アメリカの大手タレント事務所「ウィリアム・モリス・エージェンシー (WMA)」が、日本のテレビ番組のフォーマット独占権を獲得したと発表しました。気になるラインナップは、タレントが料理の腕を競い合う「愛のエプロン」、「ロンドンハーツ」より女性タレント達がランキングを予想する「格付けしあう女たち」、「いきなり!黄金伝説。」からはひと月を1万円でしのぐ「 1ヶ月1万円生活」の計3本。今後、WMAによって米英でフォーマットが販売されることになるようです。どの局が、どんな形でリメイクするのか?今後の動向に注目です。
日本のバラエティを世界に広めた立役者は、何といってもインターネット。特に日本が誇る?数々のゲームショーは、言葉や文化を超えて「動き」だけで世界中の人々に笑いをもたらしているようです。Made in Japanの番組が、アメリカのTV業界を支え、日本人アクター達にとっての活躍の場となる。そんなWin-Win効果が生まれることを期待しつつ、今後も日本発信の番組を随時チェックしていきますのでお楽しみに!
【FOX “Hole in the Wall” 公式サイト】
TEXT BY アベマリコ
2008年10月02日 18:24
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