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続報: AFI Fest / 各受賞作品が明らかに

先週お伝えした第22回AFI Festが、11月9日をもって惜しまれつつの閉幕を迎えました。最終日に行なわれたクロージング・ガラから各アワードの受賞作品まで、その様子を一気にご紹介。また、ほぼ同時期に開催されていたアメリカ最大級の映画マーケット「AFM」の横顔も合わせてお伝えしていきます。




AFIポスター

10月30日より11日間、多くの観客で賑わいをみせたAFI Fest。サンセット大通りに面したメイン上映会場Arclightを中心に、本年度は第1回アカデミー賞が行なわれた老舗ホテル「ハリウッド・ルーズベルト」を本部に据え、更には上映シアターが新たに増設されるなど、例年を上回る規模で開催されました。オープニング上映作品”Soloist (原題)”のドタキャンといった波乱含みのスタートを切りましたが、終わりよければ全て良し?と思いきや、クロージング・ガラでもちょっとしたハプニングが勃発しちゃいました。

2008年度のAFI クロージング作品に選ばれたのは、第二次世界大戦下のポーランドが舞台となる”Defiance”。9日に満を持してのワールド・プレミアを迎えましたが、上映開始から約1時間後に本編がプッツリとストップ。ざわめく観客席に流れたアナウンスによれば、防災装置の誤作動による自動停止だった模様です。予期せぬ10分間の小休止後、安全が確認されてから無事の上映。関係者はヒヤヒヤもののアクシデントですが、当のエドワード・ズウィック監督は、後のパーティにて「本来インターミッションを入れるべきだったのかもね」と一笑に付しております。当初の予定だった全米公開12月12日が、アカデミー賞対象作品となる日程ギリギリの同月31日に延期されるなど、奇しくも”Soloist”と似たような道を辿っている本作。両方とも実話に基いたストーリだったりと、妙にカブってしまいます。




                  AFMメイン会場のLoewsホテル


最終日には、AFI Festアワード受賞作品も一挙発表。各審査員賞は、コンペに選出された短編・長編・ドキュメンタリー部門の中から決まり、それぞれの監督にはフィルムストックが贈られます。また、観客の人気投票により最も獲得数が多かった作品が、その名の通り「観客賞」受賞となっています。





*長編部門

・審査員賞 “Acne” / 監督: Federico Veiroj / ウルグアイ・アルゼンチン・スペイン・メキシコ合作

・観客賞 “A Necessary Death” / Daniel Stamm / アメリカ

*短編部門

・審査員賞 “The Legless Boy Cannot Dance” / Michael Lipkes / メキシコ

・観客賞 “Busco Personas” / James Lee / コロンビア

*ドキュメンタリー部門

・審査員賞 “Kassim the Dream” / Kief Davidson / ウガンダ・アメリカ合作

・観客賞(同率2作品) “The World We Want” / Patrick Davidson / アメリカ
 
“Kassim the Dream” / 同上




AFMポスター


 一方、AFI Fest期間中の11月5日から1週間、ロサンゼルスの海沿いに位置するサンタモニカでは「AFM: American Film Market」が行なわれていました。こちらは、いわば映画のショッピングセンター。世界中から集った目利きバイヤー達と各国の映画制作会社/権利元とが膝を突き合わせ、版権や配給権利などが売買されます。業界関係者によると、今年のマーケットは著名な俳優や監督がアタッチした「独立系映画」が人気を集めていたとか。



更には、世界的な経済不安とあいまってか、良作を抱える権利元とそうではない会社との売れ行きに明暗がハッキリと分かれる年になったようです。また、バイヤー向けの試写会の中で特に話題に上ったのが、”Paranormal Activity (2007) ”。オーレン・ペリ氏が監督・脚本・製作・編集を兼ねたホラー作品に、AFMの初日3日間で配給権やリメイク権を含む30以上ものオファーが殺到した模様です。本作は氏の初作品であり、第2の「ブレア・ウィッチ・プロジェクト (邦題 / 1999)」現象?との呼び声が高くなっています。

 

多人種が入り混じるロサンゼルスは、異文化や世界情勢に敏感な人々が特に多い街。世界中の映画を楽しめるAFI Festは、アートの秋にピッタリなイベントです。ハリウッドの業界人や映画ファンには大忙しとなった10&11月ですが、ホッと息つく暇もなく年末の大作ラッシュが到来。今後も注目映画や話題作など、どんどんご紹介していきますのでお楽しみに。2008年度AFI Festの詳しい模様や出展作品の全リストなどは、下記のホームページよりご覧下さい。

 

【AFI Fest 2008 公式HP】




TEXT BY アベマリコ

2008年11月13日 18:13

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