« ハロウィーン・ナイト!Knott’s ‘Scary’ Farm | メイン | 続報: AFI Fest / 各受賞作品が明らかに »

映画ファン待望!AFI Fest 2008

「第44代アメリカ大統領バラック・オバマ」が誕生して国内が沸く真っ只中、ハリウッドではこちらの映画祭も大盛況。アメリカ屈指のフィルムスクールAFI主催の「AFI Fest 2008」が、10月30日に開幕しました。世界中の映画が堪能できる、11日間の贅沢な国際映画祭。今回は、こちらの中間レポートをお送りします。

世界384カ国から集められた映画が一堂に会する「AFI Fest / AFI LA International Film Festival」は、今年で22年目。回を重ねるごとにパワーアップして、2008年度は短編・長編・ドキュメンタリーを含む148本が揃いました。映画制作訓練校AFI (American Film Institute) が毎年開催している本映画祭は、開催時期を近年より春から秋へと移動した為に、出品作の多くがアカデミー賞に絡んでくることでもより一層の注目を集めています。

今年のAFI Festは、ちょっぴり波乱の幕開けとなりました。当初、オープニング・ガラ (Gala=目玉作品) に選ばれていたジェイミー・フォックス主演の“Soloist (原題)”が、何と開催直前に出品辞退。年内の公開予定も来年3月に延期されるなど、急なゴタゴタがありました。しかし、その救世主となったのが、ジョン・パトリック・シャンリー監督の”Doubt”。主演のメリル・ストリープやエイミー・アダムスら豪華キャストらが来場して、観客の喝采を浴びています。その他、スクリーンを彩るガラ上映は、スティーブン・ソダーバーグ監督の新作”Che”、ミッキー・ロークが主演を務めた”The Wrestler”、主演ダスティン・ホフマンが役に惚れ込んだと語る”Last Chance Harvey”の3本。更に、クロージング・ガラにはダニエル・クレイグ主演の”Defiance”が選ばれています。


「世界の映画を一挙公開」が売りのひとつであるAFI Festとあって、もちろん日本からの出品も。今年は、計4作品がはるばる海を渡りました。「ガチ☆ボーイ (洋題: Gachi Boy Wrestling with a Memory)」は、個性的なラインナップが並ぶALT Cinema部門にエントリー。特別試写となった日・独・韓合作の「TOKYO! (同) 」は、ミシェル・ゴンドリーとレオス・カラックス、ポン・ジュノら3監督による話題のオムニバス作品です。カンヌ映画祭にてある視点部門に招かれた「トウキョウソナタ (Tokyo Sonata)」は、本映画祭においては追加上映作品に。そして、ヴェネチア映画祭でコンペ出品となった世界のKITANO監督による「アキレスと亀 (Achilles and the Tortoise)」は、北米プレミア上映となりました。

数々のパネルディスカッションに加え、AFI Festでは特別イベントも随時開催中。まず本年度のトリビュートには、ともにイギリス出身の奇才ダニー・ボイル監督と昨年のオスカー女優ティルダ・スウィントンが選ばれ、それぞれの最新作”Slumdog Millionaire”と”Julia”を紹介しに会場を訪れる予定。また、マイルストーンと称したショーケースでは、今年に入って亡くなった映画監督・俳優を追悼する上映会が催されました。ポール・ニューマン主演のご存知「ハスラー (邦題・1961)」やチャールトン・ヘストンがリチャード・ハリスと共演した「ダンディー少佐 (1965)」、シドニー・ポラック監督「ひとりぼっちの青春 (1969)」など往年の名作から、アンソニー・ミンゲラが監督を務めた「リプリー (1999)」やヒース・レジャー主演の「ケリー・ザ・ギャング (2003)」といった比較的近年の作品まで、AFI選りすぐりの5作品が登場。映画史に名を刻んだ彼らの遺作が、大画面で余すところなく堪能できるスクリーニングとなりました。

ハリウッドの大型マルチプレックスArclightをメイン会場に行なわれているAFI Festは、今月9日までの開催。これからは後半を迎え、各コンペ出展作品から選ばれる最優秀長編・短編・ドキュメンタリー、観客賞などの発表を控えてますますの盛り上がりを見せてくれそうです。全ラインナップの紹介や豪華ゲスト達の顔ぶれは、下記のホームページから。
また、本映画祭では毎年一般からの作品も募集していますので、我こそは!という映画制作者の方々も詳細を要チェックです。

【AFI Fest 2008 公式HP】

TEXT BY アベマリコ

2008年11月06日 11:44

この記事へのトラックバックURL:
http://blog.eigafan.com/cgi-bin/mt-tb.cgi/1245

 
東宝東和株式会社