« 賞レース真っ只中!今年のオスカーはひと味違う? | メイン | 他の賞レースとは一味違う!第40回NAACPイメージ・アワード »

アメリカ音楽シーンの総決算!Grammy Awards開催

オスカー開催まで2週間を切り、映画ファン達がやけにソワソワしている今日この頃。ひと足お先に「音楽の祭典」グラミー賞が開催されました。2008年度を彩ったアーティストや時代を超えたスターが続々と登場した舞台の模様、今年の目玉となった異色のコラボレーション、そして式典寸前に起きた若手カップルのトラブル…などなど、総まくりでお伝えしていきます。


こちらは昨年末にオープンしたばかりのグラミー美術館のバナー。
グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロング版

今月8日に行なわれたグラミー賞は、本年度で51回目。6年連続で、LAダウンタウンのステイプルズ・センターが会場となっています。セレモニーの模様は、CBS局が3時間半に渡って一挙に放映。昨年、同局にて歴代ワースト3位を記録してしまった視聴率から10%アップの1900万人以上がチャンネルを合わせました。不況の影響か全体的に地味な印象だったにも関わらず、この数字は大健闘。どうやら前番組として、先月NYのハドソン河に胴体「着水」を成功させたパイロットの独占インタビューを放送したことが功を奏したようです。ちなみにこちらの「60 Minutes」は、1680万人もの視聴者を集めました。


今年のグラミー賞をさらったのは、ロバート・プラントとアリソン・クラウスの共同制作アルバム「Raising Sand」。年間最優秀アルバム賞を含め、ノミネートされていた主要5部門全てを制覇する快挙を達成しています。レッド・ツェッペリン時代は意外にも本賞に縁が無かったプラントは、バンド解散より30年近く経って初グラミーを獲得。一方のクラウスは、この度で26度の受賞を数え、さすがはブルーグラス界の女王といった貫禄です。
また、Hip-Hop勢は活躍しづらいと言われるグラミー賞で、リル・ウェインが4部門受賞の大健闘。ラップ・カテゴリーの多くを総ナメにしています。更に「Viva la Vida」を引っさげた英国バンドのコールドプレイが、7部門ノミネートより3つの蓄音機型トロフィーを持ち帰っています。

今回の見どころは、何と言ってもコラボレーション。コールドプレイのクリス・マーティン×ジェイ・Z、T.I. ×ジャスティン・ティンバーレイク、(臨月の)M. I. A.×リル・ウェイン×カニエ・ウェスト×前出のHip-Hopふたり、若者向けにはマイリー・サイラス×テイラー・スウィフト、そしてジョナス・ブラザース×スティーヴィー・ワンダー!がそれぞれ初共演を果たしています。
更に大御所では、ポール・マッカートニーが元ニルヴァーナ&現フー・ファイターズのデイヴ・グロールを招き、往年のビートルズナンバー「I Saw Her Standing There」を披露。そしてモータウン所属だったフォー・トップスへのトリビュートとして、唯一のご存命メンバーであるデューク・ファキールに加え、スモーキー・ロビンソン、ジェイミー・フォックス、ニーヨが「Reach Out」と「I Can’t Help Myself」を歌いました。同じくトリビュート部門では、昨年逝去されたボ・ディドリーを偲んでギタリスト達が登壇。B. B. キング、バディ・ガイ、キース・アーバン、ジョン・メイヤーといった新旧のギターの名手が名曲をカバーしています。
そしてもちろんソロでも、昨秋の悲劇を乗り越えて今月頭に復帰を果たしてくれたジェニファー・ハドソンが「You Pulled Me Through」でスタンディング・オベーションを浴び、レディオヘッドはご当地大学USCのマーチングバンドと競演、U2やニール・ダイアモンドまでステージを飾りました。

ここまでズラリと来て、賞レース常連カップルの名前がないことにお気付きの方も多いはず。実は、R&Bシンガーのクリス・ブラウンによる歌手リアーナへの暴行容疑で、それぞれが出演をキャンセルしています。事件は、式の前日に催されたプレ・パーティの帰りに、深夜の車内で起こった模様。現場から失踪していたブラウンは夕方に自ら警察へ出向き、数時間の拘束を経て5万ドルの保釈金で釈放されました。現在、ブラウンには3月5日までの出廷命令が出されており、ウィノナ・ライダーの万引きやマイケルジャクソンの児童虐待疑惑の担当弁護士が付く予定だとか。ファンならずとも驚きのニュースですが、何より彼女の怪我が心配です。

華やかな舞台の裏に、まさかのトラブルが起こっていた今年のグラミー賞。しかし、近年は表舞台にご無沙汰だったホイットニー・ヒューストンや、昨年の交通事故による怪我が心配されていたモーガン・フリーマンがプレゼンターとして登場したり、同年の飛行機事故から生還したトラヴィス・バーカーを含むブリンク182が活動再開を宣言するなど、ポジティブな出来事もみられました。高視聴率の波に乗り、停滞気味の音楽界やエンタメ業界全体の活性に繋がることを期待したいと思います。
1117人ものノミネート者が競い合った110部門の頂点&当日の詳しい模様は、以下のホームページからご覧下さい。




【Grammy AwardsオフィシャルHP】



TEXT BY アベマリコ


2009年02月12日 13:07

この記事へのトラックバックURL:
http://blog.eigafan.com/cgi-bin/mt-tb.cgi/1371

 
東宝東和株式会社