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25周年!アジア映画の祭典LAAPFF

1983年のスタートより、延べ3000本以上におよぶ良質のアジア映画を上映してきたLos Angels Asian Pacific Film Festival。25年目に突入した本年度は、今週30日から5月7日までの開催が予定されています。厳選された35本の長編映画、146作品のショートフィルムが堪能できる8日間。09年度LAAPFFの目玉ラインナップをご紹介していきます。


翼が生えたイラストが可愛いLAAPFFバナー

今年で25周年を迎えたロサンゼルス・アジアン・パシフィック・フィルムフェスティバル (LAAPFF)は、南カリフォルニア最大級のアジア系映画祭。アジア諸国出身の監督/俳優/製作者による作品や、アジアをテーマに描かれた新旧映画が続々とお披露目されます。本年度は、26カ国より計181本の短長編作品がエントリー。西はウエスト・ハリウッド、東はリトル東京を抱えるLAダウンタウンまで、LA市内に点在する5箇所の劇場や映画館が会場となっています。一方、本フェスティバルでは映画上映に平行して、毎年様々なイベントを開催中。監督や脚本家志望の人々に向けたセミナーや、エンターテインメント/メディア業界から講師を招いたティーチ・インやパネル・ディスカッションなども人気を集めているようです。

ロサンゼルス郡では20万人以上がエンタメ関連業務に就いており、年間200-300億ドルが動くとされる最大ビジネスのひとつ。しかし、今年1月だけでそこから約2万2000人が解雇されたと伝えられています。各スポンサーの撤退から広告収入が減り、結果として映画/TV/コマーシャルのロケ数が激減。LA近郊での映画撮影は約半分にまで落ち、コマーシャルの製作も34%がカットされました。唯一、TV番組のロケが前年比76%アップしましたが、これはWGAストライキ当時の最悪数値からの上昇。一昨年からは相当数字を落としていることになります。

2009年度のオープニング・ナイトに招かれた”Children of Invention (原題/2009 )”は、今年1月に行なわれたサンダンス映画祭などでも好評だった1本。2007年のLAAPFFに短編”Windbreaker (2006)”を出展していたズィー・チュン監督の長編デビュー作です。映画祭の中間地点に目玉作品として上映される”Treeless Mountain (2008)”は、昨年のトロント映画祭においても話題に。本作でメガフォンをとった韓国出身、LA育ちの女流監督リー・ヨン・キムの第1回監督作品”In Between Days (2006)”は、同年のサンダンス映画祭で脚光を浴びました。そして、本フェスティバルの最終日を飾るのが、クロージング作品の名にふさわしい「おくりびと (邦題/2008)」。ご存知のとおり、本作は第81回アカデミー賞にて輝かしい外国語映画賞を獲得したこともあり、LAAPFF開催中たった1度きりの上映には、多くの映画ファンが詰めかけること必至です。


我らが日本からのエントリーは「おくりびと」を含めて計6本。近年に公開された様々なジャンルのドラマを中心に、20余年前に製作されたドキュメンタリーも含まれている辺り、なかなか渋いチョイスです。普段は滅多にお目にかかることのない、絶妙な「洋題」にもご注目を。


・「おくりびと / Departures (洋題)」: 滝田洋二郎監督

・「ぐるりのこと。/ All Around Us (2008)」: 橋口亮輔監督

・「愛のむきだし / Love Exposure (2008)」: 園子温監督

・「扉のむこう / Left Handed (2008)」: ローレンス・スラッシュ監督

・「山形スクリーム / Yamagata Scream (2009)」: 竹中直人監督

・「ゆきゆきて、神軍 / The Emperor’s Naked Army Marches On (1987)」: 原一男監督


また、アメリカ製作ではありますが、デイヴ・ボイル監督の”White on Rice (2009)”は多くの日本人キャストを擁している模様。主演を務める渡辺広さんは「硫黄島からの手紙 (2006)」に渡辺謙さん演じる栗林中将の副官、藤田中尉役で出演されていました。その生真面目かつコミカルな雰囲気が、強く印象に残っている方々も多いのではないでしょうか。そのほか、本作には裕木奈江さんの姿も。ただいま筆者が気になっている作品のひとつです。


毎年数え切れないほどの映画が製作されるアメリカでは、普段はなかなか海外作品にお目にかかることが出来ないのが現状。映画の都ハリウッドでさえ、外国語映画は短期間の単館上映が多いのが残念なところです。よってLAAPFFのような映画祭は、はるばる海を越えてやって来た作品を楽しめる絶好の機会。筆者も時間が許す限り、足を運びたいと思っています。LA近郊にお住まいの方はもちろん、アジア映画が気になっている方々も、ぜひぜひ以下のウェブサイトを覗いてみてください。





【LAAPFFホームページ】



TEXT BY アベマリコ


2009年04月30日 16:41

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