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カントリー・ミュージックのアカデミー賞: ACMs 開催!
日曜日、眠らない街ラスベガスにて行なわれた「Academy of Country Music Awards」略してACMs。アメリカの音楽業界が特に不況の煽りを受けている中で、CBSによる全米放送は高視聴率をマークしました。当日3時間に渡って放映されたセレモニーの模様や、ニュージェネレーションによる「世代交代」となった受賞者達の面々をお伝えしていきます。
ラスベガス大通りのほぼ中央、MGMグランド・ホテル/
Photo by mandj98 on Flickr
4月8日、ラスベガスはMGMグランド・ホテルのガーデン・アリーナにて開催されたACMs。今年で第44回目となる本授賞式は、LAに本部を構えるAcademy of Country Music (ACM)主催のカントリー&ウエスタン・ミュージックの祭典として知られています。
「アカデミー」と聞くと、タキシードやガウン・ドレスに身を包んだセレブ達の姿が浮かべがちですが、こちらのセレモニーはちょっぴりユニーク。ウエスタンブーツにカウボーイハット、ジーンズ姿やミニドレスが大半を占める装いで式典が進みます。通常の音楽系アワードにおける観客よりも年齢層が高いことも特徴のひとつですが、会場の熱気は負けず劣らずの最高潮。新旧のミュージックシーンを代表する豪華な顔ぶれに、オジサマ&オバサマ達もスタンディング・オベーションで盛り上がっておりました。
本年度の司会進行は、カントリーの女王レバ・マッケンタイア。会場には各ノミネート者に加え、アメリカは今月末/日本では5月の公開が待たれる「路上のソリスト (邦題)」出演のジェイミー・フォックスや、マシュー・マコノヒー、ジェニファー・ラブ・ヒューイットらがプレゼンターとして登場し、客席には夫キース・アーバンの応援にやって来たニコール・キッドマンの姿もありました。更にはラスベガスらしく、マジシャンのデヴィッド・カッパーフィールドまで登壇するなど、シンガー達によるパフォーマンスと合わせてアリーナを沸かせています。
ACMs2009をさらったのは、活躍の華々しい若手シンガー達。アイドル発掘番組”American Idol (FOX)”の第4シーズン覇者であるキャリー・アンダーウッドは女性ヴォーカリスト賞と合わせ、視聴者のオンライン投票で決定するエンターテイナー・オブ・ザ・イヤーも獲得しました。こちらのカテゴリーでは、ケニー・チェズニーの5連覇を阻止するかたちとなっています。若干19歳のテイラー・スウィフトは、昨年11月の発売からすでに300万枚以上を売り上げているセカンドアルバム「Fearless」が年間アルバム賞に。更には、カントリー歌手として昨年500万枚以上というトップセールス数が讃えられ、クリスタル・マイルストーンのトロフィーを受け取っています。
新人賞を持ち帰ったのは、芸能人社交ダンスショー”Dancing with the Stars (ABC)”にてプロダンサーとして出演中、昨年シンガーとしてもデビューを果たしたジュリアン・ハフ。最多6部門にノミネートされながら、奥様キンバリー・ウィリアムズの第2子出産に立ち会う為に自宅からの中継となったイケメン歌手ブラッド・ペイズリーは、男性ヴォーカリスト賞を獲得しました。こうして見ると「カントリーはオトナ向け」といった認識をすっかり覆す程に若手世代の台頭が目立ちますが、他の主要部門はベテラン勢が貫禄の受賞。カントリー歌曲賞はジェイミー・ジョンソンの「In Color」、年間歌曲賞にはトレイス・アドキンスの「You’re Going to Miss This」が選ばれています。
これで見納め!すっかり薄くなったBLENDER最終号
ちょうど2ヶ月前に開催されたグラミー賞が振るわなかった一方で、2009年度ACMsの視聴率は上々の結果に。近年のベストだった2005年を上回り、昨年比では31%アップの140万人がチャンネルを合わせたと伝えられています。CDの売り上げが落ちハリウッド内でも多くのショップが閉店していく昨今。つい先日は2001年に創刊された若者向け音楽雑誌「BLENDER」が今年に入ってからスポンサー数を57%下げて、廃刊が決定したところです。こうして音楽業界がピンチに立たされている中、この度の高視聴率は不景気に風穴を開けるチャンスかも?
特にカントリーのファン層の多くはパソコンでのDLではなく確実にCDを購入する世代とあって、今回のセレモニーが良きPRとなって、人々の購買意欲に繋がるよう期待が高まっている模様です。
日本人の心=演歌とするなら、米国人のソウルはカントリーにあり。3時間のライブ放送では、オバマ大統領を支持するスピーチや、現役米軍兵にメッセージソングが捧げられるなど、愛国心に溢れていました。アップテンポからバラードまで、抜群の歌唱力で聞きごたえ満点のカントリー・ミュージック。これまで当ジャンルに明るくなかった方々も、ぜひチェックしてみてください。
TEXT BY アベマリコ
2009年04月09日 16:12
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