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ハリウッドならでは?あるお仕事に応募者が殺到中
「100年に一度」といった世にも恐ろしい形容詞が付けられつつ、連日報道されている世界的な景気後退。LAでもあちこちから「スロー・エコノミー」「レセッション (不況)」など、ネガティブな単語が聞こえてきます。そんな中、エンタメ天国ハリウッドらしい職種がちょっとしたブームになっている模様。登録者数が軒並みアップの「エキストラ業」をご紹介していきます。
一般的なヘッドショット専門店。土地柄かハリウッド周辺には多い。
ロサンゼルス郡では20万人以上がエンタメ関連業務に就いており、年間200-300億ドルが動くとされる最大ビジネスのひとつ。しかし、今年1月だけでそこから約2万2000人が解雇されたと伝えられています。各スポンサーの撤退から広告収入が減り、結果として映画/TV/コマーシャルのロケ数が激減。LA近郊での映画撮影は約半分にまで落ち、コマーシャルの製作も34%がカットされました。唯一、TV番組のロケが前年比76%アップしましたが、これはWGAストライキ当時の最悪数値からの上昇。一昨年からは、かなり数字を落としていることになります。
店頭に並ぶヘッドショットの数々。
エキストラには経験も学歴も面接すらも不問で、18歳以上で合法的に米国内で働ける人なら誰でも応募可能。基本的には日給制で、1日65ドルから100ドル前後までと金額は撮影内容によって異なり、拘束時間も様々です。また、エージェントに登録したからといって必ずしもお仕事が与えられるわけではなく、製作サイドに選ばれた人々のみがロケ現場に向かうことになります。今日ではエキストラ希望者と撮影自体の数がますます反比例しており、競争率はうなぎ登り。しかし、時にはセリフが与えられる「アップグレード」や、そこからSAG (Screen Actors Guild/全米映画俳優組合) の会員に昇格して手当てが倍増するチャンスもあります。更に、コマーシャルの場合は放映回数によってResidual (=印税/出演料) が増える契約形態もあるので、1本で数万ドルの収入になることも。実際にCMのみで生計を立てているツワモノも多く存在します。
撮影中にはカメラを直視したり声を発することが禁じられ、現場のセレブや監督らに話し掛けることはおろか、目すら合わせてはいけないとされるエキストラのお仕事。待ち時間が長い場合も多々あり、なかなか扱いが厳しいようです。それでも応募者が増えているのは、やはり人々が抱くアメリカン・ドリーム?ちょっとした一攫千金を狙える辺りが、多くを惹きつける魅力なのかもしれません。
TEXT BY アベマリコ
2009年04月16日 19:19
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