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今年も大盛況!LA Film Festが閉幕
去る日曜日、先週からお伝えしていた第15回ロサンゼルス・フィルムフェスティバル (LAFF)が、惜しまれながらの最終日を迎えました。2009年度は特に秀逸なドキュメンタリー作品が出揃い、今日の政治情勢を鋭く捉えたインターナショナルな作品も多数。また、開催期間中には様々なハプニングが飛び交い、例年以上にドラマチックな展開になりました。本年度の主要部門受賞作品を含めて、今年のLA Film Festをおさらいしてみましょう。
ウエストウッド・ヴィレッジのど真ん中!Foxシアター
通常は、UCLA位置する学生街として賑わいを見せるウエストウッド・ヴィレッジ。LAFFがこの地をホームに構えて早4年目に突入、毎年恒例の映画祭はもうすっかり定着した雰囲気です。本年度のフェスティバルの見どころは、何と言ってもドキュメンタリー部門。まず当初の予定では、バナナでお馴染み「ドール社」による農薬散布の実態に迫り、同社の農園労働者にスポットを当てた”Bananas! (監督: Fredrik Gertten/原題)”がドキュメンタリー部門コンペティションに出品されるはずでした。しかしLAFF開幕前日に、LA最高裁は同社を相手取ったLA在住弁護士ユアン・ドミンゲスの追加嘆願を棄却、遂には彼の証言内容が偽証罪に問われるかたちに。結果として、更なる裁判も辞さないドール社のプレッシャーのもと、その裁判模様をフィーチャーした本作は、コンペ対象外でのスクリーニングに甘んじています。
一方、LAFF真っ只中のウエストウッド周辺にある連邦機関ビル前には、先のイラン大統領選を受けて大人数のデモグループが集結。現地の揺れる情勢と彼らの祖国愛が浮き彫りとなり、後のインターナショナル・ショーケースでは、イランに今も残る「投石刑」の存在を世に知らしめた”The Stoning of Soraya M. (監督: Cyrus Nowrasteh)”が長編フィクション作品部門観客賞を獲得しています。同賞長編ドキュメンタリー作品には、ジェームス・ブラウンやB. B. キングらが出演、コンサート「Zaire ‘74」の模様を描いた”Soul Power (監督: Jeffrey Levy-Hinte)”。そしてインターナショナル長編作品は、ハンディキャップを背負って生まれた人々の日常や恋愛をフランクに描写したメキシコ製作のドキュメンタリー、”Born Without (監督: Nacid Sin)”に輝きました。
Foxシアターの真正面、こちらはMann Bruinシアター
LAFFの目玉といっても過言ではない、米映画祭最高賞金額5万ドルを誇るTargetアワード2部門。栄えあるTargetドキュメンタリー・アワードは、メキシコからアメリカの地へ渡る出稼ぎ労働者達に焦点を当てた”Those Who Remain / Los Que se Quedan (監督: Juan Carlos Rulfo & Carlos Hagerman)” が獲得しています。こちらの上映会には作中に登場し、現在は南カリフォルニア在住のファミリーが登壇するサプライズも。また、最優秀長編作品賞に当たるTargetフィルムメイカー・アワードには、とあるニューヨーカーがジャマイカへと旅立つドタバタコメディ”Wah Do Dem / What They Do (監督: Sam Fleischner & Ben Chace)”が選ばれました。
そしてLAFFも佳境に入った8日目。「アメリカン・スイートハート」と「キング・オブ・ポップ」、米国のアイコンふたりの訃報が重なった6月25日は、会場のみならず全米、そして世界が震撼する1日となってしまいました。当日の午前、チャーミングな笑顔とボムシェル・ボディで一斉を風靡したファラ・フォーセットさんが、長期に渡る闘病生活の末に永眠。人々が悲しみに暮れる中、その数時間後にはウエストウッド・ヴィレッジから程近いUCLAメディカルセンターにて、マイケル・ジャクソンさんの死亡が確認されました。来年7月より、事実上のカムバック・ツアー”This Is It”の50公演を発表した矢先であった彼の訃報には、未だ信じられないとの面持ちで現場へ直行する人々によって、交通や携帯/インターネット回線が一時的に麻痺するほどの衝撃でした。「時代」を創ったお二方のご冥福を、心よりお祈りいたします。
劇場内のみならず、オフスクリーンでも様々な出来事があったLA Film Fest 2009。8万人を優に越す来場者にとって、本年度のフェスティバルは特に忘れ難いものになったことと思います。詳しい模様や全受賞者などは、下記のホームページより。世界各国の文化を、映画から感じてみてください!
【Los Angeles Film Festival オフィシャルHP】
TEXT BY アベマリコ
2009年07月02日 11:21
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