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RIP 「King of Pop」: マイケル・ジャクソン追悼式

誰もが耳を疑う訃報が届けられてから約2週間。現地時間7月7日に、故マイケル・ジャクソンのメモリアル・セレモニー/追悼式が行われました。家族や旧友、そして世界中から集ったファン達に見守られながら旅立った「キング・オブ・ポップ」。音楽と笑いと涙に包まれたセレモニーの模様をお伝えします。



 メモリアル会場となったステープルズ・センター

七夕のこの日、メディア各局では早朝から「MJ」ことマイケル・ジャクソンのニュースで持ち切りに。午前8時頃より、プライベート葬儀を前にジャクソン一家がハリウッド・ヒルズのフォレスト・ローン墓地へ向かう模様が、CBSやケーブル局E!などで完全生中継されました。パトカーに先導されたリムジンが走る高速道路101はその間、一般車両は全て通行止め。そして9時を回ると、葬儀を終えた家族とマイケルの棺を乗せたロールス・ロイスの一団が、LAダウンタウンはステープルズ・センターへと向かいました。この際に乗り換えた10フリーウェイも、会場近辺は完全に遮断。それでも移動ルート付近には、一目でもマイケルに会いたいと詰め掛けたファン達でいっぱいになりました。


当初の予定から約30分の遅延後、午前10時半頃からセレモニー開始。マイケルらに楽曲を提供しているスモーキー・ロビンソンが、故人の親友ダイアナ・ロスの弔辞を代読しています。そして暫くの静寂の後、ゴスペルが響く中をマイケルの兄弟達が赤いバラで飾られた金の棺を運び込みました。彼らの左手には、MJのトレードマークであったプラチナ色の片手袋が。その様子を見ただけで、何だか胸がいっぱいになってしまいました。


 6日の段階でこの人だかり&パトカーの数

プログラム:(- スピーチ/♪ パフォーマンス)
- ルシウス・スミス牧師
♪マライア・キャリー&トレイ・ロレンツ “I’ll Be There”
- クイーン・ラティファ
♪ライオネル・リッチー “Jesus is Love”
- ベリー・ゴーディ (モータウンレコード創立者)
♪スティーヴィー・ワンダー “Never Dreamed You’d Leave in Summer” “They Won’t Go When I Go”
- マジック・ジョンソン&コービー・ブライアント
♪ジェニファー・ハドソン “Will You Be There”
- アル・シャープトン牧師
♪ジョン・メイヤー “Human Nature” (ギター演奏)
- ブルック・シールズ
♪ジャーメイン・ジャクソン “Smile”
- マーティン・ルーサー・キング3世&バーニス. A. キング
- シーラ・ジャクソン=リー (テキサス下院議員代表)
♪アッシャー “Gone Too Soon”
- スモーキー・ロビンソン
♪シャヒーン・ジャファーゴリ “Who’s Loving You”
- ケニー・オルテガ
♪ ”We Are the World” / “Heal the World” (合唱)
- ジャーメイン・ジャクソン/マーロン・ジャクソン/パリス・ジャクソン
- ルシウス・スミス牧師


多くの「モーメント」で満たされたセレモニーの中でも特に圧巻だったのが、MJの幼少期から晩年のビデオクリップ直後に登場したスティービー・ワンダー。この日の為だけに歌詞を変え、同じ音楽界で一時代を築いたマイケルを偲びました。また、彼らの後輩となるジェニファー・ハドソンも、堂々たる歌声を披露。彼女のお腹には、新しい命が宿っています。更に、旧友達によるスピーチからは、マイケルの知られざる一面も。マジック・ジョンソンは一緒にKFCフライドチキンを頬張った思い出を、MJと同様に幼い頃からスポットライトを浴びていたブルック・シールズは、エリザベス・テイラーのウエディングドレスを式前日に覗き見しようと、ふたりでにテイラーの寝室!に忍び込んだエピソードなどを語っています。


その一挙手一投足が注目の的となり、容易に外出することもままならなかったマイケル。メディアに揶揄されることも多々ありましたが、シャープトン牧師が3人の子供達に向けた言葉「パパはちっとも変じゃなかった、彼が対応しなくちゃならなかったことが変だったんだ。」に、胸がすく思いがしました。そしてセレモニーの終盤、そのメッセージを受け取ったひとりである長女パリスちゃんがマイクを握っています。「生まれてからずっと、パパは最高の父親でした。ただパパが大好きって言いたいです。」11歳の少女の涙声に、どれだけ多くの人々が目頭を熱くさせたことでしょうか。


 ノキア・シアター前の電光掲示板にはマイケルの映像が


セレモニーのオンライン・フリーチケットへの応募数は、延べ160万。約180倍の競争率を経てペアチケットと入場用リストバンドを手にした8550名のうち、1万1000人がステープルズ・センター会場内へ、残り6500人が隣接するノキア・シアターにて式典を見守り、彼らにはマイケルの軌跡が詰まった記念パンフレットが贈られました。また、アメリカ国内の24州47ヶ所の映画館では、セレモニーに参加できなかったファンの為に上映会が開かれたと伝えられています。


ジャクソン5/ジャクソンズ時代の、どこまでも伸びていくような透き通った声。ソロとなってからは歌唱力はもちろんのこと、一瞬でMJだと判る”Hee-hee!”のハイトーンや、目が離せなくなるほどにキレのあるダンスなど、マイケル・ジャクソンの魅力と偉大さは筆舌に尽くし難いものがあります。特に筆者と同世代の読者にとっては、物心ついた頃からそこにいた「世界のポップ・スター」だったのではないでしょうか。MJが人々に遺してくれた歌声やダンスは、何世代にもわたって受け継がれていくことでしょう。




TEXT BY アベマリコ


2009年07月09日 20:17

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