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サマー・ムービー合戦も佳境: 人気タイトルに注目!
映画業界の書入れ時のひとつである夏休みも終わりを迎え、ちょうど現在は2009年度サマー・ムービーの「勝ち組」が出揃い始めたところ。出だし好調だった本年度のボックス・オフィスですが、この夏はどの映画に軍配があがったのでしょうか?ヒット作の傾向とトレンドに迫りながら、イチオシ映画をご紹介していきます。
『マーシャル博士の恐竜ランド』9/18(金)、全国ロードショー
本年度初めの4ヶ月間、各映画スタジオは不況ムードをもろともせずに大健闘。米国内ボックス・オフィスは昨年度の同時期より17%のアップ、観客動員数も16%の伸びを記録していました。しかし、今年5月から8月末までの数字はここに来てちょっぴりダウン。2008年度比の動員数が2.4%ほど落ち込む結果となっています。総収益では1.3%の上昇をみせていますが、こちらはチケット・プライスのインフレ状態と、近年急増している3-D作品の入場料に上乗せされた価格によるもの。どうやら、今年上三半期のペースをそのまま保つのは難しかったようです。
『パブリック・エネミーズ』 12/12(土)、全国ロードショー
この夏のボックス・オフィスを見てみると、波に乗っている作品群のキーワードは「オトナ向け」と「笑い」。主演にジョニー・デップを迎えた極上のラブストーリー『パブリック・エネミーズ (邦題)』のような大人も満足できる正統派フィルム・ノワールや、『マーシャル博士の恐竜ランド』を始め、ファミリーが揃って大笑いできるような作品が人気を二分しています。その一方、キャストのネームバリューよりも、観客によるTwitterやFacebookなどSNSを介してのクチコミ映画批評が絶大なパブリシティ効果を担うケースも。公開前からブラック・ユーモアに注目が集まっていた『ブルーノ』が賛否両論によって客足を落としたかたわら、クセのある男達による婚前ラスベガス・パーティの珍道中を描いた”The Hangover (原題)”は、話題が話題を呼んで今や興収3億ドルにも届きそうな勢いを見せています。
『イングロリアス・バスターズ』
11/20(金)、全国ロードショー
こうしたトレンドを占いつつ厳選した筆者オススメの1本は『イングロリアス・バスターズ』。大人向けの重厚な作りはもちろんのこと、そのあまりに型破りな「映像表現」にはもう笑うしかないほどの迫力満載です。第二次世界大戦下のナチス占領地が舞台の映画となると、これまでは歴史に基いたヘビーな作品が多かったもの。しかし本作は、ご存知クエンティン・タランティーノ監督が「架空」の登場人物をベースに現代的な味付けをほどこしており、このジャンルではなかなかお目にかかれない「予想外の展開」が待ち受けています。今年5月に行なわれた第62回カンヌ映画祭にてパルム・ドールにノミネートされ、主演のクリストフ・ヴァルツが主演男優賞を獲得している本作。
更に、インターネット最大の映画データベース「IMDb」においては、今週明けの時点で10点満点中8.6の高評価を受けており、すでに歴代Top250の第38位に躍り出ました。公開より約3週間が経過した今日でも全米ボックス・オフィスの第3 位につけており、まだまだ伸び続けること必至です。同様にタランティーノ監督が脚本を務め、今や実現しそうにない豪華キャストが多数参加した『トゥルー・ロマンス (1993)』から早10余年。監督が直談判して再出演が決まったというブラッド・ピットの元祖「ワイルドっぷり」を見たいという方々、とにかくアドレナリンを放出したい!という皆さんに、ぜひご覧になっていただきたい作品です。
『イングロリアス・バスターズ』の日本公開は11月20日より。今からスケジュールをチェックして、この話題作を先取りしちゃうことをお薦めします。これから秋にかけては、TV新シリーズの開始や賞レースと、ハリウッドから目が離せなくなるベストシーズン。近日中に話題の新作ドラマやアワードを続々とご紹介していきますので、そちらもお楽しみに。
TEXT BY アベマリコ
2009年09月10日 22:05
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