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セレモニー続々!クリティックス・チョイス・ムービー・アワード&ゴールデングローブ賞

1月も中旬に入り、いよいよ各賞レースの「本番」がスタート。先週15日に放送映画批評家協会 (BFCA: Broadcast Film Critics Association) が主催するクリティックス・チョイス・アワードが先陣を切り、翌々日となる17日にはハリウッド外国人記者協会 (HFPA: Hollywood Foreign Press Association) によるゴールデングローブが開催されました。
今週は2つの授賞式を一挙に「オイシイとこ取り」でご紹介していきます。

先週の金曜日、サンセット大通りに位置する劇場「ハリウッド・パラディアム」にて行なわれたクリティックス・チョイス・ムービー・アワード (以下BFCAアワード)は、本年度で15回目。ケーブル局VH1の独占放映となった今回は、女優/歌手として知られるクリスティン・チェノウェスを司会に迎えています。彼女とともにオープニングに登場したのは、2009年度を派手に彩った奇才クエンティン・タランティーノ監督。本アワードにて10のノミネートを重ねた「イングロリアス・バスターズ」のパロディを披露した後に、堂々のオリジナル脚本賞を獲得しております。
壇上では、監督が試行錯誤を重ねたセリフを見事に演じたと語り、会場のキャスト達に感謝。そんな彼らは栄えあるアンサンブル賞を獲得しており、さらには本年度の各賞レースを総ナメ状態&受賞を確実視されているクリストフ・ヴァルツにおいては、劇中でのハンス・ランダ大佐役で「満場一致」と見られる助演男優賞を持ち帰ることとなりました。


 メリル・ストリープ主演『恋するベーカリー』は2/19(金)公開!
 (C) 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

そして今年のBFCAアワードにおいて最も注目が集まったカテゴリーは、2名がタイとなった主演女優賞。2009年度にそれぞれ3本ずつの作品に参加したメリル・ストリープ (「ジュリー&ジュリア」”Fantastic Mr. Fox (原題/声優)”「恋するベーカリー」) とサンドラ・ブロック (「あなたは私の婿になる」”All About Steve”「しあわせの隠れ場所」) が、同賞を分け合っています。


先に登壇したストリープが全出演作になぞらえて「演技も仕事も食べ物もセックスも大好き!」とスピーチすると、会場のブロックは満面の笑みでガッツポーズ。その後に自身の名前が呼ばれると、ステージに上がるやストリープの唇を奪う「Lip Lock」を見せてくれちゃいました。主演すれば必ずやヒットを記録させている彼女達、今日のハリウッドに欠かせないふたりによる思いがけない「豪華ワンシーン」を実現させています。

BFCAアワード: 主要部門受賞結果
作品賞: 「ハート・ロッカー」
監督賞: キャスリン・ビグロー「ハート・ロッカー」
主演女優賞: メリル・ストリープ「ジュリー&ジュリア」/
        サンドラ・ブロック「しあわせの隠れ場所」<タイ受賞>
主演男優賞: ジェフ・ブリッジス “Crazy Heart”
助演女優賞: モニーク「プレシャス」
助演男優賞: クリストフ・ヴァルツ「イングロリアス・バスターズ」
アンサンブル賞: 「イングロリアス・バスターズ」
脚本賞: クエンティン・タランティーノ「イングロリアス・バスターズ」
脚色賞: ジェイソン・ライトマン&シェルダン・ターナー「マイレージ、マイライフ」
コメディ作品賞: 「ハングオーバー」
ジョエル・シーゲル賞 (名誉賞): ケヴィン・ベーコン


 街中に登場したGG賞バナー

続いて17日に行なわれた第67回ゴールデングローブ賞 (以下GG賞)は、本年度もビバリー・ヒルトンホテルでの開催。ホストは英国俳優のリッキー・ジャーヴェイスが務めていますが、3時間の長丁場とあってか、もはやお決まりになった「グラス片手」のリラックスモードは何だかお疲れ気味。NBC局にて全国放送された視聴率は昨年度より200万人増加の1690万人とアップしつつも、過去最高となった2004年度の2690万人には遠く及ばない数字で終わっています。

BFCAアワードとは異なり、映画はドラマ部門/コメディ・ミュージカル部門に細分化され、テレビ部門も同様に設けているGG賞では全25カテゴリーを駆け足で発表。
全体的には前出のヴァルツ (「イングロリアス・バスターズ」)、ストリープ (コメディ・ミュージカル映画部門「ジュリー&ジュリア」「恋するベーカリー」でWノミネート)、ブロック (ドラマ部門「しあわせの隠れ場所」コメディ・ミュージカル部門「あなたは私の婿になる」でWノミネート)など、BFCAアワードの結果と多くが重なっておりますが、ドラマ映画部門の作品賞と監督賞は「アバター」に。
「元夫婦対決」はジェームズ・キャメロン監督へ軍配があがっており、その他では最多6部門にノミネートされていた「マイレージ、マイライフ」は脚本賞のみ、それを5部門で追っていたミュージカル作品「Nine」が無冠に終わるなど、今後オスカーを含む各セレモニーにおいては票が割れる「混戦」となりそうな予感です。

GG賞: 主要部門受賞結果
<映画部門>
ドラマ部門作品賞: 「アバター」
監督賞: ジェームズ・キャメロン「アバター」
コメディ・ミュージカル部門作品賞: 「ハングオーバー」
ドラマ部門主演女優賞: サンドラ・ブロック「しあわせの隠れ場所」
ドラマ部門主演男優賞: ジェフ・ブリッジス “Crazy Heart”
コメディ・ミュージカル部門主演女優賞: メリル・ストリープ「ジュリー&ジュリア」
コメディ・ミュージカル部門主演男優賞: ロバート・ダウニー・Jr. 「シャーロック・ホームズ」
助演女優賞: モニーク「プレシャス」
助演男優賞: クリストフ・ヴァルツ「イングロリアス・バスターズ」
セシル・B・デミル賞 (功労賞): マーティン・スコセッシ
<テレビ部門>
ドラマ部門作品賞: 「マッドメン (AMC)」
ドラマ部門主演女優賞: ジュリアナ・マルグリーズ “The Good Wife (CBS)”
ドラマ部門主演男優賞: マイケル・C・ホール「デクスター (SHOWTIME)」
コメディ・ミュージカル部門作品賞: “Glee (FOX)”
コメディ・ミュージカル部門主演女優賞: トニ・コレット “United States of Tara (SHOWTIME)”
コメディ・ミュージカル部門主演男優賞: アレック・ボールドウィン「30 Rock (NBC)」
助演女優賞: クロエ・セヴィニー “Big Love (HBO)”
助演男優賞: ジョン・リスゴー「デクスター (SHOWTIME)」

いよいよ出揃った各受賞作品ですが、まだまだ賞レースは序盤。今週土曜日には映画ファン垂涎の米俳優組合 (SAG: Screen Actors Guild)によるSAGアワードも待機しており、ますます目が離せなくなりそうです。そちらの模様もじっくりとご紹介していく予定ですので、ぜひご期待ください。

TEXT BY アベマリコ

2010年01月21日 12:48

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