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視聴数14%アップ!第82回アカデミー賞
現地時間7日、ハリウッドはコダック・シアターにて開催されたアカデミー賞授賞式。名優&セレブリティ達が一堂に会した映画ファン待望のセレモニーは、近年最も高い視聴率とともに幕を降ろしました。すでに結果をご存知の方々も多いとは思いますが、いま一度式典の模様とともに今年のオスカーを振り返っていきます。
いよいよ開催!第82回オスカー授賞式
本年度で82回目を数えるアカデミー賞は、主演男優/女優賞のノミネート者10名がステージ上にズラリと並んでスタート。ニール・パトリック・ハリスのラスベガスを彷彿とさせるレビューの後、クリスタル輝く舞台天井よりワゴンに乗ったスティーヴ・マーティン&アレック・ボールドウィンの共同司会2名が登場しました。ヒット作「恋するベーカリー」で共演を果たした両名は、程よく肩の力が抜けたホストっぷりとベテランのみが成し得る絶妙な観客イジリで、近年のベスト司会であったと評判に。
前出の「恋するベーカリー」で主演、「ジュリー&ジュリア」のジュリア・チャイルド役で史上最多16度目のノミネートとなったメリル・ストリープの偉業を讃えつつも「最多ノミネート数であり最多の敗北数」とからかい、当のストリープは天を仰いで爆笑しておりました。
その一方「ハート・ロッカー」と並んで最多9部門候補となった「アバター」のジェームズ・キャメロン監督に呼びかけると、ふたり揃って3Dグラスを着用しながらガン見。また「イングロリアス・バスターズ」の劇中で「鬼のユダヤ・ハンター」と化したクリストフ・ヴァルツには、マーティンが「ほらっ!」と言わんばかりに客席を促すジェスチャーを。ユダヤ系が多いハリウッドのエンタメ界ならではの「インサイド・ジョーク」で会場を沸かせています。
助演男優賞を受賞したクリストフ・ヴァルツ
今年のアカデミー賞では、歴代女性初となる監督賞と作品賞を持ち帰った「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー監督を筆頭に、俳優部門でも全員が「初オスカー像」を獲得。
「イングロリアス・バスターズ」人気を不動のものにしながら助演男優賞を手にしたクリストフ・ヴァルツ、スタンダップ・コメディアンからオスカー助演女優賞獲得アクトレスとなったモニーク (「プレシャス」)、長いキャリアと人気を誇りながらも意外や初めてのノミネート&受賞となった主演女優賞のサンドラ・ブロック (「しあわせの隠れ場所」)、そして「5度目の正直」として初のオスカー主演男優賞に輝いたジェフ・ブリッジス (「クレイジー・ハート」)と、主要部門揃っての「初めて尽くし」となりました。
他の賞レースの結果とほぼ一致、ほとんどが下馬評通りとなった本年度のオスカーですが、やはり中にはちょっとした「番狂わせ」も。公開当初よりアカデミー賞確実と見られていたジェイソン・ライトマン監督/脚色の「マイレージ、マイライフ」は、脚色賞を「プレシャス」のジェフリー・フレッチャーにさらわれて無冠に終わっています。
また、短編ドキュメンタリー部門に輝いた”Music by Prudence (原題)”の受賞スピーチでは、先に登壇したロジャー・ロス・ウィリアムズ監督のマイクを同作プロデューサーのエレノア・バーケットが奪うというハプニングが勃発。両者には製作過程での意見の違いから衝突があったと報じられていますが、突然の出来事に観客&視聴者も唖然とさせられる一幕となりました。
これを受けたアメリカの多数メディアでは、昨年9月に行なわれたMTVビデオ・ミュージック・アワードにおいて、カニエ・ウェストが女性アーティスト・ビデオ賞獲得のテイラー・スウィフトのスピーチを妨害した一件と並べて「カニエ・モーメント」と話題になっている真っ只中。栄えあるアカデミー賞受賞式典において「ワースト・モーメント」に挙げられるとは、かなり不名誉なことかもしれません。
第82回アカデミー賞/全受賞結果 <発表順>
・助演男優賞: クリストフ・ヴァルツ「イングロリアス・バスターズ」
・長編アニメーション映画賞: 「カールじいさんの空飛ぶ家」
・歌曲賞: “The Weary Kind” 「クレイジー・ハート」
・脚本賞: マーク・ボール「ハート・ロッカー」
・短編アニメーション映画賞: “Logorama”
・短編ドキュメンタリー賞: “Music by Prudence”
・短編実写映画賞: “The New Tenants”
・メイクアップ賞: 「スター・トレック」
・脚色賞: ジェフリー・フレッチャー「プレシャス」
・助演女優賞: モニーク「プレシャス」
・美術賞: 「アバター」
・衣装デザイン賞: 「ヴィクトリア女王 世紀の愛」
・音響編集賞: 「ハート・ロッカー」
・録音賞: 「ハート・ロッカー」
・撮影賞: 「アバター」
・作曲賞: 「カールじいさんの空飛ぶ家」
・視覚効果賞: 「アバター」
・長編ドキュメンタリー賞: 「ザ・コーヴ」
・編集賞: 「ハート・ロッカー」
・外国語映画賞: 「瞳の奥の秘密 (アルゼンチン)」
・主演男優賞: ジェフ・ブリッジス「クレイジー・ハート」
・主演女優賞: サンドラ・ブロック「しあわせの隠れ場所」
・監督賞: キャスリン・ビグロー「ハート・ロッカー」
・作品賞: 「ハート・ロッカー」
ABC局にて全米放映された本年度のアカデミー賞セレモニーは、予定された3時間の放送を40分近く延長したにもかかわらず、全体平均4130万人が視聴。3630万人がチャンネルを合わせた昨年度より14%も上昇するかたちとなりました。この数字は過去5年間でトップに躍り出ており、ワースト記録となった2008年度を約1000万人も上回る快挙。先のゴールデングローブ賞、エミー賞、グラミー賞やスーパーボウルに並んで、オスカーでも視聴率アップが実現しました。
作品賞候補数を10作品に倍増したことが功を奏したのか、はたまた主演男優・女優賞をフィーチャーして各ノミネート者の共演者達をプレゼンターに呼んだことが吉と出たのか、とにかく視聴率アップは映画関係者にとって嬉しいニュース。これから順次封切られる作品群も、この波に乗っていくことが期待されます。近日中には受賞者や候補者達の最新作、2010年度の注目作品などを続々と特集していきますので、そちらもお楽しみに!
TEXT BY アベマリコ
いよいよ開催!第82回オスカー授賞式
前出の「恋するベーカリー」で主演、「ジュリー&ジュリア」のジュリア・チャイルド役で史上最多16度目のノミネートとなったメリル・ストリープの偉業を讃えつつも「最多ノミネート数であり最多の敗北数」とからかい、当のストリープは天を仰いで爆笑しておりました。
その一方「ハート・ロッカー」と並んで最多9部門候補となった「アバター」のジェームズ・キャメロン監督に呼びかけると、ふたり揃って3Dグラスを着用しながらガン見。また「イングロリアス・バスターズ」の劇中で「鬼のユダヤ・ハンター」と化したクリストフ・ヴァルツには、マーティンが「ほらっ!」と言わんばかりに客席を促すジェスチャーを。ユダヤ系が多いハリウッドのエンタメ界ならではの「インサイド・ジョーク」で会場を沸かせています。
助演男優賞を受賞したクリストフ・ヴァルツ
「イングロリアス・バスターズ」人気を不動のものにしながら助演男優賞を手にしたクリストフ・ヴァルツ、スタンダップ・コメディアンからオスカー助演女優賞獲得アクトレスとなったモニーク (「プレシャス」)、長いキャリアと人気を誇りながらも意外や初めてのノミネート&受賞となった主演女優賞のサンドラ・ブロック (「しあわせの隠れ場所」)、そして「5度目の正直」として初のオスカー主演男優賞に輝いたジェフ・ブリッジス (「クレイジー・ハート」)と、主要部門揃っての「初めて尽くし」となりました。
他の賞レースの結果とほぼ一致、ほとんどが下馬評通りとなった本年度のオスカーですが、やはり中にはちょっとした「番狂わせ」も。公開当初よりアカデミー賞確実と見られていたジェイソン・ライトマン監督/脚色の「マイレージ、マイライフ」は、脚色賞を「プレシャス」のジェフリー・フレッチャーにさらわれて無冠に終わっています。
また、短編ドキュメンタリー部門に輝いた”Music by Prudence (原題)”の受賞スピーチでは、先に登壇したロジャー・ロス・ウィリアムズ監督のマイクを同作プロデューサーのエレノア・バーケットが奪うというハプニングが勃発。両者には製作過程での意見の違いから衝突があったと報じられていますが、突然の出来事に観客&視聴者も唖然とさせられる一幕となりました。
これを受けたアメリカの多数メディアでは、昨年9月に行なわれたMTVビデオ・ミュージック・アワードにおいて、カニエ・ウェストが女性アーティスト・ビデオ賞獲得のテイラー・スウィフトのスピーチを妨害した一件と並べて「カニエ・モーメント」と話題になっている真っ只中。栄えあるアカデミー賞受賞式典において「ワースト・モーメント」に挙げられるとは、かなり不名誉なことかもしれません。
第82回アカデミー賞/全受賞結果 <発表順>
・助演男優賞: クリストフ・ヴァルツ「イングロリアス・バスターズ」
・長編アニメーション映画賞: 「カールじいさんの空飛ぶ家」
・歌曲賞: “The Weary Kind” 「クレイジー・ハート」
・脚本賞: マーク・ボール「ハート・ロッカー」
・短編アニメーション映画賞: “Logorama”
・短編ドキュメンタリー賞: “Music by Prudence”
・短編実写映画賞: “The New Tenants”
・メイクアップ賞: 「スター・トレック」
・脚色賞: ジェフリー・フレッチャー「プレシャス」
・助演女優賞: モニーク「プレシャス」
・美術賞: 「アバター」
・衣装デザイン賞: 「ヴィクトリア女王 世紀の愛」
・音響編集賞: 「ハート・ロッカー」
・録音賞: 「ハート・ロッカー」
・撮影賞: 「アバター」
・作曲賞: 「カールじいさんの空飛ぶ家」
・視覚効果賞: 「アバター」
・長編ドキュメンタリー賞: 「ザ・コーヴ」
・編集賞: 「ハート・ロッカー」
・外国語映画賞: 「瞳の奥の秘密 (アルゼンチン)」
・主演男優賞: ジェフ・ブリッジス「クレイジー・ハート」
・主演女優賞: サンドラ・ブロック「しあわせの隠れ場所」
・監督賞: キャスリン・ビグロー「ハート・ロッカー」
・作品賞: 「ハート・ロッカー」
ABC局にて全米放映された本年度のアカデミー賞セレモニーは、予定された3時間の放送を40分近く延長したにもかかわらず、全体平均4130万人が視聴。3630万人がチャンネルを合わせた昨年度より14%も上昇するかたちとなりました。この数字は過去5年間でトップに躍り出ており、ワースト記録となった2008年度を約1000万人も上回る快挙。先のゴールデングローブ賞、エミー賞、グラミー賞やスーパーボウルに並んで、オスカーでも視聴率アップが実現しました。
作品賞候補数を10作品に倍増したことが功を奏したのか、はたまた主演男優・女優賞をフィーチャーして各ノミネート者の共演者達をプレゼンターに呼んだことが吉と出たのか、とにかく視聴率アップは映画関係者にとって嬉しいニュース。これから順次封切られる作品群も、この波に乗っていくことが期待されます。近日中には受賞者や候補者達の最新作、2010年度の注目作品などを続々と特集していきますので、そちらもお楽しみに!
TEXT BY アベマリコ
2010年03月11日 17:27
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