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突撃インタビュー!ドラマ”Heroes” 撮影監督: ネイト・グッドマン氏
ここアメリカのみならず、我らが日本を含む世界各国にてDVDが発売されている人気TVドラマ”Heroes (NBC)”。米国内では今年2月に第4シリーズの最終話が放映され、現在は第5シーズンへの続投が待ち望まれています。
そこで今回は、本作の撮影監督 (=DP: Director of Photography) を任されながら、昨年の11月放送エピソードでは本編監督デビューも果たしたネイト・グッドマン氏にインタビューを敢行。撮影のこぼれ話や秘話も盛り沢山、”Heroes”ファンは必見です。
インタビューに答えて下さったネイト・グッドマンさん
ハリウッドにて20余年のキャリアを誇るネイト・グッドマンさんの初クレジットは、ロバート・デニーロ主演の「RONIN (1998 / 邦題)」などで知られるジョン・フランケンハイマー監督の1986年作品「デス・ポイント/非情の罠」におけるカメラ・ローダーより。その後は、アシスタント・カメラ、カメラ・オペレーターと着実にキャリアアップを重ね、映画作品ではローランド・エメリッヒ監督の「GODZILLA (1998)」、ジム・キャリーが主演を務めた「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 (2004)」、ロバート・ダウニー・Jr. とヴァル・キルマーらが競演した「キスキス, バンバン (2005)」に、TVシリーズでは”Fantasy Island (ABC / 原題)”、”Line of Fire (ABC)”、「堕ちた弁護士―ニック・フォーリン― (CBS)」、「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学 (ABC)」などのクレジットに名を連ねています。
そしていよいよ彼がDPデビューを飾った2005年製作の短編映画”The Fix”は、2006年度LAショートフィルム・フェスティバルにて堂々の最優秀ドラマ賞を獲得。さらに同年の国際撮影監督組合のショーケースでは「初のDP作品」の本作がいきなりの優秀作品賞に選出されるなど、輝かしい経歴を誇っていらっしゃいます。
パイロット版の脚本を読んですぐに参加を決意したというドラマシリーズ”Heroes”では、第1シーズンがスタートを切った2006年より今日まで、入れ替わりの多いTVシリーズの現場にて数少ない「スターティング・メンバー」として活躍中。当初はカメラ・オペレーターとして参加するも、第1シーズン後半からはDPのひとりに就任して、以降は隔週毎にファインダーを覗いています。
また、昨年11月に放映されたシーズン4内の1話 ”Once Upon a Time in Texas”は、グッドマンさんがメガフォンを握る記念すべき初監督作品に。こちらのエピソードは初代キャストが復活するスペシャル版となっており、第4シーズンにおける最高視聴率を叩き出しました。
チャーミングな笑顔がステキでした!
基本的に「脚本家のメディア」とされるTVドラマ界では、エピソードごとに監督が抜擢されるのが通例。
そんな中でのDPとしての役割は、各シーンのブロッキングや照明作業にとどまらず、常に現場に入る作家や製作者と新しい監督との仲介役となり、各話のスタイルやシリーズの全体像にバラつきが出ないようコンセプトを伝えることも一任されるそうです。また彼らとともに脚本を読み込み、その後のロケーションハンティングに同行して当日の器材を選択するのもDPのお仕事。更には撮影後に加えられる視聴効果を意識しつつ、CGに不慣れな監督にはアドバイスをしながら、製作の所要時間や予算との兼ね合いを見るのも大切なプロセスだと語られました。
一方、”Heroes”のシグニチャーのひとつと言える壮大なCGシーンですが、現場クルーの目標は「敢えて視聴効果を目立たせないこと」だとか。本作は特殊能力を身に付けた人々を描いたヒューマン・ドラマであり、大勢からなるキャストと彼らの物語に焦点を当てるのが狙いだそうです。
また時空間の移動が多い本作では、映像の色味=カラーパレットからその時の場所を表現する試みも。例えばNYの街並みはブルー系、LAでは主に中間色、ラスベガスなどの派手な市街ではハイコントラストを用いています。
さらに特殊なシーンでは名作映画からイメージを取り入れることもあるそうで、江戸時代にタイムスリップする回では黒澤明監督の「天国と地獄 (1963)」を、暗いニューヨークのシーンでは「フレンチ・コネクション (1971)」や「セルピコ (1973)」といった70年代のNY作品をモチーフに場面の雰囲気を作り上げていったとのこと。いま一度、こうしたシーンを観なおしてみると、また違った印象を受けるのではないでしょうか?
スタジオに設置されたセットでのシューティングが多い他のシリーズとは異なり、少なくとも50%以上はロケーションにて撮影されている”Heroes”を「映画のようなTVドラマ」と例えていたグッドマンさん。昨年からは、スリラー作品”Formosa Betrayed (2009)”で共同脚本家としてもクレジットを増やしており、今後もより幅広いフィールドでの活躍が期待されます。下記のウェブサイトからは、参加作品のスチール写真や映像が閲覧可。是非ともこだわりのカラーを堪能してください。
【Nathaniel Jay Goodman 公式HP】
<Special Thanks to: Yumi Mizui>
TEXT BY アベマリコ
そこで今回は、本作の撮影監督 (=DP: Director of Photography) を任されながら、昨年の11月放送エピソードでは本編監督デビューも果たしたネイト・グッドマン氏にインタビューを敢行。撮影のこぼれ話や秘話も盛り沢山、”Heroes”ファンは必見です。
インタビューに答えて下さったネイト・グッドマンさん
そしていよいよ彼がDPデビューを飾った2005年製作の短編映画”The Fix”は、2006年度LAショートフィルム・フェスティバルにて堂々の最優秀ドラマ賞を獲得。さらに同年の国際撮影監督組合のショーケースでは「初のDP作品」の本作がいきなりの優秀作品賞に選出されるなど、輝かしい経歴を誇っていらっしゃいます。
パイロット版の脚本を読んですぐに参加を決意したというドラマシリーズ”Heroes”では、第1シーズンがスタートを切った2006年より今日まで、入れ替わりの多いTVシリーズの現場にて数少ない「スターティング・メンバー」として活躍中。当初はカメラ・オペレーターとして参加するも、第1シーズン後半からはDPのひとりに就任して、以降は隔週毎にファインダーを覗いています。
また、昨年11月に放映されたシーズン4内の1話 ”Once Upon a Time in Texas”は、グッドマンさんがメガフォンを握る記念すべき初監督作品に。こちらのエピソードは初代キャストが復活するスペシャル版となっており、第4シーズンにおける最高視聴率を叩き出しました。
チャーミングな笑顔がステキでした!
そんな中でのDPとしての役割は、各シーンのブロッキングや照明作業にとどまらず、常に現場に入る作家や製作者と新しい監督との仲介役となり、各話のスタイルやシリーズの全体像にバラつきが出ないようコンセプトを伝えることも一任されるそうです。また彼らとともに脚本を読み込み、その後のロケーションハンティングに同行して当日の器材を選択するのもDPのお仕事。更には撮影後に加えられる視聴効果を意識しつつ、CGに不慣れな監督にはアドバイスをしながら、製作の所要時間や予算との兼ね合いを見るのも大切なプロセスだと語られました。
一方、”Heroes”のシグニチャーのひとつと言える壮大なCGシーンですが、現場クルーの目標は「敢えて視聴効果を目立たせないこと」だとか。本作は特殊能力を身に付けた人々を描いたヒューマン・ドラマであり、大勢からなるキャストと彼らの物語に焦点を当てるのが狙いだそうです。
また時空間の移動が多い本作では、映像の色味=カラーパレットからその時の場所を表現する試みも。例えばNYの街並みはブルー系、LAでは主に中間色、ラスベガスなどの派手な市街ではハイコントラストを用いています。
さらに特殊なシーンでは名作映画からイメージを取り入れることもあるそうで、江戸時代にタイムスリップする回では黒澤明監督の「天国と地獄 (1963)」を、暗いニューヨークのシーンでは「フレンチ・コネクション (1971)」や「セルピコ (1973)」といった70年代のNY作品をモチーフに場面の雰囲気を作り上げていったとのこと。いま一度、こうしたシーンを観なおしてみると、また違った印象を受けるのではないでしょうか?
スタジオに設置されたセットでのシューティングが多い他のシリーズとは異なり、少なくとも50%以上はロケーションにて撮影されている”Heroes”を「映画のようなTVドラマ」と例えていたグッドマンさん。昨年からは、スリラー作品”Formosa Betrayed (2009)”で共同脚本家としてもクレジットを増やしており、今後もより幅広いフィールドでの活躍が期待されます。下記のウェブサイトからは、参加作品のスチール写真や映像が閲覧可。是非ともこだわりのカラーを堪能してください。
【Nathaniel Jay Goodman 公式HP】
<Special Thanks to: Yumi Mizui>
TEXT BY アベマリコ
2010年04月30日 10:19
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