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よりどりみどり!アジア映画: Los Angeles Asian Pacific Film Festival

先々週にお伝えしたJapan Film Festivalに引き続き、またもやアジア映画がLAを席巻!4月29日から5月8日までの10日間、ハリウッドとダウンタウン・エリアにてLos Angeles Asian Pacific Film Festivalが開催されています。話題のアジア関連作品が一堂に会する当映画祭では、あの日本映画も話題を呼びました。


  紙飛行機がカワイイ!LAAPFF2010ポスター。
今年で26度目を数えるLos Angeles Asian Pacific Film Festival (LAAPFF)は、LAを拠点に活動するNPO団体Visual Communications (VC)主催のアジア映画祭。1983年の開始以来3000本以上の短/長編映画とビデオ作品を上映しており、カリフォルニア州内および米国内における同系フェスティバルでは最大級として知られています。
2010年度は、36本の長編と134本の短編作品がプログラムにラインナップ。ハリウッドに本拠を置くDGA (Directors Guild of America)とLaemmle’s Sunset 5 Theatre、ダウンタウンのAratani / Japan America Theatre、Tateuchi Democracy Forum @ NCPD、Downtown Independentを会場に、アメリカを含む世界20ヶ国以上より集められた映画が続々と上映されています。

LAダウンタウンのリトルトーキョーにルーツを持つLAAPFFの設立当初はあくまで小規模であったものの、今日ではスクリーニングのみならずパネル・ディスカッションやシンポジウム、WGA (Writers Guild of America)やMPEG (Motion Picture Editors Guild)などの会員によるセミナー、短編/長編/ドキュメンタリーの作品賞や観客賞を設けたコンペティションなど幅広く開催中。良作のアジア映画がより多くの観客に「発掘」される場として、年々その規模を拡大し続けています。

まず本年度のオープニングを飾ったのは、今年2月に行なわれたベルリン国際映画祭にて最優秀アジア映画賞を獲得した”Au Revoir Taipei (原題/台湾・アメリカ・ドイツ合作)”。ヴィム・ヴェンダース監督がエグゼクティブ・プロデューサーに名を連ねる本作は、映画制作の名門校USC (南カリフォルニア大学)出身のアーヴィン・チェンが監督を務めています。小気味良いテンポで綴られるロマンティック・コメディは、日本映画にも通じるポップな内容。今回のフェスティバルがLAプレミア会場となっており、当日は同監督やキャストも駆け付けました。

また北米プレミアとしてLAAPFFに登場の”The Actresses (韓国作品)”は、最終日の上映が予定されている注目作。日本でもファンの多いチェ・ジウを筆頭に、ユン・ヨジュン、イ・ミスク、キム・ミニ、コ・ヒュンジョン、キム・オクピンら6名の女優達が競演し、ファッション誌「Vogue Korea」での撮影風景が脚本なしのドキュメンタリー形式で撮影されている模様です。イ・ジェヨン監督が韓国を代表する女優陣にリレーインタビューを行い、彼女達の公私それぞれのペルソナに迫った内容になるとか。韓流ファンの方々には、必見の1本となりそうです。


会場のひとつとなったDGA本部。
そして気になる日本からは、浅野忠信/松たか子/妻夫木聡/広末涼子といった錚々たるキャストが集結した「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~ (洋題: “Villon’s Wife”)が上陸。太宰治による同名小説を原作に根岸吉太郎監督がメガホンを取った本作は、昨年度のモントリオール世界映画祭にて最優秀監督賞に輝いており、4月30日と5月5日のスクリーニングには多くのシネフィルが足を運んでいます。

更に、先のJapan Film Festivalにて上映された「ザ・ヒロサキ・プレーヤーズ (“The Hirosaki Players”/ ジェフ・ソーサ監督)」、日本にて撮影が敢行された「自転車 (“Bicycle”/ ディーン・ヤマダ監督)」の両作は、コンペティションの短編映画部門に堂々のノミネート。数ある良質な作品群より、日本関連作品が2作品も候補入りする快挙となりました。

また本年度のLAAPFFでは、2010年で生誕70周年を迎えるブルース・リーを偲んで「Bruce Lee, Cultural Icon: 70th Birthday Celebration」と題した トリビュート・イベントを実施。1972年製作の「ドラゴン怒りの鉄拳 (“The Chinese Connection” /aka “Fist of Fury”)」と翌1973年の「燃えよドラゴン (“Enter the Dragon”)」といった名作中の名作が上映されました。
特に5月1日に行なわれた「燃えよドラゴン」のスクリーニング後には、愛娘であるシャノンさんを始めとする親族や、彼に縁の深かった関係者によるパネル・ディスカッションを開催。その翌日には、妻のリンダさんやシャノンさんらを招いたマニア垂涎のパネル「Bruce Lee: The Family Man」も行われています。

ドラマにドキュメンタリー、文学作品からマーシャル・アーツと、映画良いとこ取りのLAAPFF。作品の製作本数が絞られているとされる今日のハリウッドに、アジアの新風が吹き込まれること必至の10日間となりそうです。今回ご紹介し切れなかったプログラム等は、ぜひ以下のウェブサイトよりチェックしてみて下さい。

【LAAPFF公式HP】



TEXT BY アベマリコ

2010年05月06日 14:02

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