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大和撫子 in Hollywood!女優: 岡崎恭子さん
当コラムにおいて、ここハリウッドで活躍中の日本人にスポットを当てている「大和魂/大和撫子 in Hollywood」シリーズ。不定期連載ではありますが、これぞ!というアーティストの方々にご登場頂いております。そして今回ひさびさに白羽の矢が立ったのが、LAを拠点に幅広く活動されているアクトレスの岡崎恭子さん。弾けんばかりの笑顔から繰り出されるエピソードの数々、是非じっくりとご堪能ください。
岡崎京子さん
幼少期から女優を志していたという岡崎さんは、地元である岡山県内の子供ミュージカルなどでたびたび舞台を踏んでいたとか。そして一念発起して留学、高校3年間をアメリカはミシガン州にて過ごすと、帰国後は東京の某劇団に所属されていました。のちに「ハリウッド進出」を果たすべく、一旦は演劇の世界から離れて資金作りの為に帰郷。留学中に培った本場の英語力を活かしながら英会話講師の免許を取得して4年間教鞭をとった後、再び渡米されています。以来、数々のインディーズ映画や舞台、Webisode (ウェブ上で公開されるドラマ・エピソード)、そしてU.S. Census (米国税調査)などのコマーシャル出演など、多岐に渡るジャンルにて活躍。特に今年5月にLAダウンタウンはディズニーホールにて開催されたLAフィルハーモニック公演では、日本でも人気の高いグスターボ・ドゥダメル指揮のもとヴァージン・エンジェル役に扮し、女優へレン・ハントとも共演。更に、同じくLA市内にて行なわれた舞台「I’m An Actor, They Don’t Get It」においては、岡崎さんの好演を地元紙LA Weeklyがフルネームを挙げて絶賛するなど、至るところで高い評価を受けていらっしゃいます。
インタビュー with 岡崎恭子さん
Q: ずいぶん小さな頃からお芝居の経験を積まれていたようですが、詳しくはいつ頃から女優を目指されていたのでしょうか?
「物心ついた頃からです。特に今でも忘れられないのが、幼稚園での演劇「桃太郎」の赤鬼役。唯一のセリフは鬼役みんなで言う「皆で一緒に山分けしようぜ!」だったんですが、見学にいらした園長先生の「もっと気持ちを込めて、ワクワクするように!」とのご指導に、胸が熱くなった私は思わずひとりでセリフを叫んでしまって(笑)。その熱意をすごく喜んで下さったのがまた嬉しかったのですが、結局当日はみんなで言うことになっていた為、みんなと声を合わせるべく棒読みに…。その時、ふと見た園長先生が寂しそうに俯かれていたのが、子供心ながらに悲しかったですね。それ以来、小学校での発表会やクラブではお芝居に燃えていました。その頃は演出にも携わっていて、興奮して寝付けない夜もしばしばで。また両親が「恭子は正気にも狂気にもなれる」と私を煽りながら信じていてくれたので、小学校の卒業文集の「10年後の私」欄には『大物女優に決まっているわ!』なんて書いていたり(笑)。現実はそんなに甘くないんですが、今日まで信じて応援してくれている家族には心から感謝しています。」
短編作品”The Whore and The Priest”のワンシーンから
Q: 高校はミシガン州に留学されていたとのことですが、苦労をなさった点は?また、そこでもアクティングは続けていらっしゃったのでしょうか?
「辛かったことは…、(具体的には) ここでは言えません(笑)。やっぱり人種差別も受けましたし、言葉の壁もありました。でも今振り返ると、かけがえのない経験になっていると思います。演劇は「アメリカのオーバーリアクションが身に付いたら困る」なんて本気で考えたりして、敢えて避けていました。でもむしろあの頃は、日々をやり過ごすことで精一杯だった気がします。本格的な演劇は東京での2年間に劇団やワークショップで、LAに来てからは3年間演劇学校に通いました。」
Q: 東京にて劇団に入団後、どうしてまたアメリカ行きを?
「直感です。アメリカの映画が好きでしたし、ひとつの作品を作っていく過程において必要以上の上下関係 に疑問を持ってもいました。やはりアメリカの方が、年齢に関係なくのびのびと能力を発揮出来るんじゃないかな…って。でも今は場所を問わずに、パフォーマンスは自身の力量次第なんだと思えるようになりました。渡米の資金作りの為に東京を離れて岡山に戻ってからは毎週100人ほど、2歳半から15歳までの子供達に英会話を教えていました。あまりに毎日が充実していたので、あっという間に4年半が経ってしまったのですが(笑)。彼らから学んだことはとても多くて、今でも心の支えになっていますね。いつか彼らに「頑張れば夢は叶うよ!」って言えるように、これからも頑張っていきたいです。」
長編映画”Luster”より、
旦那様を殺めた強盗犯を追い詰めるという鬼気迫るシーン
Q: 9月から撮影に入られる映画”Mouse Ward (原題)”では、何と14歳の役を演じられるとか?
「 そうなんです!先日30歳を迎えた私としては、実年齢の半分以下のオーディションになりますし、受けるのを止めようかとも思っていた程でしたので、キャストされた時はかなりの驚きでした。同じ日に別の役でもオーディションがあったので、事前にもっと年相応のキャラクターのセリフも覚えて行って、14歳のKaz役のオーディション後に「別の役も受けさせて欲しい」とお願いしてみたんです。そうしたらキャスティングの方が「たった今14歳をやったじゃない?問題なく14歳だよ!」って笑って下さって。このKazは、主人公Mouseが収容される精神病院の患者という役どころなんですが、もう年齢を意識せずに、とことんなりきります!」
Q: 来たる11月にLAにて公演予定の本格舞台時代劇「—現— UTSUTSU」への出演が決定したそうですが、本作にキャストされるまでのいきさつを教えて下さい。
「キャスティング・ディレクターのYumi Takadaさんから連絡を頂いた段階では、別の役でオーディションを受ける予定でした。当日は同じ会場で別のオーディションも行なわれていて、浴衣姿の私はかなり浮いてたかも(笑)。本作の時代設定は江戸末期で、役どころは追っ手から逃げる女郎だったので、裸足で少し浴衣の裾をはだけさせて、はみ出した口紅に乱れ髪で待機しているという…(爆笑)、かなり怖い絵面だったかもしれませんね。そして最終的には別の役にキャストして頂いて、現在に至っています。LAにいらっしゃる方々は、是非観にいらして下さい!」
Q: それでは最後に、これからの展望と読者の皆さんに向けてメッセージをお願いします。
「場所や偏見に縛られることなく、心を開いて演じ続けていきたいです。山田洋次監督の作品のように人々の心を温かくしながら、いつまでも色褪せない素晴らしい作品を残すことが出来たら嬉しいです。そして、まだまだこれからの私ですが、一歩一歩進んで行けるように頑張ります。日本の皆さん、最後まで読んで下さってありがとうございました!」
メガネ姿はまた違ったオトナの雰囲気に
思い立ったら即行動!を地で行くような、バイタリティ溢れる岡崎さん。小柄で華奢な身体からは想像も付かないエネルギッシュな語り口には、思わず舌を巻いてしまいました。アクティングの本場ハリウッドにて、少女にも女性にも天使にさえ様変わりする「カメレオン俳優」Kyoko Okazaki。このお名前、近い将来あちこちで見かけることになるかも?今から要チェックです。また以下は、今秋に出演予定の「—現— UTSUTSU」詳細と、始めたてホヤホヤという岡崎さんのブログ。ともに今後どんどんコンテンツが増えていくそうですので、合わせてお楽しみ下さい。
粋Company主催「—現— UTSUTSU」<チケット予約はこちらから>
岡崎恭子さんブログ
TEXT BY アベマリコ
岡崎京子さん
インタビュー with 岡崎恭子さん
Q: ずいぶん小さな頃からお芝居の経験を積まれていたようですが、詳しくはいつ頃から女優を目指されていたのでしょうか?
「物心ついた頃からです。特に今でも忘れられないのが、幼稚園での演劇「桃太郎」の赤鬼役。唯一のセリフは鬼役みんなで言う「皆で一緒に山分けしようぜ!」だったんですが、見学にいらした園長先生の「もっと気持ちを込めて、ワクワクするように!」とのご指導に、胸が熱くなった私は思わずひとりでセリフを叫んでしまって(笑)。その熱意をすごく喜んで下さったのがまた嬉しかったのですが、結局当日はみんなで言うことになっていた為、みんなと声を合わせるべく棒読みに…。その時、ふと見た園長先生が寂しそうに俯かれていたのが、子供心ながらに悲しかったですね。それ以来、小学校での発表会やクラブではお芝居に燃えていました。その頃は演出にも携わっていて、興奮して寝付けない夜もしばしばで。また両親が「恭子は正気にも狂気にもなれる」と私を煽りながら信じていてくれたので、小学校の卒業文集の「10年後の私」欄には『大物女優に決まっているわ!』なんて書いていたり(笑)。現実はそんなに甘くないんですが、今日まで信じて応援してくれている家族には心から感謝しています。」
短編作品”The Whore and The Priest”のワンシーンから
「辛かったことは…、(具体的には) ここでは言えません(笑)。やっぱり人種差別も受けましたし、言葉の壁もありました。でも今振り返ると、かけがえのない経験になっていると思います。演劇は「アメリカのオーバーリアクションが身に付いたら困る」なんて本気で考えたりして、敢えて避けていました。でもむしろあの頃は、日々をやり過ごすことで精一杯だった気がします。本格的な演劇は東京での2年間に劇団やワークショップで、LAに来てからは3年間演劇学校に通いました。」
Q: 東京にて劇団に入団後、どうしてまたアメリカ行きを?
「直感です。アメリカの映画が好きでしたし、ひとつの作品を作っていく過程において必要以上の上下関係 に疑問を持ってもいました。やはりアメリカの方が、年齢に関係なくのびのびと能力を発揮出来るんじゃないかな…って。でも今は場所を問わずに、パフォーマンスは自身の力量次第なんだと思えるようになりました。渡米の資金作りの為に東京を離れて岡山に戻ってからは毎週100人ほど、2歳半から15歳までの子供達に英会話を教えていました。あまりに毎日が充実していたので、あっという間に4年半が経ってしまったのですが(笑)。彼らから学んだことはとても多くて、今でも心の支えになっていますね。いつか彼らに「頑張れば夢は叶うよ!」って言えるように、これからも頑張っていきたいです。」
長編映画”Luster”より、
旦那様を殺めた強盗犯を追い詰めるという鬼気迫るシーン
「 そうなんです!先日30歳を迎えた私としては、実年齢の半分以下のオーディションになりますし、受けるのを止めようかとも思っていた程でしたので、キャストされた時はかなりの驚きでした。同じ日に別の役でもオーディションがあったので、事前にもっと年相応のキャラクターのセリフも覚えて行って、14歳のKaz役のオーディション後に「別の役も受けさせて欲しい」とお願いしてみたんです。そうしたらキャスティングの方が「たった今14歳をやったじゃない?問題なく14歳だよ!」って笑って下さって。このKazは、主人公Mouseが収容される精神病院の患者という役どころなんですが、もう年齢を意識せずに、とことんなりきります!」
Q: 来たる11月にLAにて公演予定の本格舞台時代劇「—現— UTSUTSU」への出演が決定したそうですが、本作にキャストされるまでのいきさつを教えて下さい。
「キャスティング・ディレクターのYumi Takadaさんから連絡を頂いた段階では、別の役でオーディションを受ける予定でした。当日は同じ会場で別のオーディションも行なわれていて、浴衣姿の私はかなり浮いてたかも(笑)。本作の時代設定は江戸末期で、役どころは追っ手から逃げる女郎だったので、裸足で少し浴衣の裾をはだけさせて、はみ出した口紅に乱れ髪で待機しているという…(爆笑)、かなり怖い絵面だったかもしれませんね。そして最終的には別の役にキャストして頂いて、現在に至っています。LAにいらっしゃる方々は、是非観にいらして下さい!」
Q: それでは最後に、これからの展望と読者の皆さんに向けてメッセージをお願いします。
「場所や偏見に縛られることなく、心を開いて演じ続けていきたいです。山田洋次監督の作品のように人々の心を温かくしながら、いつまでも色褪せない素晴らしい作品を残すことが出来たら嬉しいです。そして、まだまだこれからの私ですが、一歩一歩進んで行けるように頑張ります。日本の皆さん、最後まで読んで下さってありがとうございました!」
メガネ姿はまた違ったオトナの雰囲気に
粋Company主催「—現— UTSUTSU」<チケット予約はこちらから>
岡崎恭子さんブログ
TEXT BY アベマリコ
2010年07月29日 10:28
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