« どうなる!?2010年度エミー賞の行方 | メイン | アメリカを代表する「Do-Gooders」が勢揃い!Do Something Awards: 2010 »
マニアックな話題作を押えるならココ!OUTFEST: 2010
いよいよ夏本番に突入した現在のLAでは、本年度で28回目を数えるOUTFEST: Los Angeles Gay & Lesbian Film Festivalが行なわれています。7月8日から18日まで、世界選りすぐりのLGBT (Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender / Transsexual) 関連作品や様々なイベントが一挙に楽しめる、何とも贅沢な11日間。すでに「オスカー候補」の呼び声も高いオープニング作品やパネル・ディスカッションなど、今やすっかり夏の恒例行事となっている当フェスティバルの見どころをご紹介していきます。
ポップな彩りが目を引く2010年度OUTFESTのバナー
1982年の創設以来、LAを拠点にLGBT (レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー及びトランスセクシュアルの頭文字より) の地位向上を目指すNPO団体「OUTFEST」が主催しているLos Angeles Gay & Lesbian Film Festivalは、アメリカ国内において最も歴史あるLGBT映画祭のひとつ。近年では市内ウェストウッドに位置する名門校UCLAの映画/TV学科とともに関連作品のフィルム保存やアーカイヴ作成に着手するなど、社会的にも多大なる貢献を果たしています。さらには米ケーブル局HBOや酒造メーカーABSOLUT VODKAら大手企業も協賛に乗り出しており、そのスケールは年々拡大中。昨年度は4万人前後の来場者を集め、セクシャルマイノリティ・コミュニティからの観客はもちろんのこと「ストレート」に属する人々も多く詰め掛け、連日の大盛況となっています。
第28回目を迎えた2010年度は、世界各国から厳選された長編60作品と短編87作品から成る計147本を日替わりで上映。ハリウッドに構えるDGA (Directors Guild of America: 米監督組合) 本部、老舗シアターLaemmle Sunset 5やJohn Anson Ford Amphitheatre、ダウンタウンはOrpheum Theatreなどを会場に、続々とスクリーニングが行なわれています。その一方、昨年レズビアンであることをカミングアウトした女優メレディス・バクスター (「ファミリー・タイズ (NBC / 邦題)」)を迎えての「Coming Out in Hollywood」や、ハリウッドにて活躍する脚本家らを招いたパネル・ディスカッションも随時開催中。そして現在のLAにて「LGBTエリア」として確立しているウェスト・ハリウッドのコミュニティ誕生25周年 を記念して「ブロークン・ハーツ・クラブ (2000)」など、当地を舞台に描かれた作品群も合わせて公開されています。
本年度のOUTFEST初日を飾ったのは、今年のサンダンス映画祭でもオープニングを務めた”Howl (原題)”。「ミルク (2008)」のガス・ヴァン・サント監督がエグゼクティブ・プロデューサーを務め、同作での好演が光ったジェームズ・フランコがバイセクシュアルとして知られたピューリッツアー受賞詩人のアレン・ギンズバーグに扮している1本です。ビートニック/ヒップスター世代のバイブルとして今日も崇拝される著書「Howl (『吠える』)」をタイトルに、彼の激動の生涯を描いた本作には、ジョン・ハム (“Mad Men (AMC)”)やメアリー=ルイーズ・パーカー (「Weeds~ママの秘密 (Showtime)」)ら実力派俳優達がこぞって出演。彼らのパフォーマンスはすでに話題を呼んでおり、早くも賞レースへの参戦が目されています。その他「4 in Focus」カテゴリーでは、今回で長編監督デビューを果たした4名をフィーチャー。本年度のベルリン国際映画祭にてLGBT作品に贈られるテディ賞を獲得、ミネアポリスで暮らすトランスジェンダー達に迫った”Open (監督: Jake Yuzna)”、ティーン少女の繊細な初恋模様を描く”The Evening Dress (Myriam Aziza)”、カナダの田舎街を巡る物語が本年度のサンダンスにて話題に上っていた”Grown Up Movie Star (Adriana Maggs)”、同じくサンダンスや他の映画祭にてトロフィーを続々と獲得、ペルーの漁村で繰り広げられる”Undertow (Javier Fuentes-Leon)”などなど、性別も出身国も異なる監督達による作品にスポットライトが当てられています。
例年以上に話題作が充実している2010年度のOUTFEST。今後各所にて注目を浴びること必至のタイトルが目白押しですので、ぜひとも下記のウェブサイトより詳細をチェックしてみて下さい。
OUTFEST 2010: Los Angeles Gay & Lesbian Film Festival公式HP:
TEXT BY アベマリコ
ポップな彩りが目を引く2010年度OUTFESTのバナー
第28回目を迎えた2010年度は、世界各国から厳選された長編60作品と短編87作品から成る計147本を日替わりで上映。ハリウッドに構えるDGA (Directors Guild of America: 米監督組合) 本部、老舗シアターLaemmle Sunset 5やJohn Anson Ford Amphitheatre、ダウンタウンはOrpheum Theatreなどを会場に、続々とスクリーニングが行なわれています。その一方、昨年レズビアンであることをカミングアウトした女優メレディス・バクスター (「ファミリー・タイズ (NBC / 邦題)」)を迎えての「Coming Out in Hollywood」や、ハリウッドにて活躍する脚本家らを招いたパネル・ディスカッションも随時開催中。そして現在のLAにて「LGBTエリア」として確立しているウェスト・ハリウッドのコミュニティ誕生25周年 を記念して「ブロークン・ハーツ・クラブ (2000)」など、当地を舞台に描かれた作品群も合わせて公開されています。
本年度のOUTFEST初日を飾ったのは、今年のサンダンス映画祭でもオープニングを務めた”Howl (原題)”。「ミルク (2008)」のガス・ヴァン・サント監督がエグゼクティブ・プロデューサーを務め、同作での好演が光ったジェームズ・フランコがバイセクシュアルとして知られたピューリッツアー受賞詩人のアレン・ギンズバーグに扮している1本です。ビートニック/ヒップスター世代のバイブルとして今日も崇拝される著書「Howl (『吠える』)」をタイトルに、彼の激動の生涯を描いた本作には、ジョン・ハム (“Mad Men (AMC)”)やメアリー=ルイーズ・パーカー (「Weeds~ママの秘密 (Showtime)」)ら実力派俳優達がこぞって出演。彼らのパフォーマンスはすでに話題を呼んでおり、早くも賞レースへの参戦が目されています。その他「4 in Focus」カテゴリーでは、今回で長編監督デビューを果たした4名をフィーチャー。本年度のベルリン国際映画祭にてLGBT作品に贈られるテディ賞を獲得、ミネアポリスで暮らすトランスジェンダー達に迫った”Open (監督: Jake Yuzna)”、ティーン少女の繊細な初恋模様を描く”The Evening Dress (Myriam Aziza)”、カナダの田舎街を巡る物語が本年度のサンダンスにて話題に上っていた”Grown Up Movie Star (Adriana Maggs)”、同じくサンダンスや他の映画祭にてトロフィーを続々と獲得、ペルーの漁村で繰り広げられる”Undertow (Javier Fuentes-Leon)”などなど、性別も出身国も異なる監督達による作品にスポットライトが当てられています。
例年以上に話題作が充実している2010年度のOUTFEST。今後各所にて注目を浴びること必至のタイトルが目白押しですので、ぜひとも下記のウェブサイトより詳細をチェックしてみて下さい。
OUTFEST 2010: Los Angeles Gay & Lesbian Film Festival公式HP:
TEXT BY アベマリコ
2010年07月15日 10:07
この記事へのトラックバックURL:
http://blog.eigafan.com/cgi-bin/mt-tb.cgi/2120
毎週木曜日更新