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ニューカマー続々!第62回プライムタイム・エミー賞
去る28日、いよいよセレモニー当日を迎えたEmmysことプライムタイム・エミー賞。これまでは人気シリーズのリピート受賞が多いとされて来た本アワードですが、フタを開けてみれば2010年度のリストには沢山の「サプライズ」が並びました。そんな番狂わせアリの結果を含めて、当日の模様や視聴率などから今年のEmmysをおさらいしていきます。。
こう見えて今年35歳のジミー・ファロン
Photo by MeganGregg on Flickr
昨年に引き続き、一大観光地となったダウンタウンLAはL.A. Live内に構えるNOKIAシアターを会場に開催された「アメリカンTVの最高栄誉」第62回プライムタイム・エミー賞。その模様はNBC局にて3時間余りに渡って全国放映され、昨年のCBS放送時に獲得した視聴者1347万人を上回る1350万人でゴールを切る結果となりました。去年末から今年にかけての「映画の祭典=アカデミー賞」「音楽の祭典=グラミー賞」など、「TVの祭典=Emmys」に並ぶ大型セレモニーはここのところ軒並み視聴率アップを記録しており、今回の数字も例に漏れずといったところ。そして、こちらの好成績にとりわけ一役買ったとの評価を受けているのが、初司会に大抜擢されたジミー・ファロンです。セレモニーのオープニングでは、彼の冠番組”Late Night with Jimmy Fallon (NBC/原題)”でも度々披露している人気シリーズ”Glee (FOX)”の爆笑パロディで登場。ブルース・スプリングスティーンの名曲”Born to Run”を引っ提げて、ジェーン・リンチら同作のキャストはもちろん、ファロンの出世番組”Saturday Night Live (NBC)”の元同僚であるティナ・フェイ、”American Idol (FOX)”のランディ・ジャクソン、「プロジェクト・ランウェイ (Lifetime/邦題)」よりティム・ガン、感動のフィナーレを迎えたばかりの「LOST (ABC)」からはホルゲ・ガルシア、直前予想の大本命シリーズ「マッドメン (AMC)」のジョン・ハム、そして昨今のイベントには欠かせない存在となった女優ベティ・ホワイトらとともに豪華なコラボレーションを実現させています。そんな音楽センスにも長けたファロンですが、特にセレモニー中盤に魅せてくれたエルトン・ジョンやGreen Dayのビリー・ジョー・アームストロングの物真似は、誰もが舌を巻いてしまうような圧巻の出来栄え。喋って良し、仕切って良し、歌って良しと3拍子揃った彼の株が急上昇したことは、言うまでもありません。
そして本年度の受賞リストを振り返ってみると、まず目を引くのが「初づくし」となったコメディ部門。デビュー・シーズンにて作品賞を含む計6つのトロフィーをさらった”Modern Family (ABC)”の大躍進を筆頭に、助演男優賞には同作の劇中にて養子を迎えたゲイカップルの父親を演じているエリック・ストーンストリート、主演男優賞に「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法 (CBS)」よりジム・パーソンズ、助演女優賞は前出”Glee (FOX)”のジェーン・リンチが、それぞれ初となるエミー像を持ち帰っています。そして「ナース・ジャッキー (Showtime)」で同じく初のコメディ部門主演女優賞に輝いたイーディー・ファルコに至っては、過去の出演作「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア (HBO)」の3冠を含めて、史上初のコメディ/ドラマ両部門での主演女優賞獲得を記録しました。
続いてのドラマ部門では、作品賞の「マッドメン (AMC)」と主演男優賞のブライアン・クランストン(「ブレイキング・バッド (AMC)」)が、それぞれ3年連続でトロフィーを受賞。その一方、助演男優・女優賞はともにアーロン・ポール (「ブレイキング・バッド (AMC)」)とアーチー・パンジャビ(「グッド・ワイフ (CBS)」)が、仲良く初のエミー賞獲得となりました。そして、こちらのドラマ部門で最も意外な結末を迎えた主演女優賞は、下馬評の高かった「グッド・ワイフ (CBS)」のジュリアナ・マルグリーズを抑えての受賞となったキーラ・セジウィック (「クローザー (TNT)」)。これまで本シリーズ開始当初より欠かさずノミネーションを重ねて来ましたが、これで5度目の正直!となる喜びもひとしおのトロフィー獲得です。
黄金に輝くエミー賞は誰の手に?
Photo by ReneeSilverman on Flickr
その他、アル・パチーノ (“You Don’t Know Jack (HBO)”)とクレア・デインズ (“Temple Grandin (HBO)”)がともに主演男優・女優賞を勝ち取ったTV映画/ミニシリーズ部門においては、全てのカテゴリーにおいて有料ケーブル局HBOが独占するという、ほぼ毎年おなじみの光景に。また、ミニシリーズ作品賞に輝いたトム・ハンクス&スティーブン・スピルバーグが製作総指揮に名を連ねる”The Pacific (HBO)”においては、今期最多となる8部門を獲得しています。そして、2003年より設けられているリアリティ/コンペティション部門においては、これまで7年連続で作品賞を獲得していた「アメージング・レース (CBS)」がとうとうトップの座を受け渡す結果に。現在「ケーブル局にて最も視聴者を集めるお料理番組」として人気を博しているリアリティ・ショー”Top Chef (Bravo)”が、エミー像をさらうという大どんでん返しが会場を沸かせました。かの”American Idol (FOX)”や”Dancing with the Stars (ABC)”でも果たせなかった快挙、エンタメ各誌では「リアリティ新時代の到来!」などと報じられています。
第62回プライムタイム・エミー賞<主要部門受賞リスト>
☆ドラマ部門
作品賞: 「マッドメン (AMC)」
主演男優賞: ブライアン・クランストン/「ブレイキング・バッド (AMC)」
主演女優賞: キーラ・セジウィック/「クローザー (TNT)」
助演男優賞: アーロン・ポール/「ブレイキング・バッド (AMC)」
助演女優賞: アーチー・パンジャビ/「グッド・ワイフ (CBS)」
☆コメディ部門
作品賞: “Modern Family (ABC)”
主演男優賞: ジム・パーソンズ/「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法 (CBS)」
主演女優賞: イーディー・ファルコ/「ナース・ジャッキー (Showtime)」
助演男優賞: エリック・ストーンストリート/“Modern Family (ABC)”
助演女優賞: ジェーン・リンチ/”Glee (FOX)”
☆TV映画/ミニシリーズ部門
TV映画作品賞: ”Temple Grandin (HBO)”
主演男優賞: アル・パチーノ/“You Don’t Know Jack (HBO)”
主演女優賞: クレア・デインズ/”Temple Grandin (HBO)”
助演男優賞: デヴィッド・ストラサーン/”Temple Grandin (HBO)”
助演女優賞: ジュリア・オーモンド/”Temple Grandin (HBO)”
ミニシリーズ作品賞: “The Pacific (HBO)”
☆リアリティ部門
作品賞: “Top Chef (Bravo)”
☆バラエティ/ミュージック/コメディ部門
作品賞: “The Daily Show with Jon Stewart (Comedy Central)”
☆ボブ・ホープ・ヒューマニタリアン賞: ジョージ・クルーニー
こうして主要部門を振り返って見ると、各シリーズ部門においては“Modern Family (ABC)”と「グッド・ワイフ (CBS)」のみがネットワーク局からの受賞となっており、改めてケーブル局の強さが浮き彫りとなるかたちとなりました。それでも「構成が命」とされるアメリカンTV界において、その祭典にふさわしい笑いと感動を届けてくれた第62回プライムタイム・エミー賞。今後、ますますのネットワーク各局の盛り返しとシリーズの充実に期待したいと思います。
TEXT BY アベマリコ
こう見えて今年35歳のジミー・ファロン
Photo by MeganGregg on Flickr
そして本年度の受賞リストを振り返ってみると、まず目を引くのが「初づくし」となったコメディ部門。デビュー・シーズンにて作品賞を含む計6つのトロフィーをさらった”Modern Family (ABC)”の大躍進を筆頭に、助演男優賞には同作の劇中にて養子を迎えたゲイカップルの父親を演じているエリック・ストーンストリート、主演男優賞に「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法 (CBS)」よりジム・パーソンズ、助演女優賞は前出”Glee (FOX)”のジェーン・リンチが、それぞれ初となるエミー像を持ち帰っています。そして「ナース・ジャッキー (Showtime)」で同じく初のコメディ部門主演女優賞に輝いたイーディー・ファルコに至っては、過去の出演作「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア (HBO)」の3冠を含めて、史上初のコメディ/ドラマ両部門での主演女優賞獲得を記録しました。
続いてのドラマ部門では、作品賞の「マッドメン (AMC)」と主演男優賞のブライアン・クランストン(「ブレイキング・バッド (AMC)」)が、それぞれ3年連続でトロフィーを受賞。その一方、助演男優・女優賞はともにアーロン・ポール (「ブレイキング・バッド (AMC)」)とアーチー・パンジャビ(「グッド・ワイフ (CBS)」)が、仲良く初のエミー賞獲得となりました。そして、こちらのドラマ部門で最も意外な結末を迎えた主演女優賞は、下馬評の高かった「グッド・ワイフ (CBS)」のジュリアナ・マルグリーズを抑えての受賞となったキーラ・セジウィック (「クローザー (TNT)」)。これまで本シリーズ開始当初より欠かさずノミネーションを重ねて来ましたが、これで5度目の正直!となる喜びもひとしおのトロフィー獲得です。
黄金に輝くエミー賞は誰の手に?
Photo by ReneeSilverman on Flickr
第62回プライムタイム・エミー賞<主要部門受賞リスト>
☆ドラマ部門
作品賞: 「マッドメン (AMC)」
主演男優賞: ブライアン・クランストン/「ブレイキング・バッド (AMC)」
主演女優賞: キーラ・セジウィック/「クローザー (TNT)」
助演男優賞: アーロン・ポール/「ブレイキング・バッド (AMC)」
助演女優賞: アーチー・パンジャビ/「グッド・ワイフ (CBS)」
☆コメディ部門
作品賞: “Modern Family (ABC)”
主演男優賞: ジム・パーソンズ/「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法 (CBS)」
主演女優賞: イーディー・ファルコ/「ナース・ジャッキー (Showtime)」
助演男優賞: エリック・ストーンストリート/“Modern Family (ABC)”
助演女優賞: ジェーン・リンチ/”Glee (FOX)”
☆TV映画/ミニシリーズ部門
TV映画作品賞: ”Temple Grandin (HBO)”
主演男優賞: アル・パチーノ/“You Don’t Know Jack (HBO)”
主演女優賞: クレア・デインズ/”Temple Grandin (HBO)”
助演男優賞: デヴィッド・ストラサーン/”Temple Grandin (HBO)”
助演女優賞: ジュリア・オーモンド/”Temple Grandin (HBO)”
ミニシリーズ作品賞: “The Pacific (HBO)”
☆リアリティ部門
作品賞: “Top Chef (Bravo)”
☆バラエティ/ミュージック/コメディ部門
作品賞: “The Daily Show with Jon Stewart (Comedy Central)”
☆ボブ・ホープ・ヒューマニタリアン賞: ジョージ・クルーニー
こうして主要部門を振り返って見ると、各シリーズ部門においては“Modern Family (ABC)”と「グッド・ワイフ (CBS)」のみがネットワーク局からの受賞となっており、改めてケーブル局の強さが浮き彫りとなるかたちとなりました。それでも「構成が命」とされるアメリカンTV界において、その祭典にふさわしい笑いと感動を届けてくれた第62回プライムタイム・エミー賞。今後、ますますのネットワーク各局の盛り返しとシリーズの充実に期待したいと思います。
TEXT BY アベマリコ
2010年09月02日 10:42
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