カラッとした日差しが降り注ぐ夏のロサンゼルスは、言うなれば毎日が「行楽日和」。チャイニーズ・シアターやユニバーサル・スタジオ・ハリウッドといったLA名物スポットは、連日ワールドワイドな観光客達で賑わっています。そして今回ぜひともご紹介したいのが、セレブリティやエンタメ業界人が足繁く通うことで知られる「ハリウッド・ボウル」。LAで最もグラマラスな夏の憩いの場は、今こそ絶好のシーズンを迎えています。
ハイランド通り沿い・正面入り口の「Big in Japan」告知ボード
ハリウッドのアイコン、ハイランド通り沿いに構えるHollywood Bowlは、ご存知HOLLYWOODサインを望むLA随一の屋外円形シアター。1922年の創設以来、ロサンゼルス・フィルハーモニックの夏場のホーム・グラウンドとして知られ、これまでにフランク・シナトラ、フレッド・アステア、マリリン・モンローやビートルズ、そしてルチアーノ・パヴァロッティといった歴史に名を残すアーティスト達がそのステージを踏んでおり、かのチャールズ・チャップリンやフランクリン・ルーズベルト元米大統領らも足を運んでいたそうです。また、あまり知られていないところでは、米誌Playboyの発刊者であり、大のジャズ好きで知られるヒュー・ヘフナーが、過去33年間に渡って「Playboy Jazz Festival」なるイベントを主催。毎年6月中旬に行なわれているこのフェスティバルでは、黒人エンターテイナーの第一人者ビル・コスビーがMCを務めています。その他、本年度6月26日には「Big in Japan」と題したコンサートが催され、日本が誇るYMO: イエロー・マジック・オーケストラ、ミシェル・ゴンドリー監督によるPV ("Sugar Water") などで知られるCibo Matto: チボ・マット、Buffalo Daughter: バッファロー・ドーター、 Towa Tei: テイ・トウワらが、それぞれのパフォーマンスを披露。和太鼓や獅子舞といった日本伝統芸なども用意されたこの日のステージには、ゲストとしてオノ・ヨーコも招かれ、御歳78歳とは到底思えないほどのシャウトで観客の度肝を抜いてくれちゃいました。
開幕前のステージに並んだ和太鼓
オーケストラ演奏を筆頭に、ポップ/ロック/カントリーなど多様なジャンルのコンサート、そして演劇やミュージカルが続々と上演されている当シアターは、ハリウッド・ヒルズの傾斜に沿って1万7,376席を確保。最前列を陣取るプライベート・ボックスシートのチケットは、500ドル前後からスタートする高額設定となっています。今日では、毎年オスカーを主催する映画芸術科学アカデミーのシド・ガニス会長らがボックスシートの「顔」に数えられており、同じく常連のハル・ベリーに至っては、毎シーズン2,000ドル以上とされるパーキングサービスを利用しているのだとか。こうした超VIPゲストに限っては、専用通路からの入場が許されているそうです。と、そんなファーストクラス情報はさておき、後部ベンチシートであれば前売りで1ドルからの掘り出しチケットもあり、中級クラスのシートならほとんどのイベントにて50ドル以下と、お財布に優しい価格設定もハリウッド・ボウルの魅力。さらに、お好きなフードやアルコール類を含むドリンクの持ち込みも自由となっていますので、各シートはもちろん、ハリウッド・ボウル自慢のピクニック・エリアでも、お弁当やワインを楽しむことが出来ます。
YMOの演奏中、ライトとのコラボレーションも
年間を通して、様々なイベントが目白押しのハリウッド・ボウル。随時、何かしらのイベントが行なわれているハズですので、LA旅行の際にはぜひともボックスオフィスをご確認ください。ご当地ビールを片手に、ハリウッド名物Pink'sのホットドッグやTommy'sのハンバーガーに舌鼓を打ちながらの音楽鑑賞…なんていうのも、エンタメ天国ハリウッドならではの楽しみ方です。
TEXT BY アベマリコ
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