« セレブリティ・バケーション!2011年のトレンドは? | メイン | アメドラここに極まれり!第63回プライムタイム・エミー授賞式 »
あれから10年: アメリカ各局にて同時多発テロ追悼番組を放映
2001年9月11日に勃発したアメリカ同時多発テロから10年目を迎えた今年。当日の米ネットワーク各局では、グラウンド・ゼロ (ワールド・トレード・センター/WTC跡地) にて行なわれた追悼セレモニーが生中継され、通常プログラムを変更した特別番組も数多く制作されています。
今も復興が続くグラウンド・ゼロ。
Photo by NYC Marines on Flickr
NYの高層ビルに旅客機追突、との第一報が伝えられた時、私達の多くはテレビを通して惨劇を目の当たりにしたはずです。あの日からちょうど10年が経った2011年9月11日、アメリカ国内のTVネットワーク各局では、世界貿易センター (WTC: World Trade Center)ビル跡地のグラウンド・ゼロにて執り行なわれたメモリアル・サービスの模様が生中継されました。およそ6時間に渡ってコマーシャル・フリーで届けられた各番組は、セレモニー初参加となったオバマ大統領やブッシュ前大統領らによるスピーチと聖書朗読、亡くなった方々に捧げる鎮魂のネーム・リーディングを中心に、3都市で起こった4つのテロ事件を偲ぶビデオクリップ、そして石碑のまわりに集まった遺族による献花など、観る者の胸を打つ映像が伝えられています。
また、9月11日を前にして、ケーブルチャンネルを含むネットワーク各局では、さまざまなスペシャル・プログラムが企画されました。CBS局では”Evening News”にて3夜連続で特別枠を設け、当日にはロバート・デ・ニーロをホストに迎え、仏フィルムメイカーによるドキュメンタリー”9/11: 10 Years Later (原題)”が放送されました。そしてABC局では、TVニュースマガジンとして知られる長寿番組”20/20”にて、”Remembrance and Renewal: 10 Years After the 9/11 Attacks”と題した特番を、またニュース専門チャンネルCNNでは、テロリストの搭乗手続を行なった空港係員、ハイジャック機より通報を受けたオペレーターなど、実際に9/11テロ事件に関係することとなった人々に迫った”Footnotes of 9/11”、現場を包んだ粉塵やガスの有毒性を検証する”Terror in the Dust”、そしてグラウンド・ゼロにて救援活動を行なった女性達をフィーチャーした”Beyond Bravely: The Women of 9/11”といったドキュメンタリーを放映。その他にも、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮、グラウンド・ゼロの再建に密着した約6時間に及ぶ”The Rising: Rebuilding Ground Zero (Discovery Channel)”、動物によって事件後のPTSD/心的外傷後ストレス障害を克服した9・11生存者に迫る”Saved (Animal Planet)”、著名人によるチャリティ・コンサートの模様をクロースアップした”When Pop Culture Saved America (Bio Channel)”など、アメリカ同時多発テロを様々な観点から振り返るドキュメンタリー作品が公開されています。
そして10年目の記念日を目前に控えた9月7日、9/11テロ事件によるトラウマを抱えた主人公を描くTVドラマ「レスキュー・ミー~NYの英雄たち (FX/2004~)」が、最終回を迎えました。エミー賞にもノミネートされているこのシリーズは、1999年の大規模な火災事故により、消防士であった従兄弟を亡くしているデニス・リアリーが制作、脚本、主演を務めた意欲作。9・11に親友を失った主人公の破滅的な日常と消防士としての生き様が描かれ、この度の最終話では「TVシリーズの枠を超える感動」として、再び評価が高まっています。フィナーレの撮影寸前まで、主人公が命を落とすといった昨今の米ドラマにありがちな筋書きが用意されていたそうですが、最終的には生き残って、生存者としてスピーチするというエンディングで全7シーズンを完結。リアリー扮するトミーの臨場感あるスピーチ・シーンは、実際にテロで亡くなられた343名の消防士を追悼するもので、当シリーズの制作理由であった9/11を忘れないとのモットーを実現させる形となりました。
あの目を疑うような映像が飛び込んでから10年という歳月が流れた2011年9月11日。奇しくもこの日は東北地方太平洋沖地震の発生から6ヶ月目にあたり、CNNなどの米各局では震災被害の凄まじさと、地震が引き金となったチェルノブイリに匹敵する原子力発電所事故を改めて報じています。9・11事件ならびに東日本大震災により、尊い命を落とされた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
TEXT BY アベマリコ
2011年09月15日 11:07
この記事へのトラックバックURL:
http://blog.eigafan.com/cgi-bin/mt-tb.cgi/2820
毎週木曜日更新