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アメドラここに極まれり!第63回プライムタイム・エミー授賞式
現地時間18日、L.A. ライブ内Nokiaシアターにて行なわれたThe 63rd Primetime Emmy Awards。TV大国アメリカが誇るTVシリーズの祭典は、今年も大盛況のうちに幕を降ろしています。
本年度のプライムタイム・エミー賞告知ポスター。
米テレビ芸術アカデミー(ATAS: The Academy of Television Arts & Sciences)が主催する「アメリカンTVの最高栄誉」プライムタイム・エミー賞は、その年最も人気および完成度の高かった作品を讃える年間セレモニー。デイタイム、スポーツ、クリエイティブアートなど、様々なジャンルごとに表彰式が行なわれますが、通常の「エミー賞」と言えば今回開催されたプライムタイム(=ゴールデンタイム)版を指すことになります。FOX局にて全国放映された2011年度は、「サバイバー (CBS / 邦題)」や「The Voice (NBC / 原題) 」などのヒット・リアリティ番組を続々と生み出しているマーク・バーネットを製作総指揮に迎え、例年以上のテンポ・アップ。ネットワーク系であろうと平気で番組を押しまくるアメリカには珍しく、放映予定時間であった3時間内にピッタリと収められたセレモニーは、初司会を務めたジェーン・リンチの快活さが好評でした。いよいよ日本にも上陸した「グリー 踊る♪合唱部!?(FOX) 」のスー・シルベスターが当たり役となった彼女は、のっけからハイテンションなミュージカル調TVパロディを披露。また、オープニング・モノローグではゲストの大御所女優ベティ・ホワイトやケイティ・ホームズらをいじり倒すなど、ソツの無い進行でも会場を沸かせました。
黄金色に輝くリアル・エミー像。
Photo by Phil Hawksworth on Flickr
本年度の見どころは、何と言っても”Modern Family (ABC)”の圧勝。作品、男女助演、脚本、監督と主要5部門を見事にさらった本作は、タイトル通り「現代的な家族像」を描いたコメディ・シリーズとして人気を博しています。養子を迎えたゲイ・カップルや、初老アメリカ男性とラテン美女のトロフィー・ワイフ (=戦利品のような妻、という意) 夫婦など、同じ住宅地に住む人々の日常をコミカルに描き、昨年の初エミー参戦&作品賞受賞の快挙から、2年連続で同賞を獲得。ちなみに、主要キャストの誰もがメイン・キャラクターになり得るという理由から、彼らは揃って助演部門へのノミネートを希望しており、本作からの助演女優部門はダブル、助演男優部門ではトリプル・ノミネートを果たしていました。「30 Rock (NBC)」の連覇を阻止した「グリー 踊る♪合唱部!?」、それをさらに凌いだ「モダン・ファミリー」の猛追と、近年におけるコメディ部門の天下獲りは熾烈を極めている様相です。
その一方、安定した強さを見せる「マッドメン (AMC)」は、本年度もブレることなくシリーズ開始から4年連続で作品賞ドラマ部門を獲得。しかし、主演男優賞候補であったジョン・ハムは、「フライデー・ナイト・ライツ (The 101 Network / NBC)」のカイル・チャンドラーに同賞を明け渡すかたちとなりました。今年2月、第5シーズンを最後にフィナーレを迎えた本作は、充実の内容にもかかわらず視聴率が低迷。ネットワーク局からケーブル局へと放映チャンネルを異動するという憂き目に会っていただけあって、この度の受賞は見事な「有終の美」と言えるでしょう。そして対する主演女優賞には、「グッドワイフ (CBS)」のジュリアナ・マルグリース、男女助演にピーター・ディンクレイジ(”Game of Thrones (HBO)”)とマーゴ・マーティンデイル(”Justified (FX)”)と、それぞれが同作品における初エミー受賞を飾っており、「モダンファミリー」の独壇場となったコメディ部門と対照的に、異なる4作品がトロフィーを持ち帰る結果となっています。
第63回プライムタイム・エミー賞: 主要部門受賞リスト
・ドラマ部門
作品賞: 「マッドメン」
主演女優賞: ジュリアナ・マルグリース「グッド・ワイフ」
主演男優賞: カイル・チャンドラー「フライデー・ナイト・ライツ」
助演女優賞: マーゴ・マーティンデイル “Justified”
助演男優賞: ピーター・ディンクレイジ “Game of Thrones”
監督賞: マーティン・スコセッシ「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街 (HBO)」
・コメディ部門
作品賞: “Modern Family”
主演女優賞: メリッサ・マッカーシー “Mike & Molly (CBS)”
主演男優賞: ジム・パーソンズ「ビッグバン★セオリー ギークな僕らの恋愛法則 (CBS)」
助演女優賞: ジュリー・ボーウェン“Modern Family”
助演男優賞: タイ・バーレル“Modern Family”
監督賞: マイケル・アラン・スピラー“Modern Family”
・ミニシリーズ/TV映画部門
作品賞: 「ダウントン・アビー ~貴族とメイドと相続人~ (PBS)」
主演女優賞: ケイト・ウィンスレット「ミルドレッド・ピアース 幸せの代償 (HBO)」
主演男優賞: バリー・ペッパー「ケネディ家の人びと (ReelzChannel)」
助演女優賞: マギー・スミス「ダウントン・アビー ~貴族とメイドと相続人~ (PBS)」
助演男優賞: ガイ・ピアース「ミルドレッド・ピアース 幸せの代償 (HBO)」
監督賞: ブライアン・パーシヴァル「ダウントン・アビー ~貴族とメイドと相続人~ (PBS)」
満場一致と番狂わせが入り混じりながらのスムーズな展開で、視聴者を存分に楽しませてくれたEmmys 2011。常に視聴数2000万人越えと言われるNFL中継「サンデー・ナイト・フットボール (NBC)」とバッティングしていたにもかかわらず、昨年比2%アップの平均1240万人がチャンネルを合わせており、極めて良好な数字が残っています。秋にメジャーな改編期を迎えるアメリカでは、今秋も話題の新作が目白押し。来年のエミー賞に食い込んでくる作品もあるかも?近日中に特集を企画していますので、そちらもお楽しみに。
TEXT BY アベマリコ
2011年09月22日 16:32
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