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レディ・ガガと過ごす感謝祭: “A Very Gaga Thanksgiving”

ここアメリカでの11月第4木曜日はお待ちかねのビッグ・ホリディ、感謝祭/Thanksgiving Day。この日より年末にかけて、街中は一気にクリスマス・ムードに包まれます。

そして2011年度のホリディ・シーズンは、レディ・ガガが贈るSP番組“A Very Gaga Thanksgiving (原題)”とともに到来。楽曲パフォーマンスやトークに始まり、お料理教室やアート教室に至るまで、盛り沢山の90分となりました。


  ますますの活躍が楽しみなレディ・ガガ(25)。
  Photo by angela n. on Flickr
別名「ターキーの日 (Turkey Day)」と呼ばれるアメリカの感謝祭は、七面鳥(ターキー)のローストやマッシュドポテト、パンプキンパイなどが食卓を彩る1日。また、この日の午前中には、老舗デパートMacy’s主催の「メイシーズ・サンクスギビング・デイ・パレード」が行なわれ、今や恒例となっている巨大キャラクター・バルーンやマーチング・バンドを一目見ようと、毎年350万人以上もの人々がマンハッタン市内に集まり、およそ5000万人がTV中継にチャンネルを合わせると言われています。そして本年度のサンクスギビング当日には、ご存知レディ・ガガがABC局のプライムタイムをジャック。「A Very Gaga Thanksgiving」と題された90分間に及ぶ特別番組は、彼女自身が制作総指揮/監督/出演を兼ねており、いわば「完全ガガ」を堪能出来る、ファン待望のひと時となりました。


気になるプログラム構成は、全8曲+1スポットを盛り込んだパフォーマンスを中心に、キッズとのアート教室、セレブシェフを迎えてのクッキング、そしてアメリカを代表する女性ジャーナリストによる独占インタビューにも挑戦。ハイブランドのドレスやお帽子、極高ヒールといったガガ御用達のファッション・ツールは健在ながら、普段と比べてかなり控えめなメイクアップが施され、通常ではなかなかお目にかかれない「素」が垣間見れる内容でした。まずオープニングには、アメリカ音楽界の重鎮トニー・ベネットが登場。御年85歳とは到底信じられない歌唱力とチャームで、彼のアルバム「Duet II」にてガガとコラボした名曲”The Lady Is a Tramp”を披露しています。

また次のセグメントでは、ガガの母校である名門私立校Convent of the Sacred Heartを訪れ、当校に通う小学3年生らと一緒に感謝祭にまつわるアート作品を制作。まず他では見られないガガのエプロン姿は、かなりのレアものと言えるでしょう。そして、今は亡き最愛の祖父に捧げられた”The Edge of Glory”を含むパフォーマンスが続くと、有名シェフであるアート・スミスとともに「フライド・ターキー&ワッフル」作りに参加。目を引くカナリア・イエローのコートに大きなハットといった出で立ちのままで卵を割るガガには感動すら覚えましたが、そこはさすがに窮屈だった様子。結局は自ら「バレンティノ製」とプチ自慢しつつ、コートを脱ぐというお茶目さで笑かしてくれました。

そして番組も中盤に入り、クリスマス・ソング中心の弾き語りを披露すると、フィナーレとしてジャーナリストのケイティ・クーリックを迎えてのインタビューを敢行。トニー・ベネットとの共演や自身の恋愛観、家族への愛情などを語り、中でも2年前に他界された祖父との思い出や、父親の夢であったレストランを一緒にオープンすることに話が及ぶと、感極まって涙を拭う場面もありました。なお、父親の亡き妹さんから名付けたレストラン「Joanne」は、クリスマス前のオープン予定。前出のシェフ、アート・スミスが総料理長を務めるそうで、新たなニューヨークの名店として予約殺到はまず必至となりそうです。

およそ3年間で延べ2300万枚ものCDセールスを誇るレディ・ガガ。今や世界に知られたアーティストとしての枠を超え、ゲイ権利活動家や、自らの経験を振り返るなど「いじめられっ子の希望」としての顔も持ち合わせています。そんな彼女によるこの度のSP番組は、およそ540万人が視聴。昨年度の同局スロットにて放映されたビヨンセによる「Beyonce’s I am… World Tour」の410万人から23%も上回る好成績を残しています。また、ガガの特番前にオンエアされたホリディ・シーズン定番のアニメーション、日本でもお馴染みのスヌーピー・シリーズ主人公のチャーリー・ブラウンが活躍する「A Charlie Brown Thanksgiving」も、前年比16%アップの580万人を獲得。ガガの熱狂的ファン=リトルモンスター達の勢いは、前番組の視聴数にも大きく影響した模様です。

“A Very Gaga Thanksgiving” 全パフォーマンス

♪”The Lady Is a Tramp” (デュエット with トニー・ベネット)
♪”Born This Way”
♪”You and I”
♪”The Edge of Glory”
♪”White Christmas”
♪”Orange Colored Sky”
♪”Hair”
♪”Bad Romance”
♪”Marry The Night” (PVボーナス・プレビュー)

震災後にいち早く来日した際、多くの媒体にてレディ・ガガの圧倒的な歌唱力を目の当たりにした方々も多いはず。それに違わず、申し分のないエンターテインメント/アートが届けられています。なお、彼女のミニアルバム”A Very Gaga Holiday”には、番組内で披露された楽曲の一部が納められているそうなので、興味のある方はぜひ。奇抜すぎるファッションや言動ばかりがひとり歩きしがちな彼女ですが、家族を人一倍愛し、いじめられっ子に向けて「アイデンティティと中身が大切」と繰り返す姿は、心温まるホリディ・シーズンにぴったりのロール・モデルに映りました。


TEXT BY アベマリコ

2011年12月01日 22:18

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