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今年もイロイロありました!第64回プライムタイム・エミー賞
遡ること数週間、改編期の真っ只中にあるアメリカンTVシリーズを一挙にフィーチャーして参りましたが、いよいよ今週は「真打ち」の登場。去る23日、LAダウンタウンに位置するエンターテインメント複合施設L.A.ライブ内NOKIAシアターにおいて、第64回プライムタイム・エミー賞が開催されました。完璧なメイクアップと豪華ドレスをまとったスター達を泣かせた30度越えの炎天下で行われたアメリカンTVの総決算では、満場一致のリピートあり、かなり意外な番狂わせありと、てんこ盛りの内容となっています。
輝く天使のエミー像の行方は? Photo by Renee Silverman on Flickr
昨年度に続いてノキア・シアターを会場に行われたEmmys 2012のメイン司会には、本年度の放映チャンネルとなったABC局にて冠トークショーを持つジミー・キンメルを投入。気になる数字を見てみると、日曜のNFLゲーム特番とガッツリ重なったにもかかわらず、前年度より80万人ほどアップとなる約1320万の視聴数を獲得しています。オンエア3時間を超える長丁場では、例年「予想しやすい」と言われるエミー賞たるべく受賞結果も多数ありながら、TVマニアもびっくりの「大穴」も。1年に1度の祭典が幕を降ろした今、話題となっているトピック3点に絞ってご紹介していきましょう。
シリーズ開始からコメディ部門作品賞を1度も外していない 「モダン・ファミリー」のキャスト。 中央は、現在「TV女優番付」のトップに君臨する ソフィア・ヴェルガラ。 Photo by WEBN-TV on Flickr
☆とにかく強い!「モダン・ファミリー」コメディ部門にて圧勝
2009年よりスタートしたコメディ・シリーズ「モダン・ファミリー (ABC / 邦題)」は、本年度で3年連続となる作品賞を獲得。また脇を固める助演男優・女優賞においても、エリック・ストーンストリートとジュリー・ボーウェンが揃って2年連続でエミー像を持ち帰っています。今年こそは、彼らの盟友であるジェシー・タイラー・ファーガソンとソフィア・ヴェルガラが獲るか?との前評判もあり、受賞スピーチでは両名ともに同時ノミネートしていた彼らを賞賛。ガチで仲が良さそうな様子を見ていると、キャストの好相性もシリーズ成功の秘訣であると気付かされます。なお、コメディ部門における唯一のサプライズは、「ハーパー★ボーイズ (CBS)」よりジョン・クライヤーの主演男優賞獲得。確実視されていた”Louis (FX / 原題)”の脚本・監督・編集・主演を兼任するルイス・C・Kは、当部門とバラエティ部門の脚本賞ふたつに留まりました。
☆新シリーズ”Homeland”が「マッドメン」の連覇を阻止
ミニ・シリーズ”American Horror Story (FX)”とともに、本年度エミー賞の最多ノミネート数17を分け合っていた「マッドメン (AMC)」には5年連続の作品賞獲得が期待されていましたが、蓋を開けてみれば無冠!という結果に。その定位置をさらったのが、昨秋の開始からゴールデン・グローブ賞でも作品賞を持ち帰っていた”Homeland (Showtime)”でした。スパイ容疑をかけられたアフガニスタン帰還兵を描いた「オバマ大統領お気に入り」のサスペンス・ドラマは、作品賞に並んで脚本賞、そして主演男優賞(デミアン・ルイス)と主演女優賞(クレア・デインズ)にも輝いています。なお、昨年度は放映シーズンの都合によりノミネートを逃していた「ブレイキング・バッド (AMC)」においては、下馬評で頭ひとつリードしていた主演男優賞候補のブライアン・クラストンの受賞は叶わず。その一方、助演男優賞にノミネートされていたアーロン・ポールが返り咲き、ステージ上にて感動の男泣きをみせました。
☆期待値が高過ぎた?ジミー・キンメルがダダすべり
FOX局でオンエアされた去年のEmmysホストには、同局のヒットシリーズ「glee / グリー」よりジェーン・リンチが就任。大抜擢にも無難な進行をみせていた彼女でしたが、やはりホストにはコメディアン!ということで、今年はABC局きってのトークショー”Jimmy Kimmel Live!”のジミー・キンメルに期待が寄せられていました。しかし、そのハードルがあまりに高かったのか、いきなりオープニング・スキットから女優陣に押されまくり。シワ伸ばしの整形ボトックス注入に失敗して、彼女達が殴って元通りにする…というオチでしたが、キャシー・ベイツやゾーイ・デシャネルらコメディエンヌはもとより、HBO局の新ドラマ”Girls”にて制作・脚本・主演を務める才媛レナ・ダナムの「禁じ手」とも言える「全裸のホールケーキ食い」に持って行かれてしまいました。その他、自らのご両親を客席から退場させてみたり、視聴率アップを狙ってトレイシー・モーガンに気絶したフリをさせてみたりと、いろいろと試みるもイマイチな結果に。通常のトークが秀逸なだけに、もったいないという印象でした。
Emmys 2012 オープニング・スキットの映像は、こちら。
第64回プライムタイム・エミー賞 主要部門受賞結果
<ドラマ部門>
作品賞: “Homeland (Showtime)”
主演女優賞: クレア・デインズ(“Homeland”)
主演男優賞: デミアン・ルイス(“Homeland”)
助演女優賞: マギー・スミス(「ダウントン・アビー (PBS)」)
助演男優賞: アーロン・ポール(「ブレイキング・バッド (AMC)」)
<コメディ部門>
作品賞:「モダン・ファミリー (ABC)」
主演女優賞: ジュリア・ルイス=ドレイファス(”Veep (HBO)”)
主演男優賞: ジョン・クライヤー(「ハーパー★ボーイズ (CBS)」)
助演女優賞: ジュリー・ボーウェン(「モダン・ファミリー」)
助演男優賞: エリック・ストーンストリート(「モダン・ファミリー」)
<ミニ・シリーズ/TVムービー部門>
作品賞:「ゲーム・チェンジ 大統領選を駆け抜けた女 (HBO)」
主演女優賞: ジュリアン・ムーア(「ゲーム・チェンジ 大統領選を駆け抜けた女」)
主演男優賞: ケヴィン・コスナー(”Hatfields & McCoys (History)”)
助演女優賞: ジェシカ・ラング(”American Horror Story (FX)”)
助演男優賞: トム・ベレンジャー(”Hatfields & McCoys”)
<リアリティ部門>
作品賞:「アメージング・レース (CBS)」
ホスト賞: トム・バージェロン(”Dancing with the Stars (ABC)”)
これから年末にかけては、充実のTVラインナップはもちろん、各映画スタジオが手塩に掛けた「大本命」の年末大型ムービーが続々と公開されていくエンタメファン待望のシーズン。年明けの賞レースに向けて、さまざまな関連ニュースを逐一お届けして参りますので、どうぞご期待ください。
TEXT BY アベマリコ2012年09月27日 11:52
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