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『デス・レース』より ~撮影・スタント~
プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
前2週に引き続き、今回も11/29(土)公開の
アクション超大作『デス・レース』から。
■「本当に狂ってるとしか思えない」——撮影・スタント
『デス・レース』のキャストとスタッフは、現場を離れる頃には、打ち身や擦り傷だらけになっており、撮影に使用された車の方も、レースコースに4輪を着いているのがやっとという状態だ。
「『デス・レース』の撮影はスプリンター・ユニット、ファースト・ユニット、セカンド・ユニットの3つの班に分けた。セカンド・ユニットはスパイロ・ラザトスが監督して、ファースト・ユニットと並行して活動する。彼は特定のアクションそのものを、ポールの絵コンテにしたがって演出し撮影する。ポールはすべての俳優を使ってドラマを演出し、そのほかにスプリンター・ユニットがあちこちさ迷って、すべてのインサート・カット——アクセルを踏む足、回転計、ハンドル…といった実際の映画を作り上げている細かいショットすべてを撮る。」とジェレミー・ボルトは語る。
■全部本当にこの現実世界で撮ってるんだ!
複数のレースカーが最高スピードで競い合うレースの撮影は非常に難しい点が幾つもある。目を見張るようなスタントはたった一度しかできない時が多いので、アンダーソンの撮影チームは可能な限りフィルムをたくさん回した。最大8台のカメラが複数の視点から——しかも空中と地上の両方から撮影したのだ。ある時は何台ものカメラを衝撃、火炎、熱、破片から保護するべく衝撃保護ボックスに入れ、アクションシーンのまっただ中にある車中に置いたカメラの数センチ脇を、車が疾走することもよくあった。
「1970年代や80年代と圧倒的に違うのはここだ。現代の『デス・レース』は、これまで映画撮影で見たこともないような独自の仕掛けを山ほど使った。この映画専用の特殊装置も開発した。炎上する何台もの車、空中20フィートでスピンする車。この映画では全部本当にやっていて、極限の距離までカメラが近づいて撮影してるんだ。」決死的な場面や瞬間の撮影を実行するため、アンダーソンはベテランの映画スタントマンたちと共同作業を行った。
セカンド・ユニットのスタント・コーディネーター、アンディ・ギルによれば、「すべてが現実世界で実行できたのは、ラッキーだったね。それがポールの希望だったしね。特殊効果のワイヤー操作も最小限だ。空中を車がくるくるとスピンするなんていう非現実なシーンこそ、なるべく特殊視覚効果を使わないようにしたんだ。」
現実の車を吹き飛ばすシーンも数多くある。「そういうシーンもリモコン制御で車は動かしてる。高速度撮影をする必要があって、車がバラバラになるような激しい衝突のときはさすがにスタントマンは使えないからね。」
■決死のスタント撮影
<狭い視界と猛スピード>
スタントマンも今回は決死の覚悟だったようだ。ほとんどのレースカーは過剰な武装のため、視界が極端に狭い。ダッジ・ラムなどはフロントガラスが3センチ程度しか確保されていなかった。この状況で猛スピードを出し、衝突するレースカーの運転は数多くの危険をはらんでおり、大規模な火炎や爆発のため、スタントマンたちは常に3重の耐火スーツを着込んでいた。さらに銃器から排出される薬莢は、常に車のパンクという危険性があった。
<コックピット内の撮影は?>
ストーリーをうまく進行するには、実際に車中で俳優が運転しているショットを撮ることも欠かせない。多くの映画ではブルースクリーンを用いるところだが、『デス・レース』では簡単には許されない。実際、ステイサム自身も数多くの運転をこなしたものの、それ以外の部分はジャック・ギル率いるスタントチームの秘密兵器を使った。ポッド・カーだ。
「俳優の反応を撮る必要があるときに便利だ。本物のドライビング場面で、実際の車がぶつかり合うときなんかにね。これはレースカーの屋根にポッドが取り付けてあり、それに運転ハンドル、ブレーキ、アクセルが付属している。私がその中で運転する間に、車内の運転席に座った俳優の顔をカメラが捉えるというわけさ。」
まさに命懸けの撮影に臨んだスタッフとキャストたち。
衝撃のアクションシーンを、劇場でご堪能ください!
11/29(土)、有楽座ほか全国ロードショー
※本作はPG-12指定です
(C) 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
2008年11月27日 17:03
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