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『デス・レース』より ~キャスティング~
プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は、‘近未来のグラディエーター’ともいうべき
衝撃のアクション大作『デス・レース』から。
■世にも悪辣な面々の登場
『デス・レース』キャスティングに当たって、制作者たちはアンダーソンが想像した常軌を逸した世界のリアリティを体現できる演技者を捜した。英国の俳優ジェイソン・ステイサムと話した後、監督はこれぞ主人公ジェンセン・エイムズだと思った。「大切なのは、肉体労働者的なヒーロー像だ。ジェイソンが理想的だと思った。彼なら不運な人生を背負った男を、充分に演じられる。」
エイムズを通じて、アンダーソンは未来のかたちを創り上げた。
「この暴力的で貧困にまみれた世界で、彼はぼろぼろの寂れた町で、製鉄労働者として働いている。だが、それだけではない。彼には子供があって、それが唯一の人生の希望なんだ。」
一方、『トランスポーター』シリーズ、『アドレナリン』など多くのスタントを自分でこなしてきたジェイソン・ステイサムはアクションや改造レースカーのチェイスシーンはもちろんだが、近未来世界に対するアンダーソンの精密なビジョンに感銘を受けている。「ポールはこのストーリーの隅々まで豊かなビジョンを持っている。細かいところにまでね。レースカーの外見や、登場人物たちの感情の動き。ストーリーのどんな細部でさえも把握してるんだ。この脚本は感情豊かで、面白くて、ダークで、暴力的だし、セクシーだと思うよ」
主人公エイムズと対極にある、刑務所長も大きな存在感が必要だ。トニー賞の受賞者で、3度のアカデミー賞ノミネートを受けたジョアン・アレンは、ターミナル・アイランドの全権を掌握するヘネシー所長役を依頼された。
「話のコンセプトがすごいわよね。よくできた脚本だったし、登場人物たちには非常に魅力があったわ。レースカーはすごいし、なにか『マッドマックス』や『ブレードランナー』のような感じを受けた。ポールと会って、彼の考えを聞いた後『すごい、もしかしたら信じられないほどかっこよくなるかも』と思ったわけ。」
彼女はこれまで扮してきた誰とも違う役柄を演じられるのが楽しみでたまらなかったという。「ヘネシーは非常に信心深い社会病質者ね。メディアと金に呑み込まれ、そこに人間の命が掛かっていることを忘れてしまっている。彼女は“デス・レース”というものを、爆発的に人気があって、人々が見たくてしょうがないテレビ番組としてしか見ていない。」
プロデューサーのボルトは言う。「彼女が兵士のように悪態をつくのを見てるのはすごく愉快だ、だって普段の彼女の演じる役柄のイメージはどうしたって女大統領とか、女校長だから。」
今回、出色の存在といえばナビゲーター役のナタリー・マルティネスであろう。彼女は密かな目的を持ってこのレースに参加してる。「彼女は女受刑者だし、目の前で刑務所長に自由という飴をぶら下げられ、彼女の策謀に手を貸してしまうの。」
ただ、マルティネス自身は、正面からこの役に挑み、銃撃戦のテイクでは、この怪物車が走る最中に大胆にも窓から上半身を乗り出したアクションも果敢にこなしたほどだ。
そして桁外れの無慈悲な殺人者でフランケンシュタイン最大のライバル、マシンガン・ジョーを演じるのが、複数のプラチナ・ディスクを誇るミュージシャン、タイリース・ギブソンだ。彼は余りに無慈悲な殺人者の役作りに苦労したという。
「この役はすごく悪辣なんだ。だからセットにやってきて、この役に自分を追い込むのはすごく難しかった半面、テイクの間に気分を切り替えて、また素の自分に戻って、馬鹿やったり、笑ったり、ジョークを飛ばしたりする落差が激しすぎて、困ったね。」
こういった個性豊かな俳優たちが共演している『デス・レース』。
劇中で見せる彼らの熱い演技を、ぜひ劇場で味わってください!
11/29(土)、有楽座ほか全国ロードショー
※本作はPG-12指定です
(C) 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
2008年11月11日 16:02
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