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『アイルトン・セナ ~音速の彼方へ』~TELLING THE STORY~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回も引き続き、10/8(金)公開『アイルトン・セナ ~音速の彼方へ』から。
実はF1ファンではなかった監督アシフ・カパディアが、
だからこそ考えついた本作の構成についてご紹介します。

TELLING THE STORY

 プロデューサーたちは、監督にアシフ・カパディアを抜擢したとき、間違いなく才能ある作家だと確信していた。王立美術学校の卒業生で、構成に目配りのできる卓越した眼力を持っている。

 脚本家で制作総指揮のパンデイによれば、「セナのストーリーを語るいちばんお手軽な方法は、『イモラの3日間』、つまりセナが事故死したレースに焦点を当てればいい。確かにそれで心打つ映画になるかもしれないが、だが同時にあまりにもありふれている。たとえば手順として、金曜日、土曜日、そして日曜日を描いて、それから、主人公がどうしてそこへ至ったかを根拠づけるためにフラッシュバックを挿入する。折々にインタビューもカットインすれば、間違いなく、非常に説得力のある映画にはなるが、たぶん、それは彼の本質を見失っている映画でもあるだろう。そんなときにアシフがやってきた」

 カパディア自身は、スポーツファンではあるが、熱狂的なF1ファンではないので、実のところ、まったく感情に左右されることなくプロデューサーたちの主題にアプローチをかけた。「この映画以前は、セナやF1についての本を一冊も読んだことはないし、どこのウェブサイトも見たこともなく、レース場に行ったこともない。つまり、僕はそんな地点からこの映画に取りかかった。当初の作業ではまったくの部外者のような感じがしたね。でも僕が魅せられたのは、調査やインタビューを通じて対象について学んでいくという、その旅路だった。素材をまったく新たな視点で眺めるというね」

 「セナが驚異的なドライバーであるだけでなく、深く精神的な面も備えていたことがわかってくると本当に面白くなってくる。だから大切なのは、この映画の外の皮をどんどん剥いていって芯だけにすることだ。そうすれば、F1が好きじゃない誰であっても、セナのことを一度も耳にしたことがない誰であっても、この映画を身近に感じるし、登場人物がどんな人間かもわかるし、本当にこのストーリーに感動できる」とカパディアは微笑む。

 「僕は、単なる『イイ奴』という人間にはあまり興味がない。セナにはいつも何かちょっと暗いところがあるし、ちょっとぼくの気にかかる『何か』も彼にはあった。つまりアウトサイダー的な存在。彼はヨーロッパ世界への侵入者であり、プロストを贔屓にしているように思える大勢のドライバーたちや主催者と対決しなくてはならなかった」

 「彼のストーリーは素晴らしくよくできていて、僕たちはちゃんとした三幕劇をすでに手に入れてるんだ。まず彼の出世、それから成功、そして頂点に達したとたんに直面する困難。登場人物にはレース主催者側の〈喜劇の悪党〉バレストルがいるし、4度の世界チャンピオンを取ったライバルのプロストもいるし、それからセナの個人的な面である彼の家族、ガールフレンドたち、そのブラジルとの関係もあって、こうしてサスペンス、ドラマ、悲劇が生まれる。これは間違いなく、理想的な映画の姿、しかも全部本物だ」

プロデューサーのゲイ=リースも「この映画の素晴らしいところはその構成にあるんだ。栄枯盛衰。最終的には、それがこの世の理だからね」と語っている本作。
ぜひ劇場で、セナの人生のドラマに触れてみてください!

【アイルトン・セナ ~音速の彼方へ 公式サイト】

10/8(金)、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー

2010年09月30日 18:23

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