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『ロビン・フッド』~史実を巧みに絡めたオリジナル・ストーリー~
プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、今回は12/10(金)公開の『ロビン・フッド』から。
ロビン・フッドの知られざる肖像が明かされる本作は、どのようなきっかけから生まれたのでしょうか?
■史実を巧みに絡めたオリジナル・ストーリー
ロビン・フッドにまつわる様々な物語は、イングランドの口承伝説の中でも最も古い部類に入る。古くは9世紀までさかのぼることができ、15〜16世紀には吟遊詩になって文学の世界に生き残った。知られている限り、ロビン・フッドとみなせるような実在人物は存在しない。ある男が無法者に転落すると<Robehod(ロブフド)>というあだ名でしばしば呼ばれたという解釈から、ロビン・フッドは泥棒が使った偽名のひとつだという推測もある。そうした様々な説が巷には溢れ、伝説はいまだに根強く生き残っているのだ。
プロデューサーのブライアン・グレイザーが、『ビューティフル・マインド』と『シンデレラマン』で組んだラッセル・クロウに『ロビン・フッド』の企画をもちかけたのは、リドリー・スコット監督の『アメリカン・ギャングスター』の撮影中だった。クロウは興味を示したが、出演を承諾するには「斬新な解釈の映画に限る」という条件をつけた。それを成し遂げられる唯一の監督として、2人が白羽の矢を立てたのは、『グラディエーター』や『キングダム・オブ・ヘブン』といった歴史大作を得意とするリドリー・スコットだった。「時代の過酷さを物語ると同時に、手に汗握る冒険アクション映画としてヴィジュアルに表現する。それができる監督はリドリーだけだ」と、グレイザーは言う。
グレイザー、クロウ、スコットの3人が共通して掲げたヴィジョンは、「生まれの卑しいひとりの男がいかにして民衆のヒーローになれたかを探求する」というもの。さらに、ロビンのストーリーを歴史の具体的な文脈に沿って描きながら、「いかにして」の部分に答えていこうと考えた。「その時代の政治的、歴史的な事実を大事にしたかった」とグレイザーは説明する。「当時のイングランドは破産状態で、内戦とフランスの脅威にさらされたうえ、無能なジョン王の手で統治されていた。そんな時代を背景にすれば、ロビン・フッドがいかにして生まれてきたかという原点の物語を描くことができる」
このヴィジョンを実現するために、3人が頼ったのは、『L.A.コンフィデンシャル』でクロウと組んだブライアン・ヘルゲランドの腕だった。ヘルゲランドは、この物語を、獅子心王リチャード1世の死をきっかけに、海外で恵まれない子供時代を過ごしたロビンが母国イングランドへ帰郷する場面から始める。故郷に戻ったロビンが目にするのは、リチャード王の戦争によって男手を奪われ、莫大な戦費によって貧困にさいなまれる母国の姿であり、リチャードの無能な弟のジョン王の重税政策に苦しめられる民衆の姿だった。「ロビン・フッドが金持ちから物を盗み、貧しい者に分け与えたことは誰でも知っている」とスコットは語る。「しかし我々は、社会環境が飢餓の瀬戸際にあって王が国民を顧みない時期に、中世の民間伝承が生まれる契機があったのではないかと考えた。そんな階級制度を敵に回し、体制を攻撃しようとしたごく普通の男が、ロビン・フッドだ。こうしたアイデアの枠内であっても、我々は伝説が持つワクワク感やロマンチシズムを忘れなかったけれどね」
歴史的背景と英雄の誕生をうまく組み合わせたアイデアは、長年信頼を築いてきた名コンビだからこそ生まれたものだと言えますね。『ロビン・フッド』日本公開まであともう少し…お楽しみに!
12/10(金)、TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー!
(c) 2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
2010年11月25日 11:48
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