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「上海の伯爵夫人」イメージソング「記憶-Last Forever- feat.韓雪」

1936年の上海を舞台に、激動の時代に翻弄されながらも、相手への想いを貫く男女を描いた「上海の伯爵夫人」<10/28(土)、Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー>。今回は、本作のイメージソング「記憶-Last Forever- feat.韓雪」を歌う中(あたり)孝介さんにインタビューをしてきました。

中さんのデビュー曲が、アンディラウさんにカバーされたことや、中国限定のフルアルバムが11月にリリースされることなど、中国と縁が深いですよね。そういう経緯もあり、今回、この「上海の伯爵夫人」のイメージソングが決まったようですが、最初にその決定を聞かれた時にはどう思われましたか?

中孝介(以下、中)「まず、どんな映画なんだろう?と思いました。実際に見てみると、とても素敵な映画で、“母親の強さ”を感じました。自分の娘を育てるために働きに出るソフィア(ナターシャ・リチャードソン)の、子を想う気持ちに、とても心が動かされ、親子の愛の強さを感じました。」

「記憶-Last Forever- feat.韓雪」での、韓雪(ハンシュエ)さんとのデュエットはいかがでしたか?

中「デュエットは自分にとって初めての経験で、大きなトライでした。その相手が中国のアーティストであり、女優さんでもある韓雪さんで、そういう方と出会わせてくれたスタッフに感謝しています。
奄美の言葉で「神のひきあわせ」という言葉があって、僕はこの言葉を座右の銘のように思っています。そのような「神さまが起こしためぐり合わせ」で、アンディラウさんが僕の曲をカバーすることになったり、今回のデュエットも実現したのだと思います。」

「記憶-Last Forever- feat.韓雪」が収録されているアルバムタイトルは「なつかしゃのシマ」で、奄美の方言だそうですね。「なつかしゃ」は標準語で言う「懐かしい」という意味だけではなくて、心の琴線に触れたとき、心を動かされたときに使われる言葉と聞きました。中さんが最近感じた「なつかしゃ」にはどんなものがありましたか?

中「各地にライブをしに行って、待っていてくれる人がいるということが、すごく大きいです。普段は、南の奄美大島で活動していますが、北の果ての北海道に行っても、自分の音楽を聴いて待っていてくれる人がいて、それにはとても“なつかしゃ”を感じます。
あと、奄美に帰って、そこで待ってくれている仲間や家族に会った時にも、やっぱり“なつかしゃ”な気持ちになります。現在も、1ヶ月単位で仕事をして、1週間くらい奄美に帰るという生活スタイルを続けています。奄美にいられる時間は、デビューしてから少なくなってしまいましたが、そうやって離れる時間を持つことで、改めて島の良さが客観視できたり、自分にとってなくてはならない場所であることを実感したりしています。」

Mr.Childrenの「手紙」をカバーされていますが、他にも今までに影響を受けた曲やアーティストはいますか?

中「奄美のシマ唄の世界に入るきっかけになったのは、高校1年生の時に、元ちとせさんの歌を生で聴いたことです。僕はもともとクラシックのピアノを弾いていて、奄美の文化センターにクラシックのコンサートを聴きに行ったら、ゲストで元さんが来ていたのです。その時に、三味線を弾きながらシマ唄を歌う彼女の姿を見て、若いのにこんな表現ができるんだ、と思ってすごい衝撃を受けました。
それまで、シマ唄はお年寄りの音楽だと思っていて、遠目で見ていたのが、元さんとの出会いをきっかけに、その世界に足を踏み入れることになりました。それからはCDやカセットテープを買い集めて、四六時中シマ唄を聴いて、耳で覚えてシマ唄を歌うようになりました。」

奄美に住んでいても、若い人とシマ唄の間には距離があることも多いのですね?

中「そうですね。そうやってシマ唄の世界に入って行ってからも、大学を卒業する時には、別の道に進もうかと考えました。それは奄美の人にとって、シマ唄がとても特別なものだからです。奄美の「シマ」という言葉は「奄美大島」全体のことを表現してもいるのですが、奄美の中にある各村々のことを表現する意味もあって、何百年にもわたって受け継がれてきた歴史があるのです。そこには、奄美の人たちが薩摩藩や琉球に支配された歴史も、昔の人たちの生活ぶりも、全て詰まっているので、その形を変えることはしたくなくて。
でも、歌は歌いたいし、自分にしかできない新しい挑戦をしたいという気持ちが生まれてきました。そこで、新しい音楽に、今までのシマ唄で培ったスピリットを歌詞の中に取り入れてやっていくという今のスタイルが出来上がりました。自然や人を大切にするシマ唄のスピリットが、自分の音楽の中に盛り込まれていると思います。」

それでは、最後に今後の活動予定を聞かせてください。

中「11月には中国限定のアルバムも発売されるので、向こうでもライブをしてみたいと思っています。台湾にも行ってみたいですね。食べ物がすごくおいしいという話を聞いていたので、楽しみにしています。国内でも、ライブを数多くやっていきたいです。お客さんに生で聴いてもらって、自分の音楽や“なつかしゃ”という感情をたくさん伝えていきたいです。」

★取材メモ
中さんは、人の瞳をまっすぐに見て、自分の想いを語られる方でした。そのまっすぐな気持ちが、お話を聞いている私にも、とてもよく伝わってきました。中さんの気持ちがたっぷり詰まった音楽を、ぜひチェックしてみてください!

中孝介プロフィール
鹿児島県奄美大島出身、在住。26歳。
2005年9月にインディーズ・ポップスミニアルバム「マテリヤ」をリリース。
2005年外資系CDショップの発表する年間インディーズ・ポップスチャートで5位を獲得。
2006年6月28日セカンドシングル「思い出のすぐそばで/真昼の花火」両A面シングルをリリース。「思い出の~」は作詞に秋元康氏を迎え、映画「着信アリFinal」の主題歌にも選ばれる。

中孝介ミニアルバム
「なつかしゃのシマ」
発売中 EPIC RECORDS ¥1,835(税込) 

収録曲
1、家路
2、波の果てに
3、手紙
4、記憶-Last Forever- feat.韓雪
5、ホノホシの風
6、なつかしゃ


中孝介公式サイト

「上海の伯爵夫人」公式サイト

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2006年10月24日 18:48

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