« ロシア発『大統領のカウントダウン』 | メイン | イタリア発『家の鍵』 »
チェコ発『プラハ!』
“魔法の都”と呼ばれる町並みを持つ、チェコ・プラハ。世界遺産にも登録されているこの町は、今や他の都市では見られなくなってしまった古き良きヨーロッパの重厚な魅力を静かに守り続けています。そんな町の名を冠した恋愛映画『プラハ!』をご紹介します。■ STORY

公式サイト>http://www.praha-movie.com/
■ 華やかなミュージカルシーンに注目!


夢と現実がオーヴァーラップするシーンの中で次々と展開されるダンスはとても楽しいもの。雨のシーンでパラソルを使ったミュージカルと言えば、『雨に唄えば』(‘52)を思い浮かべる人も多いはず。劇中にはこの『雨に唄えば』への監督のオマージュと思われるシーンも登場。パラソルに赤・黄・緑といった鮮やかな色使いを加えて、ダンスシーンに仕上げるあたりはミュージック・クリップ作品も数多く手掛けるレンチならでは。
“輝けるダンス”と“プラハの春”という明と暗を巧みに物語に織り込み、『プラハ!』は映画としてもヒットを収めましたが、サウンドトラックも大ヒットを記録。今日に至るまでチェコ史上最も売れたCDとなりました。チェコ国内の映画賞であるチェコ・ライオンアワードで衣装賞と作曲賞を受賞し、ピルゼン・フィルムフェスティバルでは最高観客賞を受賞。関連本やミュージカル版も人気を博しています。
■ 映画から観るチェコ
★プラハの春
1968年の春から夏にかけて、チェコスロヴァキアで起こった改革運動。社会主義体制下、ドプチェクによって推し進められた自由化政策により、チェコに明るい時代が訪れました。しかし、自由を求めるチェコスロヴァキアに危機感を抱いたソ連・東欧軍の介入によって、弾圧されてしまいます。その改革運動のことを、“プラハの春”と呼びます。

世界中でもっとも飲まれているタイプのビール、ピルスナービールはチェコの町ピルゼンが発祥地。ホップのきいた爽快な飲み口の淡色ビールで、飲むと香ばしさが広がります。ピルスナー系は現在、日本でも一番飲まれているタイプのビール。本作では物語の随所でビールを飲むシーンが登場していて、チェコ人の生活にはビールは欠かせないものだということが分かります。今でも1人当たりのビール消費量は世界一だそう。
■ DATA
4月29日(土)より、渋谷Q-AXシネマにてレイトロードショー
(以降、大阪、京都、神戸、名古屋他にて順次全国公開)
2001年/チェコ/110分
配給:アンプラグド
製作:フランチシェク・ヤンダ
監督:フィリプ・レンチ
脚本:ズデニェク・ゼレンカ
出演:スザナ・ノリソヴァー/ヤン・レーヴァイ/ヤロミール・ノセク/アルジュビェタ・スタンコヴァー/
アンナ・ヴェセラー/ルボシュ・コステルニー
2006年04月19日 13:05
この記事へのトラックバックURL:
http://blog.eigafan.com/cgi-bin/mt-tb.cgi/111
このリストは、次のエントリーを参照しています: チェコ発『プラハ!』:
» To go or not to go from Keiko's Cup of Tea
ミュージカル映画が続けて公開されて嬉しい限りですが、某演劇雑誌で「ミュージカルフ [続きを読む]
トラックバック時刻: 2006年05月09日 22:00
毎月初旬更新