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アメリカ発『トリスタンとイゾルデ』

世界的に有名な「ロミオとジュリエット」には、創作の元になった悲恋の物語が存在します。それが、この『トリスタンとイゾルデ』。
1500年前にケルトの伝説として誕生して以来、時代と国境を超えてヨーロッパの人々を魅了し、語り継がれてきました。当時のきらびやかな民族衣装や、宮廷の様子などの映像美もみどころです。

■STORY
舞台は暗黒時代のイングランド。コーンウォールの領主マークを育ての父に持つ勇敢な騎士トリスタンは、戦闘で瀕死の重傷を負い、敵国アイルランドの海岸に流れ着きました。そこで彼女はアイルランド王の娘、イゾルデにかくまわれ、献身的な介護を受けます。トリスタンが回復するまでの時間を共に重ねるうちに、自然と心を通わせる2人。ところが、イゾルデは、アイルランド王の意思により、マークとの政略結婚に向かうことに…。

公式サイト

■ リドリー・スコットが作る悲恋の物語

本作の製作総指揮を務めるのは、『グラディエーター』(00)『ブラックホーク・ダウン』(01)のリドリー・スコット。『グラディエーター』では、剣闘士を描いて史劇スペクタクル大作に仕上げ、『ブラックホーク・ダウン』でも1993年のソマリアで起きた壮絶な市街戦の模様をリアルな映像で再現した彼。

その彼が20年間にわたり、映画化の企画を温め続けていたという『トリスタンとイゾルデ』は、悲恋の物語をベースにしながらも、そこだけに留まることのない幅の広さがあります。

例えばそれは、剣のトーナメントのシーン。アイルランド王が、イギリスの領主たちの仲間割れを誘うために、イゾルデとの結婚と領地を賞品にしたトーナメントを開催。そこでの、トリスタンたちの闘いのシーンは臨場感たっぷりで迫力もの。

さらに、歴史ものとしてのみどころも本作の大きなポイントの一つ。自分の育ての父でもあるマークが、イゾルデと結婚することになった際に、イゾルデへの愛と、マークへの忠誠心の間で揺れ動いたトリスタンの気持ち。トリスタンが、初めに自分の気持ちを抑える決心をしたのは、マークとイゾルデの結婚がイギリス統一の悲願を実現するためには不可欠と考えたからでした。それぞれが、時代の波に翻弄されながらも、自分の故郷や国を想う気持ちが切実に描かれています。


■暗黒時代に生命を吹き込んだプロダクション・デザイン
●ロケ地の素晴らしさ
この壮大な歴史と悲恋の絡みあった物語世界を表現するにあたり、ロケ地の選定はかなり重要なポイントになりました。
ルーマニア、フランス、スコットランドなど、いくつかが候補に上がった中で、最終的に選ばれたのは、アイルランドの西海岸とチェコ共和国でした。
アイルランド西海岸の砂浜に設置されたボートハウスでの撮影は、主にトリスタンとイゾルデが時間を共有するシーン。その時間がわずかだったこともあり、せつないほどに美しいシーンになっています。

●こだわりの衣装
今回の衣装デザインを担当したのは、『ハムレット』でアカデミー賞候補になっているマウリツィオ・ミレノッティ。ミレノッティは、豪華絢爛で、刺繍にもこだわりを見せたその衣装の大半を手作りで準備。イタリアから持ち込んだトラックいっぱいの布から紡ぎ出された衣装は、俳優たちにも着心地が良いと評判だったそう。

■DATA
今秋、日比谷みゆき座ほか全国ロードショー

2005年/アメリカ/2時間6分
配給:20世紀フォックス映画
(C)2006 TWENTIETH CENTURY FOX

製作総指揮:リドリー・スコット
監督:ケヴィン・レイノルズ
脚本:ディーン・ジョーギャリス
出演:ジェームズ・フランコ/ソフィア・マイルズ/ルーファス・シーウェル/デヴィッド・パトリック・オハラ

2006年08月04日 14:24

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