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アメリカ発『スルース』
1972年アカデミー賞4部門でノミネートされた傑作ミステリー映画『探偵<スルース>』が新たなアプローチでリメイクされました。新生『スルース』では、名匠ケネス・ブラナー監督、ノーベル賞作家ハロルド・ピンターの脚本のもと、名優マイケル・ケインと本作のプロデューサーでもあるジュード・ロウが、壮絶な心理戦を繰り広げます。
■STORY
ロンドン郊外に豪邸をかまえる年老いた推理作家、アンドリュー・ワイク(マイケル・ケイン)のもとに若くて美しい男、マイロ・ティンドル(ジュード・ロウ)がやって来ました。自分の妻がマイロと不倫関係にあることを知っているアンドリューは、そのマイロに“ある提案”を持ちかけます。
──が、それは、ひとりの女をめぐって、ふたりの男が挑発し合う、高貴で不健全なゲームの幕開けだったのです。
アンドリューの提案を受け入れ、宝石を盗み出すマイロは・・・。
■リメイクを楽しむ
●主役のふたりは・・・
1972年の映画に主演したマイケル・ケインが再度、出演しています。ただしその役は、かつての相手役、ローレンス・オリヴィエが演じた老作家役。プロデューサーでもあるジュード・ロウの熱烈なオファーを受け実現したのでした。そして以前ケインが演じた作家の妻の愛人役は、ジュード・ロウ。「映画化することに頭が一杯で、急にとんでもないことになったんだ。最初は不安になった。マイロには色んな面がある。演じるのは簡単じゃない、と知っていたからね。」
ローレンス・オリヴィエ(1972)
→マイケル・ケイン(2007)
──アンドリュー・ワイク
初老の推理小説家。
スタイルにこだわる知性的な紳士。
尊大で無慈悲。
マイケル・ケイン(1972)
→ジュード・ロウ(2007)
──マイロ・ティンドル
若い俳優。
女はもちろん、男も惑わす美貌の持ち主。
野卑にして繊細。
ふたりのゲームは、実はアンドリューがマイロを家に迎え入れたときにはすでに始まっていたのです。その後、ゲームが進むにつれ、ジュード・ロウの妖しさVSマイケル・ケインの怪しさ、が際立ち・・・。そんな危うい対決にも注目です。
そして、物語が終わったとき、30年後のジュード・ロウのアンドリュー・ワイクを期待してしまうのは尚早でしょうか?
●そのひと言には100通りの意味がある・・・
ノーベル賞作家ハロルド・ピンターの精緻な脚本で、キャラクターに、より複雑さと陰影が増しました。
さらに、二転三転する展開、そっけないようで暴力を秘めてるセリフ、行間ひとつにまでこだわった会話劇は、観るものを混乱させ、疑心暗鬼にします。本心か策略か?罠を仕掛け合い、シーンごとに取って替わられる主導権。果たして勝者は?
■DATA
3月8日(土)、シネスイッチ銀座、新宿バルト9ほか全国順次公開
2007年/アメリカ/89分
監督:ケネス・ブラナー
出演:マイケル・ケイン、ジュード・ロウ
配給:ハピネット
(C) MRC II Distribution Company LP
2008年02月29日 20:16
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