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ロシア発『デイ・ウォッチ』
前作『ナイト・ウォッチ』に続き、ロシアで国民的ヒットを記録したダーク・ファンタジー第2章。
光と闇の勢力が「ナイト・ウォッチ」「デイ・ウォッチ」として互いの行動を監視しながら危ういバランスを取っている中、やがて人類の存亡をかけた熾烈な闘いへと発展していくことに…。
最新VFXを駆使した斬新な映像表現でも話題になりました。
■STORY
物語は中世、ウズベキスタン東部のサマルカンドにある難攻不落の砦から伝説の「運命のチョーク」
が名将ティムールによって奪われた顛末のプロローグから、一挙に現代のモスクワへ。
主人公のアントン(コンスタンチン・ハベンスキー)は、いつしかまた悲劇しかもたらさない光と闇の戦いの渦中に立たされるはめに。唯一の希望は、正しく使えばその人間の過去をも変えることのできる
「運命のチョーク」。アントンはそれを見つけだし、運命を正しい方向に導くことができるのでしょうか?
■作品イメージの創造
『デイ・ウォッチ』の世界では、荒廃した古いアパートがバンパイアの隠れ家に使われ、モスクワの平均的な修理工が身分を隠した魔術士に扮していたり…。ベクマンベトフ監督にとって、シャープで薄気味悪く、内臓を抉りだすようなビジュアルと感覚が、最優先すべき要素だったとのこと。
ビジュアル的にめくるめくこの作品世界で、さらにモスクワの姿を活動的で若々しい都市として紹介したいと監督は考えたそう。
「モスクワのイメージは、どこまでも灰色で憂欝な都市だ」と監督。「そんなイメージを刷新して、愉快でクールで様々なことが起きてる都市を描こうと考えた。元々のロシア文化は、非常にカラフルで感情の起伏が激しく、ドラマチックなんだ。そんな昔の視覚的に緊張感あふれるロシアを描くことに決めたんだ」
ロケは実際のモスクワの200 以上の場所で行われ、その中には世界的に有名な観光地の赤の広場、広大に張り巡らされた地下鉄網が含まれ、またサマルカンドでも撮影されました。
撮影の大半は、モスクワの北西地区にあるオスタンキノ・タワー周辺で行われ、高く聳えたつコミュニケーション・タワーは、モスクワにとっても、今回の物語にとっても、中心となる場所です。
■映画から観るロシア
●ロシアの映画界に活気が!
ソ連時代末期に国産映画を守り育ててきたシステムが崩れ、アメリカ映画が大量に流入したロシア。
その時期に、国産映画は資金難などの要因が重なり、壊滅的状況に陥ってしまいます。国産映画を
積極的に上映する劇場は皆無に近く、ロシア映画の興行収入全体に占める割合は10%にも満たない状態が続いていました。
その状況に風穴を開けたのが、前作『ナイト・ウォッチ』。『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』や『スパイダーマン2』といったその年の話題作を大きく引き離し、歴代興行記録を樹立しました。
これをきっかけに、劇場で国産映画が増え始めます。モスクワなどの街中にも、国産映画のポスターや看板が多くなり、興収に占める割合も2005年度には30%にまで上昇しました。
●VFXとデジタル化
ロシア映画ではハイテク視覚効果を求められる機会はほとんどなく、国内のVFXスタジオの大半が小規模で、何百ものVFXショットを扱うことに慣れていませんでした。このため、『ナイト・ウォッチ』の1年間のポストプロダクション期間中、何十ものロシアのVFX施設をまとめて、ひとつの視覚効果会社を設立。
製作のコンスタンチン・エルンストによると、「すべてのCG効果をロシア国内で作ることが重要だった」
とのこと。
VFX会社の所在地は、モスクワからセント・ペテルスブルグ、さらにキエフまで広がり、それぞれの会社
がCGモデルやアニメーションなどの得意分野をもっていたので、リレー方式で、ひとつひとつのショット
を完成させていくことに。
この方式によって、わずかな予算でも、驚くほどハイクォリティのVFXを完成させることができました。
■DATA
2月16日(土)、お台場シネマメディアージュほか全国ロードショー
2007年/ロシア/131分
配給:20世紀フォックス映画
(C)2007TCF
2008年02月13日 12:19
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