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フランス発『ぼくの大切なともだち』
シンプルゆえに深みのある「男の友情」がテーマのストーリー。フランスの名匠パトリス・ルコント監督が、『タンデム』『列車に乗った男』に続き、男同士の友情の深淵を、シニカル、かつユーモア満載で描きます!
■STORY
人生の半ばを過ぎて、ふと自分が孤独であることに気が付いた2人の男が、偶然の出会いをきっかけに、不器用ながらも友情を育んでいく物語。
友人だと思っていた仲間たちから、「お前の葬式には誰も来ない」と言われてしまった敏腕美術商のフランソワ(ダニエル・オートゥイユ)。それに反論するうちに、ビジネスパートナーのカトリーヌ(ジュリー・ガイエ)と「10日以内に親友を連れてくる」という賭けをすることに。そんな中、フランソワは陽気なタクシー運転手のブリュノ(ダニー・ブーン)と出会い…。
■「私たちはこの撮影で本当の友だちになりました」~ダニー・ブーン
「男の友情」をテーマにしたこの作品、パトリス・ルコント監督から出演を依頼された段階では、主演のダニエル・オートゥイユ、ダニー・ブーンのもとには、「向こう見ずな賭けをベースにした寓話のような友情の物語」だと説明されていたとのこと。
そのオファーを受けた時点で、「脚本を待つのに充分」と感じたというダニエル・オートゥイユは、脚本を読んでからの印象を、「イタリア風のコメディに属していると思いましたね。実際、絶え間なく人間ドラマが交錯するのです。孤独について語られていますが…それでも笑えますし、何度も微笑させられます」と、この作品の味わい深さを語っています。
そして、この作品が喜劇でありながらも滑稽な作品ではなく、感動が勝っているのは、ダニー・ブーンの俳優としてのパーソナリティのおかげだとも。
一方のダニー・ブーンも、撮影をとおして感じた、ダニエル・オートゥイユの人柄に対して、キャリアや名声に相応しい態度を取るのではなく、「シンプルで、もちろんきちんと距離を置きながらも、とても気のおけない人」と賛辞を送っています。
とても波長が合ったという、この2人だからこそ、このようなシンプルながらも味わい深い「男の友情」のドラマが誕生したのかもしれません。
■映画から観るフランス・アイテム
●「星の王子さま」
フランスの作家・飛行家、サン=テグジュペリの作品。郵便輸送のためのパイロット経験もある彼が遺した著作の中で、世界中で最も多くの人に親しまれているものの1つ。この映画の中でも、タクシー運転手のブリュノが、大切にしているアイテムとして登場します。
「君にとって 僕は 沢山いるキツネの1匹 でも 互いになじめば 大事な存在となる 君は僕の たった1人の人 僕は君の たった1匹のキツネ」…この一節が、映画の重要なシーンに彩りを添えます。
■DATA
6月14日(土)よりBunkamuraル・シネマほか
全国順次ロードショー
2006年/フランス/96分
配給:ワイズポリシー
(c)2006.FIDELITE FILMS—WILD BUNCH—TF1 FILMS PRODUCTIONS—LUCKY RED./WISEPOLICY.
監督:パトリス・ルコント
出演:ダニエル・オートゥイユ/ダニー・ブーン/ジュリー・ガイエ ほか
2008年06月13日 23:02
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