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ドイツ=オーストリア発『マーラー 君に捧げるアダージョ』

あなたの音楽の中で、わたしは生きつづける―

 『バグダッド・カフェ』で世界中を熱狂させたパーシー・アドロン監督の最新作。天才作曲家マーラーと世紀末ウィーンの女神ミューズアルマの、音楽に秘められた激しくも切ない愛の史実を、叙情豊かな美しい映像と新たな解釈で描き出しました。マーラー生誕150年&没後100年を飾る、新しい音楽映画の傑作です。

■STORY

 世紀末ウィーンを代表する大作曲家で、スター指揮者のグスタフ・マーラー。類まれな美貌と音楽的才能で、画家クリムトなどの芸術家を魅了したアルマ。誰もが羨む理想の夫婦であったが、19歳の年の差と、マーラーがアルマに作曲を禁じたことで生じた亀裂が、愛娘の死によって悪化してしまう。アルマは療養先で知り合った5歳年下のグロピウスに慰めを求め、その事実に困惑したマーラーは、精神分析医フロイトの元を訪れる…。

公式サイト


■世紀末ウィーンを見事に再現、壮麗なウィーン国立歌劇場で臨場感溢れる撮影

 世紀末ウィーンが忠実に再現され、画家クリムトや指揮者ブルーノ・ワルターといった後に名を残す芸術家が次々と登場。華やかな時代の雰囲気やサロンに集う芸術家たちの交流をリアルに描いています。また、マーラーが音楽監督をつとめた世界三大オペラ座のひとつ、ウィーン国立歌劇場が全面協力。臨場感溢れるオペラ座の舞台裏が撮影されました。そして、映画のシナリオに共感した名匠エサ=ペッカ・サロネンがマーラーの楽曲を指揮、スウェーデン放送交響楽団が本作のために特別録音を行い、楽章を構成する個々の声部を分解・断片化した音楽なども使用。マーラーとアルマの心を感じる、かつてない映画体験がここに実現したのです。


■映画から観るオーストリア

 19世紀後半、政治面における混乱と没落により、人々の関心が文化、芸術面に向かいました。その結果表れたのは、史上まれにみる文化の爛熟を遂げたオーストリア=ハンガリー帝国の首都ウィーンで展開された、第2次世界大戦勃発前ごろまでの多様な文化事業です。

 このころウィーンの街は都市計画によってリングシュトラーセ(環状道路)などの改革が進み、オットー・ワグナーによる近代建築の傑作が次々と造られました。20世紀をリードする学術、思想が生まれ、とくにフロイトの思想は同時代の文化、芸術に多大な影響を与えました。繁栄した時代の末期の退廃の美学、デカダンスという概念により、多くの天才が芸術面で活躍しユーゲントシュティールが提唱されました。美術ではウィーン分離派の画家クリムトがモダンアートの先駆けとなります。また音楽ではマーラー、ブルックナー、シェーンベルクらが世紀末ウィーンに活躍したのです。

 ぜひ歴史的背景にも注目して、世紀末ウィーンをご堪能ください。


■DATA

4/30(土)より、
渋谷・ユーロスペースほか全国順次公開!

2010年/ドイツ・オーストリア/102分
配給:セテラ・インターナショナル


監督:パーシー・アドロン&フェリックス・アドロン
出演:ヨハネス・ジルバーシュナイダー/バーバラ・ロマーナー/カール・マルコヴィクスほか

(C)2010, Pelemele Film, Cult Film, ARD, BR, ORF, Bioskop Film GmbH


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2011年03月28日 13:02

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