RIMPAC 海の精鋭たち

ハワイのオアフ島沖でアメリカ海軍主催による環太平洋合同演習（RIMPAC）が行われ、世界14カ国から２万人の海の精鋭が集結した！そのひとりアレックス・ホッパー（テイラー・キッチュ）は、米海軍の新米将校だ。性格は無鉄砲で負けず嫌い。優秀な海軍士官の兄ストーン（アレクサンダー・スカルスガルド）に心配ばかりかけていた。
アレックスの身を案じる人物がもうひとりいた。５年来の恋人サム（ブルックリン・デッカー）だ。彼女は、艦隊の総司令官である父のシェーン提督（リーアム・ニーソン）に、アレックスが結婚の許しを得る日を心待ちにしている。しかし、サムがチャンスを整えてくれたにもかかわらず、トラブルを引き起こしたアレックスは、シェーン提督の前でサムとの結婚を口にする機会を失う。

ライバル

アレックスとトラブルになった相手は、日本の自衛艦、みょうこうの指揮を執るナガタ（浅野忠信）。前年の演習で、彼の艦とアレックスの艦が接触事故を起こして以来、２人は犬猿の仲だった。サッカーの親善試合でも激しい接触プレーを繰り広げた２人は、戦艦内の洗面所で殴り合いの喧嘩を演じ、シェーン提督から大目玉をくらい、"最後の演習になるかもしれない"と宣告される。

3隻への指令

演習が始まり、戦略行動士官のアレックスは、部下のレイクス（リアーナ）、オーディ（ジェス・プレモンズ）、ビースト（ジョン・ツイ）と共に駆逐艦のジョン・ポール・ジョーンズに乗船。兄ストーンが艦長をつとめるサンプソン、ナガタが率いるみょうこうと並んで沖合へ航行を開始した。宇宙から飛来した謎の物体が、真珠湾の南240キロに落下したのは、その直後。本土から連絡を受けたシェーン提督は、落下地点に近いサンプソン、ジョン・ポール・ジョーンズ、みょうこうの３隻に、現場調査の指令を出した。

ビーコン・プロジェクト

そのころ、アメリカ国防総省では、謎の物体の正体解明に向けた緊急会議が招集された。そこで明らかになった驚愕の事実――それは、地球からグリース太陽系の惑星に向けて友好的な呼びかけを行った結果、「答え」として飛来したのが謎の物体だということだった。しかし、謎の物体がどういうものなのか、エイリアンの目的が何なのかは不明のままだった。そして「彼ら」は世界各国を攻撃、破壊し始めていた。

リーダーとして

いっぽう、ボートで接近を試みたアレックスが海中からそびえたつ謎の物体に手を触れたと同時に、海中から巨大な母船が出現、攻撃を開始した。しかも、敵の母船は強力なエネルギー波を放射してバリアを構築。バリアの内側に閉じ込められた３隻の駆逐艦は、基地と連絡がとれず、戦闘機の応援も望めない孤立無援の状態に置かれた。最初に集中砲火を浴びたのは、ジョン・ポール・ジョーンズだった。続いてサンプソンが爆弾の雨を浴びせられて壊滅。その砲撃をかいくぐりジョン・ポール・ジョーンズに戻ったアレックスは、生き残った最上級士官として自分が艦の指揮を執らねばならなくなったことを知る。そこで彼が下した命令は、兄ストーンの仇を討つための全面攻撃だった。しかし、援護役のみょうこうが沈没。それでも攻撃に突き進もうとしたところを部下たちに止められたアレックスは、冷静さを取り戻し、海に投げ出されたみょうこうの乗組員の救助に向う。一連の出来事から、部下の命を預かる艦長の責任の重さを痛感するアレックス。報復のためではなく仲間を救うために戦うことを学んだ彼は、ジョン・ポール・ジョーンズに乗り移ってきたナガタと協力して、エイリアンに立ち向かおうと決意する。

汚い作戦

アレックスたちは、これまでの戦闘を通じて得たわずかな情報を手がかりに作戦を練った。最も使える情報は、エイリアンの弱点が太陽光線だということだ。反対に、エイリアンの母船がレーダーに映らない点は、ミサイル攻撃の障害になった。それを打破する作戦を思いついたのは、ナガタ。「ブイを使えば相手の位置を把握できる」。その言葉どおり、敵の動きを鮮やかにスクリーンに表示させたナガタの能力に驚いたアレックスは、快くナガタを艦長の椅子に座らせる。かくして、ミサイル発射の指示を出すナガタと、船の操縦を受け持つアレックスのチームが完成。心をひとつにした日米の兵士たちは、激しい攻撃をかわし、敵に大きなダメージを与えることに成功する。

エイリアンの目的

その喜びの最中、アレックスの元にサムから連絡が入った。整体セラピストのサムは、リハビリが必要な陸軍兵士のミックを連れてサドルリッジ山に来ていた。そこで彼女が遭遇した科学者のキャル（ハーミッシュ・リンクレーター）は、エイリアンに襲われた電波基地から逃げ出してきた科学者だった。キャルの協力を得て、アレックスとの交信に成功したサムは、エイリアンが電波基地から母星に連絡を取ろうとしていること、連絡を阻止するには宇宙衛星の窓が開く４時間以内に基地を破壊しなければならないことを伝える。

海戦

すぐにもサムの元へ向かいたいアレックスだったが、まだ海の戦いは続いていた。執拗に行く手を阻む敵船を打ち破るため、アレックスが考え出したのは日の出を利用する作戦。使用する武器はライフル。狙撃のコンビを組むのは、いまや無二の戦友となったナガタだ。２人はジョン・ポール・ジョーンズのデッキの上に陣取り、太陽の真正面に誘導した敵船の窓を撃ち抜く。たちまち敵船内に強烈な太陽光が差し込み、パニックになったエイリアンたちは海の藻屑と消えた。

最後の反撃へ！

勝利の余韻に浸る間もなく、アレックスは電波基地を破壊するべくサドルリッジに砲弾の照準を合わせる。しかし、突如飛来した歯車状の武器にジョン・ポール・ジョーンズの船体が切り裂かれ、乗組員たちは沈みゆく船を放棄せざるをえなくなった。かろうじて救命ボートに乗り移ったものの、武器も応援を呼ぶ手段もなく、途方に暮れる海の精鋭たち。しかし、アレックスはあきらめなかった。なんとしてもエイリアンの通信を阻止し、人類を侵略の魔の手から救わねばならない。その使命を果たすために、アレックスは、誰もが予想しえなかった驚きの戦術を実行に移す！